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感情全肯定主義 THEラブ人間インタビュー

感情全肯定主義 THEラブ人間インタビュー

インタビュー・テキスト
木下夕希
撮影:柏井万作
2011/08/25

これはもう忘れたまんまでいたかったわっていうものを、ありありと見せ付けたいなと思ってるんです、自分にも。

―では、音楽ばかりではなかった生活の中で、他にはどんなものに影響を受けてきたのでしょうか?

金田:心の中のひとつの指針になっているのは『週刊少年ジャンプ』ですね。多分どの男の子も『ジャンプ』を読んだことはあると思うんだけど、通り過ぎちゃうんですよ。1週間に一度、暇を持て余すためだけの道具として。

―金田くんは違ったんですか?

金田:俺は、「これはただの青春漫画じゃない」って最初から喰ってかかってたんです。そういう意味では、『ジャンプ』をとことん掘り下げた人間っていう自負はあります。それこそ文学も好きで小説もたくさん読んでたけど、小説だとみんな掘り下げて論評したりするじゃないですか? 漫画だって同じような読み方ができるなぁって、いっぱい読みましたね。あの「愛」「努力」「勇気」が、男の子の1番の指針になるべきだと思います。

―ちなみにどの漫画が好きだったんですか?

金田:うーん、いっぱいあるけど、俺が購読してた時代はやっぱり『ジョジョ』が面白かったなぁ。まぁ、『すごいよ!!マサルさん』とか『幕張』とか『ターちゃん』とか、ジャンプ漫画がスッと脳みそに入ってくるのは中学生までなんじゃないのかなとも思うんだけど…

―金田くんも中学で読むのをやめちゃったんでしょうか?

金田:僕は続きましたね、23歳まで。

―その23歳っていうタイミングは何だったんだろう。

金田:つまんなくなったんですよ、『ジャンプ』が。何の深みも無くなってしまった。

―それは金田くんが変わったわけではなくて?

金田:向こうが悪いです(きっぱり)。

―(笑)。

金田:高校に入ってからは、今でいうところのビレバン系な漫画たちが昇華される前のものたちを読みつくしてましたね。つげ義春とか、浅野いにおとか。

―その他の漫画家だと?

金田:岡崎京子がとにかく好きですね。あと、やまだないと、魚喃キリコ…

―女性の漫画家が多いんですね。女性的なものに共感するんですか?

金田:うん、特に魚喃キリコとか。でも、共感っていうよりも、なりたいって思ったりしますね。女の子みたいに真っ直ぐ生きたいなって。

―男は真っ直ぐじゃない?

金田:うーん…、男は浅はかですね。知恵をふり絞り過ぎて、地獄の結末を得るっていうか。もっと女の子みたいに、思ったこと言えばいいんですよね。言うか言わないかでいえば、俺も言わないですもん。

―でも、そういった女性的な感性とは対極にありそうな、新井英樹の『宮本から君へ』もお好きだったりするんですよね?

感情全肯定主義 THEラブ人間インタビュー

金田:あれは完全に共感です。憧れではなくて、自分に似たやつがページの向こうで動いてる感じ。結局男の子は、体育会系な考えは隠せないんじゃないかって思うんです。好きな子が傷付けられたら「チクショー!」ってなる気持ちが大事だなって、ああいう漫画を読んで改めて思うし。

―そこが男と女の違いですか?

金田:宮本の場合、最初は「チクショー」が出せなくて鬱屈としていて、ラストになるにつれて「チクショー」が過剰になっていくんですよね。逆にそれが、俺が憧れてしまう真っ直ぐな女の子だったら、頭から最後まで気持ちがフラットに変わらない。真っ直ぐだから、「チクショー」が頭からあって最後まで続いていくっていう。男はくすぶってる小さな火が最終的には業火になるみたいなイメージかな。

―THEラブ人間の今作のタイトルは『これはもう青春じゃないか』で、ツアーのタイトルは『炸裂する思春期ツアー』ですよね。そういう男子的な青臭さみたいなものって、もちろん歌詞にも登場するんですけど、金田くんにとってそれはもう通過した時代なんでしょうか?

金田:通過したと思ってるけど通過してなくて、いやでも通過したなって思うし、でもまだ居たりする。自分が音楽でやろうとしてることって、「わー、それ聞きたくなかったわー」って、みんながひた隠しにしていることを、目の前に見せつけることなんです。だから、そういうタイトルを付けることで、見たくなかったとか、これはもう忘れたまんまでいたかったわっていうものを、ありありと見せ付けたいなと思ってるんです、自分にも。

3/4ページ:忘れて良いものはひとつも無いんじゃないかと思ってるんですよ。

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リリース情報

THEラブ人間『これはもう青春じゃないか』
THEラブ人間
『これはもう青春じゃないか』

2011年8月24日発売
価格:1,500円(税込)
VICB-60077

1. これはもう青春じゃないか
2. 抱きしめて
3. 若者たちの夕暮れ
4. 西武鉄道999
5. どうせ、慰時代

イベント情報

『炸裂する思春期ツアー ライブハウス編』

『夏のVIVA YOUNG! 6DAYS!!「2011年 夏~下北沢・夏~」』
2011年8月25日(木)
会場:東京都 下北沢 CLUB Que

2011年8月31日(水)
会場:大阪府 心斎橋CLUB QUATTRO

2011年9月2日(金)
会場:大阪府 南堀江 Knave

『MORNING RIVER SUMMIT 2011』
2011年9月3日(土)
会場:大阪府 大阪城野外音楽堂

『shima fes SETOUCHI 2011 百年つづく、いのちのフェス。』
2011年9月4日(日)
会場:小豆島、直島、鬼が島

『ETERNAL ROCK CITY.2011』
2011年9月17日(土)
会場:東京都 新宿(以下同)
LOFT、MARZ、Marble、Motion、OTO

2011年9月18日(日)
会場:長野県 長野 J

2011年9月19日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL

『ぐるぐる回る2011』
2011年9月24日(土)
会場:埼玉県 埼玉スタジアム

2011年9月28日(水)
会場:東京都 渋谷 O-WEST

2011年10月13日(木)
会場:岡山県 岡山 PEPPERLAND

2011年10月14日(金)
会場:広島県 広島 Cave Be

プロフィール

THEラブ人間

2009年1月に金田康平を中心に突如現れた音楽集団。「恋愛至上主義」を掲げ、今日も他人と解り合うことを願って血まみれの恋愛と青春の焦げ臭さを高らかに歌っている。 下記掲載のアーティスト写真左から→バイオリン: 谷崎航大 ベース: おかもとえみ 歌手: 金田康平 ドラムス: 服部ケンジ キーボード: ツネ・モリサワ

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