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感情全肯定主義 THEラブ人間インタビュー

感情全肯定主義 THEラブ人間インタビュー

インタビュー・テキスト
木下夕希
撮影:柏井万作
2011/08/25

恋愛至上主義の「恋愛」には色んな気持ちが入ってます。

―そうやって自分の実体験を歌うアーティストはもちろん他にもいらっしゃいますが、THEラブ人間が「恋愛至上主義」を標榜している理由ってどこにあるんでしょうか。ちなみにちょっとだけ個人的な話をすると、私はどっちかっていうと非恋愛至上主義なので、今日は説得されたいな、と思ってここに来たんですけど。

金田:うーん。まあ説得しないですね……

―ええっ!?(笑)

金田:わかりました(笑)。説明するとですね、恋愛至上主義って、要は「ラブソングを歌う」っていうことなんだけど、そこには僕なりの「ラブ」の解釈があって。たとえば“東京“っていう曲は、東京に出てきた女の子が色んなことを東京のせいにするんですね。でも「それはお前のせいだろ」って思ってめちゃくちゃ腹を立てて歌った曲なんです。普通それってラブソングではないけど、たとえば母親が子どもに怒るのと同じで、相手のことが好きだから怒るわけですよ。現に、俺は“東京“で歌っているその女の子のことがすごく好きで、同時にすごく腹が立ってた。それで「ああ、こりゃ一緒なんだなー」と思って。 だから、その恋愛至上主義の「恋愛」には色んな気持ちが入ってます。普通に考えた恋愛・非恋愛とは違うから説得はできないんだけど、わかりやすく言うと俺の恋愛至上主義って、感情至上主義みたいなとこはあるのかも。思ったことを歌うのが俺にとっての「ラブソング」になるっていうのは、そういうこと。

―なるほど、すごくしっくりきました。

金田:今作でいうと、“西武鉄道999”は母への歌だから、家族愛ですかねえ。“どうせ、慰時代”は自愛で、自分のことを愛してあげなきゃなっていう歌。「このままじゃいけないと思っているよ」っていう歌詞があって、それがなかったらただの絶望的な歌ですけど、「このままじゃいけない」と思えてる限りは自分のことを好きでいようかなっていうのが“どうせ、慰時代”のキモですね。

CDだけが届いて、ライブが観れないっていうのは、その人に対して不公平な気がして。

―金田くんは元々は「NOって言いたい」、つまりパンクスピリットが原点にあって、そこから愛という名の感情至上主義に繋がっているんだろうと思ったんですけど、それが社会とか政治とかに向いていくことはないんですか?

金田:とりあえず今はないですね。でも、パンクスピリットって社会に対する反抗が全てではなくて、根源的には「わかってほしい」っていうことだと思うんです。例えば、中学生が親とか先生に反抗するのも、わかって貰わなくてもいいんだよっていう気持ちじゃなくて、「わかってほしい」んですよ、本当は。だから俺は、相手がどう思っているのかは興味ないけど、俺の気持ちはわかってほしいって思っているし、…これが先程言ってた男の浅はかなところですよね。

―なるほど。

金田:とあるイベントに行った時に、グッとくるバンドとこないバンドがいて、その理由を考えてみたことがあって。どのバンドにも、大学まできちんと出して貰ってそれでもバンドをやっている人とか、高校中退してバンドをやっている人は等しくいるんだけど、そこで、自分が音楽をやっているのを「許して貰えてる」と思ってる人と、「許してほしい」と思ってる人との違いはあって、そこがグッと来るか来ないかの違いだなと俺は思っちゃって。

―面白い視点ですね。

金田:許してほしいって、俺は思ってるんですよ、ずっと。許してほしい、わかってほしいって。そこで、許して貰えてるって思ってる奴のステージには、凄みが無いですね。こっちは100%以上の力を出しても、わかってもらえるかわかんないと思ってやってるから。

―でもこの前のクアトロでのワンマンは大盛況だったり、世の中にTHEラブ人間の名はかなり知られるようになってきて、少しは「わかってもらえた」って満たされた部分もあるんじゃないですか?

金田:全く満たされてないですね。ワンマンは今までの人生で1番のライブだと思ったし、実力以上のライブが出来たと思ってるんですけど、それでもやっぱり満たされない。ワンマンが終わって片付けが終わった瞬間に、翌日にある自分の弾き語りライブのことばっかり考えてましたもん。明日のライブは、今日よりももっといいライブにしたいなって。

―ワンマンの次の日に、ソロとはいえ弾き語りのライブ入れちゃうのも凄いですよね(笑)。

感情全肯定主義 THEラブ人間インタビュー

金田:ワンマン終わってからの12~13日で5本くらいライブやってるけど、去年と比べたら本数は少ないです。もうね、いっぱいやりたいですね。満たされない欲がどんどん溜まってるんで。

―十分すごい本数だと思いますけどね。

金田:まだまだ足りない。俺ね、47都道府県を47日で周るツアーをやりたいの。


―無茶じゃないですかそれ!?(笑)

金田:今のままだと本当に死ぬと思う(笑)。うちのバンドは僕も含めて身体が弱いから、まずは体力づくりから始めないと。

―そこまでしてやる理由があるんですか?

金田:要は、会いに行けてない地域ってのを作りたくないんですよ。本当は、日本中のライブハウス全部に出たことのあるバンドでいたいと思うくらいライブが好きだし、CDだけが届いて、ライブが観れないっていうのは、その人に対して不公平な気がして。正当に戦ってない感じがするんですよね、その人と。だから俺、そういう人たちには「来いよ」って言ってるんですよ。そっちにまだ行けてないから、それでも観たいなら来いって。だからね、一刻も早く行けてない都道府県には行きたい。

―本当に、お客さんっていう総体ではなくて、ひとりひとりに向いてるんですね。

金田:うん、そうじゃないと寂しいですね。行ってない都道府県は、2年以内には絶対に行きますよ。

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リリース情報

THEラブ人間『これはもう青春じゃないか』
THEラブ人間
『これはもう青春じゃないか』

2011年8月24日発売
価格:1,500円(税込)
VICB-60077

1. これはもう青春じゃないか
2. 抱きしめて
3. 若者たちの夕暮れ
4. 西武鉄道999
5. どうせ、慰時代

イベント情報

『炸裂する思春期ツアー ライブハウス編』

『夏のVIVA YOUNG! 6DAYS!!「2011年 夏~下北沢・夏~」』
2011年8月25日(木)
会場:東京都 下北沢 CLUB Que

2011年8月31日(水)
会場:大阪府 心斎橋CLUB QUATTRO

2011年9月2日(金)
会場:大阪府 南堀江 Knave

『MORNING RIVER SUMMIT 2011』
2011年9月3日(土)
会場:大阪府 大阪城野外音楽堂

『shima fes SETOUCHI 2011 百年つづく、いのちのフェス。』
2011年9月4日(日)
会場:小豆島、直島、鬼が島

『ETERNAL ROCK CITY.2011』
2011年9月17日(土)
会場:東京都 新宿(以下同)
LOFT、MARZ、Marble、Motion、OTO

2011年9月18日(日)
会場:長野県 長野 J

2011年9月19日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL

『ぐるぐる回る2011』
2011年9月24日(土)
会場:埼玉県 埼玉スタジアム

2011年9月28日(水)
会場:東京都 渋谷 O-WEST

2011年10月13日(木)
会場:岡山県 岡山 PEPPERLAND

2011年10月14日(金)
会場:広島県 広島 Cave Be

プロフィール

THEラブ人間

2009年1月に金田康平を中心に突如現れた音楽集団。「恋愛至上主義」を掲げ、今日も他人と解り合うことを願って血まみれの恋愛と青春の焦げ臭さを高らかに歌っている。 下記掲載のアーティスト写真左から→バイオリン: 谷崎航大 ベース: おかもとえみ 歌手: 金田康平 ドラムス: 服部ケンジ キーボード: ツネ・モリサワ

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