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渋谷WWWってどうなのか? 渋谷慶一郎×agraph対談

渋谷WWWってどうなのか? 渋谷慶一郎×agraph対談

撮影:柏井万作

音楽を作るっていうのは、空間と時間を作ることでしかないから、それをトータルで考えることがすごく大事。(渋谷)

―では、そうしたエレクトロニカやサウンドアートの魅力でもある「音響」という面にスポットを当てた時に、それを体感させる為の現場の音響システムがとても重要だと思うのですが、実際のところWWWはいかがですか?

agraph:ヨーロッパを見渡してもそうなんですけど、音量がでかけりゃいいって感じがあるんですよ。で、僕はFUNKTION-ONEってそんなに音量を必要としないスピーカーだと思ってて。っていうのも、ベルグハイン(ベルリンの有名クラブ)で遊んだときに、FUNKTION-ONEの音量をDJがちょっと下げた瞬間があって、そのとき「このスピーカー、めちゃめちゃ音いいじゃん!」って思ったんです。ずっとパッツンパッツンで鳴ってたのが、ちゃんとダイナミクスが聴こえるようになって。そういう意味ではWWWももっとエイジングが進んで、そうなって欲しいと思ってるんですけど。

渋谷WWWってどうなのか? 渋谷慶一郎×agraph対談 渋谷WWWってどうなのか? 渋谷慶一郎×agraph対談

渋谷:FUNKTION-ONEはテクノのスピーカーみたいに思われ過ぎなところがあるよね。

三條亜也子(渋谷WWW):この前ジェームス・ブレイクを聴きにリキッドルームに行って、ハコ全体が鳴ってる気持ちよさを感じたときに、WWWはFUNKTION-ONEの音が前に出てる感じが押しつけがましい印象になっているのかなって思ったりもしました。

agraph:リキッドは2年ぐらい前に床を張り替えていて、ダブステップとかをやるとものすごい床が揺れるんですよ。だから、それ用にミッスクし直したりすると、すごくライブで映えたりするんです。WWWはフロアが階段状で床の底面積が低いから、共鳴する量が小っちゃいですよね。

渋谷:とはいえサブウーハーの位置や数とか、会場後方に今よりも強力なスピーカーを入れるとか、より良くなる方法は色々あるよね。

agraph:渋谷さん、ピアノでライブをしたときはアンプリファイしたんですよね?

渋谷:アンプリファイしないと無理だった。スピーカーの「シーッ」ていうノイズが嫌で最初は生音でやろうとしたんだけど、やっぱり聴こえなくてギリギリの音量でやったな。

agraph:そうですよね。WWWはああいう形だから、普通のハコよりは鳴るのかなって妄想してたんですけど、やっぱり難しいですよね。

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渋谷:ピアノは絶対に生音が一番いいから、ある程度のサイズのピアノで、響きがちゃんとあるところだったら絶対それでやる。そういえば以前、名古屋のクラシック用のコンサートホールでピアノ・ソロのコンサートをやったことがあったのね。その時は会場を真っ暗にして、ピアノと譜面だけ譜面灯っていう自分用の照明をつけて、自分にもほとんどスポットを当てないで演奏したら、終わった後のアンケートに「今日はマルチ何チャンネルだったんですか?」っていうのが結構あった(笑)。ピアノはモノラル、点音源じゃない? それに視覚的要素も極限まで無くしてガーッと集中したときっていうのは、マルチ・チャンネル的な効果が生まれることがあるんだなって。だから11月22日の『分解☆渋谷慶一郎』でもピアノソロのパートは客席は完全暗転にしてほんとに最小限の光だけでやろうと思ってる。

agraph:渋谷さんってライブの演出的な部分もすごく考えてやられてますよね?

渋谷:だって音の発表会ではないじゃない? 僕が「fimachine」(渋谷と、複雑系科学研究者の池上高志が作り出したサウンドインスタレーション。音楽の持つ時間/空間/運動構造を生成する人工的な音響空間であり、マシン)を作るようになってすごく変わったのは、やっぱり音楽を作るっていうのは、空間と時間を作ることでしかないっていうことで、それをトータルで考えることがすごく大事だと思うようになった。ATAK Dance Hallもサウンドチェックと同じくらい照明のチェックに時間かけるし。今回会場打ち合わせも入念にしてADHの部分はストロボと照明を組み合わせてやることにしたから新鮮な感じになると思う。

3/4ページ:音楽が好きな人と仕事をするってことが僕には重要で、それはすごく信じられる。(渋谷)

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イベント情報

WWW 1st Anniversary 『分解☆渋谷慶一郎』

11月22日(火) OPEN 19:00 / START 20:00
会場:東京都 渋谷WWW
出演:
渋谷慶一郎
ATAK Dance Hall set:Keiichiro Shibuya+evala
PA:zAk
TALK SHOW GUEST:
松村正人
五所純子
料金:
前売(スタンディング)3,300円(税込 /ドリンク代別)
当日(スタンディング) 3,800円 (税込 /ドリンク代別)
座席 4,000円 ※限定50席(税込 /ドリンク代別)

WWW 1st Anniversary『PROGRESSIVE FOrM showcase 2011』

11月17日(木) OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷WWW
出演:
agraph
evala
RADIQ (半野喜弘)
MimiCof
DJ: DJ Kensei -Indopepsychics Set-
DJ : Ametsub
Fugenn & The White Elephants
lycoriscoris
TAISHIN
VJ: Yousuke Fuyama
VJ: Katsumaki
料金:前売3,000円 当日3,500円(共に税込 / ドリンク代別)

プロフィール

渋谷慶一郎

1973年生まれ、音楽家。東京芸術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立。国内外の先鋭的な電子音響作品をCDリリースするだけではなく、デザイン、ネットワークテクノロジー、映像など多様なクリエーターを擁し、精力的な活動を展開する。2009年、初のピアノソロ・アルバム『ATAK015 for maria』を発表。2010年には『アワーミュージック 相対性理論+渋谷慶一郎』を発表し、TBSドラマ『Spec』の音楽を担当。2011年は、モスクワでのイベント『LEXUS HYBRID ART』のオープニングアクトを担当するなど、多彩な活動を続ける。来年2月公開の映画『セイジ 陸の魚』では音楽監督を担当。

agraph

牛尾憲輔のソロユニット。2003年、石野卓球との出会いから、電気グルーヴ、石野卓球などの制作、ライブでのサポートでキャリアを積む。2008年12月にソロユニット「agraph」としてデビューアルバム『a day, phases』をリリース。2010年11月、セカンドアルバム『equal』をリリース。2011年は、ナカコー(iLL/ex.supercar)、フルカワミキ(ex.supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers/toddle)との新バンド、LAMAのメンバーとしての活動もスタート。

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