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渋谷WWWってどうなのか? 渋谷慶一郎×agraph対談

渋谷WWWってどうなのか? 渋谷慶一郎×agraph対談

撮影:柏井万作

ストリーミングをリアルタイムで使おうとする時に、ネットの向こうからのアクションによって、やってる人の作家性に効果を及ぼす方が絶対面白い(agraph)

―(笑)。まあ、そういうライブができるのもWWWならではと言えるかもしれませんね。

agraph:ニコニコ動画だったりDOMMUNEだったり、二元中継とかやるじゃないですか? ああいう見え方みたいのは新しい場としていいなと思うんですけど、渋谷さんはどうですか? ストリーミングだったり、双方向みたいな。

渋谷:コメントの双方向はいいと思う。参加型ってことで言うと、一時期クリエイティブ・コモンズでの共作が流行ったじゃない? 僕はあれには興味なかったけど、コメントによってちょっとプレイが変わるとか、そういうのはいいと思う。

agraph:僕もそう思うんです。ネットの向こうからのアクションによって、やってる人の作家性に効果を及ぼす方が絶対面白いじゃないですか? それがシームレスにできるハコっていうのは、この時代のハコのあるべき姿なのかなって。WWWはちゃんとustができて、そういう周辺の事象も巻き込んでいける力を持ってるのもいいなって。アーティスト側は基本的にシーンのこととか考えないし、自分がやりたいこと、かっこいいことをやっていきたいっていう意思がある中で、WWWがその受け皿になってくれるんじゃないかと。それはこの一年のラインナップや活動を見ていて感じたことで、単純に現場だけにとどまらない、ある種の台風の目になっていくのかなって。

渋谷WWWってどうなのか? 渋谷慶一郎×agraph対談 渋谷WWWってどうなのか? 渋谷慶一郎×agraph対談

渋谷:どこまでハコか、どこまでストリーミングかわかんないみたいな状態にして、できればライブの価格が下がるといいよね。今だとストリーミングがあるってわかった瞬間に「じゃあ、行くのやめた」ってなるじゃん? あれもあれで結構しんどい話で、問題だと思ってるのね。とはいえ、若い子がそうなるのは仕方ないから、それは「来てくださいよ」っていくら言っても無駄で。だからその「参加」っていうのが、今日はストリーミングで、今日はリアルでっていう選択ができて、しかもその違いがそんなになくなるとすごくいいなって。だからどこまで快適な環境を提示できるかというのはクラブなりライブハウスはもっと真剣に考えてほしい。音が悪かったら当然ust で見ておしまいでいいわけだから。

 

WWWのポジションは非常に東京的かなって気はするけどね。しかしこれサービスし過ぎてるな…(渋谷)

 

―では最後に、音の面ではなかなか海外に勝てないという話も途中にありましたが、そういう中で、日本のライブスペースが今後どのように進んでいけばいいとお考えですか?

agraph:ベルリンに行って思ったのは、ギャラリーで小難しいサウンドアートをやっていても、人がすごい来るんですよね。全身ピアスの男の子が「ちょっと面白そう」って、ピーとかガーとか音が鳴ってるだけのところに来るわけですよ。それすごいなと思って。それがすぐに日本でできるとは思わないけど、受け皿っていう話もしたように、WWWがそういう潮流の一端になってくれればなって思うんです。さっきも言った黒川さんのライブであれだけ人が入るのとかって、すごく象徴的だなって。

 

渋谷:あと日本ってやっぱりアイコン化された、シンボリックなものが必要な社会だから、「これが面白い」「こういう風になんなきゃダメだ」って言われれば言われるほど、人が離れるところがあって、単純な啓蒙が機能しにくい国だと思うのね。だからウチは良質な音楽を応援します! みたいなのは通じないと思うわけ。WWWが面白いのは、スペシャがやっててみたいなパブリックな部分と、スタッフが「FUNKTION-ONE入れたいから入れる」っていうプライベートな部分の両方があるってことだと思うわけ。啓蒙がしにくいって言ったのは、つまりは中間を狙わなきゃいけないってことで、そういう意味でWWWのポジションは非常に東京的かなって気はするけどね。だから、いろんな意味で上手くやってほしい。今のところ、プライベートな部分の良さっていうのを僕は知ってるから。

―今後はそのプライベートな部分も大事にしつつ、よりパブリックにも広めていく、そのバランス感が重要になってくるんでしょうね。今日はどうもありがとうございました。

渋谷:しかしさこれ、意味わからないくらいWWWにサービスしてるよね。どう挽回してもらおうかな…

agraph:それ、俺も絡めてください(笑)。

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イベント情報

WWW 1st Anniversary 『分解☆渋谷慶一郎』

11月22日(火) OPEN 19:00 / START 20:00
会場:東京都 渋谷WWW
出演:
渋谷慶一郎
ATAK Dance Hall set:Keiichiro Shibuya+evala
PA:zAk
TALK SHOW GUEST:
松村正人
五所純子
料金:
前売(スタンディング)3,300円(税込 /ドリンク代別)
当日(スタンディング) 3,800円 (税込 /ドリンク代別)
座席 4,000円 ※限定50席(税込 /ドリンク代別)

WWW 1st Anniversary『PROGRESSIVE FOrM showcase 2011』

11月17日(木) OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷WWW
出演:
agraph
evala
RADIQ (半野喜弘)
MimiCof
DJ: DJ Kensei -Indopepsychics Set-
DJ : Ametsub
Fugenn & The White Elephants
lycoriscoris
TAISHIN
VJ: Yousuke Fuyama
VJ: Katsumaki
料金:前売3,000円 当日3,500円(共に税込 / ドリンク代別)

プロフィール

渋谷慶一郎

1973年生まれ、音楽家。東京芸術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立。国内外の先鋭的な電子音響作品をCDリリースするだけではなく、デザイン、ネットワークテクノロジー、映像など多様なクリエーターを擁し、精力的な活動を展開する。2009年、初のピアノソロ・アルバム『ATAK015 for maria』を発表。2010年には『アワーミュージック 相対性理論+渋谷慶一郎』を発表し、TBSドラマ『Spec』の音楽を担当。2011年は、モスクワでのイベント『LEXUS HYBRID ART』のオープニングアクトを担当するなど、多彩な活動を続ける。来年2月公開の映画『セイジ 陸の魚』では音楽監督を担当。

agraph

牛尾憲輔のソロユニット。2003年、石野卓球との出会いから、電気グルーヴ、石野卓球などの制作、ライブでのサポートでキャリアを積む。2008年12月にソロユニット「agraph」としてデビューアルバム『a day, phases』をリリース。2010年11月、セカンドアルバム『equal』をリリース。2011年は、ナカコー(iLL/ex.supercar)、フルカワミキ(ex.supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers/toddle)との新バンド、LAMAのメンバーとしての活動もスタート。

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