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ササキゲン(KUDANZ)×川谷絵音(indigo la End)対談

ササキゲン(KUDANZ)×川谷絵音(indigo la End)対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作

歌ってないと不安になってくる時期に今突入してます。(川谷)

―4月11日にそれぞれのバンドのアルバムが出ているので、その話をしつつ、お2人の共通点・相違点を探っていければと思うんですけど、まずKUDANZの『僕とターヘルアナトミア』に関して、ササキさんはブログで「自分を紐解くようなつもりで作った」と書かれてましたね。

ササキ:曲を作ってる期間が10年ぐらいあって、さっきの“信じない”は17のときに作った曲なんで、10年経ってるんですけど、「歌えるようになった」みたいな感じなんですよね。自分が書いた歌詞の意味とか、それを歌う意味とか、歌ってるうちにわかってくるタイプなんです。

川谷:それは結構同じかもしれないです。

ササキ:曲作りしてるときって、初めは意識的に書いてないじゃないですか? だから、なおのこと深層心理を歌ってることが多くて、今見ると「こんなこと言ってたんだ」とかあるんですよね。

川谷:“信じない”は、17のときに書いて、今だとどういう感じなんですか?

ササキゲン(KUDANZ)×川谷絵音(indigo la End)対談

ササキ:失恋の歌なんですけど(笑)、2Dが3Dになったような、曲とか詞の奥行きを理解できるようになった感じですね。<ほら小雨のリズムで 時が浸食するよ>っていう歌詞が個人的に好きなんですけど、昔はそのタイム感がわからないまま歌ってたと思うんです。でも、それがわかり始めて、今は「時が浸食していく小雨のリズム」っていうのが、どのくらいのテンポ感なのかわかってきたというか。

川谷:でも、17のときに書いた曲とは思えないですよね。

―曲はいつ頃から書いてたんですか?

ササキ:小6のときに1回ギターは挫折したんですけど、中1の後半ぐらいからまた弾き出しました。楽器に興味があったわけじゃなくて、歌いたくて、伴奏が欲しくてって感じで。川谷くんは楽器から入った?

川谷:元々高校までサッカーやってて…

ササキ:うん、サッカーっぽい!

川谷:(笑)。でも、肺の病気になって、高1でサッカーをやめて、音楽はずっと好きで聴いてたから歌いたいと思って。でも最初の頃は友達にギターを弾いてもらっていて、大学で軽音サークルに入ってからギターを始めて。

―そこから自分のバンドをやろうと思ったきっかけは?

川谷:元々自分でやろうって感じじゃなくて、サークルの先輩に「ボーカルで入って」って誘われて、気づいたら他のメンバーが全員辞めちゃって(笑)。で、1人残って「やるしかないか」って。

―じゃあ、今はどうなのかな? 自分にとってバンドをやる意味、歌う意味っていうのは。

川谷:歌ってないと不安になってくる時期に今突入してます。前は歌うためにバンドをやってるって感覚で、段々今の4人でやることが意味を持ち始めてたんですけど、今は誰に向かって歌ってるのかがわからなくなってきてて…

―前は自分に向かってだった?

川谷:自分に向かって歌ってるのがほとんどだったんですけど、色々取材とか受けて、「それは違うんじゃない?」とか言われたりして、「自分はどこに歌ってるんだろう?」ってなっちゃって(笑)。

ササキ:僕もいまだに悩んでるけど、結局他人に投げるのも、自分に投げることだと思うんですよ。「客観視しなさい」とかってよく言われるけど、結局客観視するのも自分だから、それって主観じゃないですか?

―「自分を客観視=主観」と。

ササキ:そういう意味では、僕らはずっと自分に向かって歌ってるんだなって思いますね。人に対して書いてるけど、結果的には自分に対しても歌ってるなっていうのはすごく感じます。

 

そのモヤモヤって、それはそれで好きな人もいるかもしれない(笑)。でも、自分たちはそのモヤモヤを取っ払いたい、突き詰めたいって、みんな思ってるんですよね。(ササキ)

―ササキさんは今回のアルバムで自分を紐解いたことによって、どんな発見がありましたか?

ササキ:人って、実はものすごい気持ち悪いことを考えてたりするじゃないですか? 絶対言わないだけで。そういうことばっかり考えてたんで、結構つらかったんですけど、今はそれを自分の体から離した感じというか、悪いものを体から離して、どういう風に受け止められるかはわからないけど、とりあえず差し出したような気持ちです。お客さんと一緒にそれを見てるみたいな。

―川谷くんはアルバム1枚作ってどうですか? KUDANZもそうだけど、インディゴも「ここから始まる」っていう感じがあると思うんだけど。

ササキゲン(KUDANZ)×川谷絵音(indigo la End)対談

川谷:そう、それで「前向きなんですか?」とか言われるんですけど、結構ギリギリ感というか、不安なんですよ。だから、最後の“素晴らしい世界”の歌詞も<大丈夫だ>じゃなくて、<大丈夫そうだ>なんです。結構ライブで歌うことが多い曲なんですけど、<大丈夫そうだ>ってところを自分がどういう感じに歌ってるかで、そのときの自分の心境がわかるっていうか。

―自分から歩み出たというより、「始まっちゃった」っていう感覚が強い?

川谷:まだその…「行こう!」みたいな感じにはなれなくて、そういう雰囲気がアルバム全体に蔓延してるような気がするんですけど(笑)。

ササキ:それは俺も自分に対して感じてて、でもそのモヤモヤって、それはそれで好きな人もいるかもしれない(笑)。でも、自分たちはそのモヤモヤを取っ払いたい、突き詰めたいって、みんな思ってるんですよね。

―『さようなら、素晴らしい世界』っていうタイトルはどういうイメージなんですか?

川谷:最初は曲名と同じで、タイトルも『素晴らしい世界』でいいんじゃないかってなってたんですけど、『素晴らしい世界』っていうと、すごい開いた感じになっちゃうから、曲自体のサビが、<さようなら 素晴らしい世界>だったんで、そこをタイトルに。

3/4ページ:(ネットの反応は)僕からすれば、ずっとバンドやりたくてもなかなかやれなかったんで、そうやって何か言ってもらえるだけ、すげえ幸せだと思ってます。(ササキ)

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イベント情報

『スペースシャワー列伝 〜第八十九巻 むだいの宴〜』

2012年5月18日(金) OPEN: 18:00 / START: 19:00
会場:渋谷O-NEST
料金: 前売2,500円 当日3,000円 (ドリンク別)

出演:
赤い公園
KUDANZ
Hello Sleepwalkers
indigo la End

リリース情報

indigo la End『さようなら、素晴らしい世界』
indigo la End
『さようなら、素晴らしい世界』

2012年4月11日発売
価格:1,800円(税込)
PECF-3018

1. 緑の少女
2. 秘密の金魚
3. 夢で逢えたら
4. Warhol
5. 夜の公園
6. ジョン・カーティス
7. むだい
8. 素晴らしい世界

リリース情報

KUDANZ『KUDANZ歌集「僕とターヘルアナトミア」』
KUDANZ
『KUDANZ歌集「僕とターヘルアナトミア」』

2012年4月11日発売
価格:2,520円(税込)

1. 過去のカルテ
2. アダム
3. ぶち壊したいだけ
4. yoursong
5. 汚れた獣
6. 無神論
7. 信じない
8. programs
9. 宇宙は回る
10. カンフル

プロフィール

KUDANZ

2008年、ササキゲンを中心に仙台で結成。エレキギター弾き語りのソロ、アコースティックセット、3ピース、4人編成など、形態は様々。

プロフィール

indigo la End

2010年2月より活動を開始。絶対的な歌を中心に美しい音をポップに奏でる4人組。心象風景が音楽で具現化されたような際限のない広々とした世界観、ボーカル川谷絵音の広く深く響く歌声を主軸とし確固たる独自の世界を多様な音楽で紡ぎ出すロックバンド。2012年4月11日にアルバム『さようなら、素晴らしい世界』をリリース。

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