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自己表現としてのビジネスの極意 入江悠×家入一真対談

自己表現としてのビジネスの極意 入江悠×家入一真対談

インタビュー・テキスト
九龍ジョー
撮影:越間有紀子

アイデアは実際に実行するかどうかが分かれ目

入江:Liverty以外にも、同時多発的に様々なプロジェクトに取り組まれてますけど、そういったアイデアってどこから生まれるんでしょう?

家入:僕自身は特にアイデアがポンポン浮かぶ人間ではないんです。ただ、いまもそうですけど、飲み会とかで色んな人と話す中で、こんなのがあったら面白くない? みたいな話が出ますよね。普通は、わりとその場のノリだけで話が終わることも多いと思うんですけど、僕の場合どんなにくだらないアイデアでも覚えていて、カタチにしちゃうんです。たとえば最近の話でいうと、石を販売するECサイトを立ち上げたんですよ。最終的に石を売って生きていけたら最強だなと思ってて。

入江:そうですね(笑)。

家入:僕、人生は実験だとよく言ってるんですけど。絶対に何でもやってみたほうがいいと思うし、そのほうが失敗ですらも楽しいじゃないですか。

入江:普通は思いついたところで、「いやちょっと待てよ、石はさすがに売れないだろう……」ってなるところを(笑)。

家入:それがないんですよね、僕は。

入江:以前に一緒に飲ませて頂いたときに、家入さんが口グセのように「それ面白いっスね」って連発していたのが印象的だったんです。この人はアイデアを面白がるレンジが人よりも広いんじゃないかって。ご自分でも、アイデアが浮かんだら自分で抱え込まずにどんどん話しちゃうって言ってましたよね。

家入:思いついたアイデアはTwitterでもFacebookでもどんどん書いちゃいますね。よく「パクられたりしませんか?」って言われるんですけど、パクられるくらいなら所詮その程度のアイデアでしかないというか。

入江:面白いですね。最近だとアイデアが一番大事で、それを売ってお金にする、みたいな流れのほうが主流じゃないですか?

家入:僕はアイデアなんて使い捨てだと思っています。どんどん話すし、書いて、実際にやってみる。たいしたアイデアじゃないものほど人は大事に抱え込んでいるような気がするんです。売れるものって身近にも結構あると思うんですよ。僕のアシスタントで「顔面広告」とか言って、顔面に広告を貼って、横浜と六本木を電車で往復するっていうことをやってるヤツがいるんですね。1日1万円で顔に広告を出稿できるっていう仕組みなんですけど、でもそれと似たようなアイデアは昔からあったと思うんです。

家入一真

入江:そういえば、僕も『SR サイタマノラッパー』の宣伝で、スタッフとキャストが大きなポスターを持って電車を乗り換えていくっていうのをやりました(笑)。

家入:やっぱりそういうことって考えますよね。

入江:それで、大きな駅だとたまに怒られたりもして(笑)。

家入:確かに大きなポスターだと怒られるかも(笑)。で、実際にやってみると、顔の広告枠は1か月間全部埋まったんですよ。顔面を広告にするだけで月収30万円稼ぐことを実現してしまったんです。これだったら何のスキルがなくても、就職せずに食っていけるかもしれないじゃないですか。つまりは会社に依存せずに生きていける。ようはアイデアって実際に実行するかどうかだけなんですよ。

入江:とはいえ、家入さんがアイデアを面白がるポイントもあるわけですよね?

家入:やっぱり時代性は意識しますね。顔面広告にある、持っているものを切り売りして生きていくという手法は、何でもサバイブを要求されるいまのご時世に対する問題提起でもあるんです。だからちょっとしたアートプロジェクトみたいなところもありますね。

入江:たしかにビジネスだけで考えたら、月30万円で成功と言えるのかは微妙ですもんね。

家入:そうなんです。だからこういう生き方だってあり得るんだよっていう、1つのカタチをまず見せたいんです。それによって多くの人々の心をザワつかせたいというか。これはアリなの? ナシなの? っていう。例えば、顔面に広告を貼るなんて人権侵害じゃないかという意見だってあっていいと思うんです。人の価値観を良くも悪くも揺るがすようなものを作りたいんですよ。それもビジネスというフォーマットを通じて。

入江:面白いですねぇ〜。

家入:そういう意味では、ビジネスを通じて自己表現をしてると言えるかもしれませんね。

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番組情報

『入江悠の追い越し車線で失礼します Driven by 三井ダイレクト損保』

毎週日曜日20:30〜21:00からTOKYO-FMで放送

リリース情報

『もっと自由に働きたい (U25サバイバル・マニュアル)』
『もっと自由に働きたい (U25サバイバル・マニュアル)』

2012年8月26日発売
著者:家入一真
価格:1,260円(税込)
ページ数:176頁
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン

『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(DVD)
『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(DVD)

2012年11月21日発売予定
価格:3,990円(税込)
発売元:アミューズソフト/メモリーテック

監督・脚本・編集:入江悠
出演:
奥野瑛太
駒木根隆介
水澤紳吾
斉藤めぐみ
北村昭博
永澤俊矢
ガンビーノ小林
美保純
橘輝
板橋駿谷
中村織央
配島徹也
中村隆太郎
HI-KING
回鍋肉
smallest
倉田大輔

プロフィール

入江悠

1979年、神奈川県生まれ。監督作『SRサイタマノラッパー』(2009)が『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』でグランプリ、『富山国際ファンタスティック映画祭』で最優秀アジア映画賞を受賞。同シリーズ3作目『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(2012)では野外フェスシーンに延べ2000人のエキストラを集め、インディペンデント映画として破格の撮影規模が話題となる。

家入一真

1978年、福岡県生まれ。起業家、クリエイター。Liverty代表。リアルやネットを問わずカフェやウェブサービスなど遊び場を生み出す。JASDAQ最年少上場社長。40社程のベンチャー投資も。paperboy&co.創業者、CAMPFIRE創業者、partycompany Inc.代表、partyfactory Inc.代表。著書に『新装版 こんな僕でも社長になれた』『もっと自由に働きたい』など。

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