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自己表現としてのビジネスの極意 入江悠×家入一真対談

自己表現としてのビジネスの極意 入江悠×家入一真対談

インタビュー・テキスト
九龍ジョー
撮影:越間有紀子

出資でも募金でもない、支援という名のクラウドファンディング

入江:僕は同世代の映画人が既存の業界に吸収されていくのを見ながら、自分はどうするべきなのかを考えていたので、家入さんのお話を聞くと、すごく刺激になります。大きなシステムに全てを頼らなくても、モノを作ることができるよっていう。

家入:そういうことを色々試せる場所や仕組みを作るのが僕の仕事でもありますからね。こういう場所を用意したので、能力を持ってる人たちは自由に使ってみてくださいねっていう。

入江:『SR サイタマノラッパー』を撮るにあたってお金集めはどうしようか? というときに、色んな人からクラウドファンディングのことを言われたんです。中でも国内最大のクラウドファンディングは家入さんが経営されている「CAMPFIRE」だってことを聞いて。

入江悠

家入:ありがとうございます。僕と石田光平の二人で代表をやっています。

入江:「CAMPFIRE」はいまどんな段階なんですか?

家入:少しずつ定着してきたかなぁ、という感じですね。集まってくるお金も、右肩上がりで増えています。

入江:この仕組みは「出資」と考えていいんでしょうか。

家入:僕らは「募金」と「出資」の間ぐらいの意味で、「支援」と呼んでます。昔はパトロンみたい人がいて、アーティストにボンって大口でお金を出すことがありましたけど、いまだったらネットの力を使って、大勢の人が小口のお金でアーティストやプロジェクトの支援をすることができる。そういう仕組みがCAMPFIREです。

入江:例えば僕が映画を撮るとして、支援してくれた人にはどんな見返りがあるんですか?

家入:基本的にはプロジェクトごとにリターンを自由に設定してもらっています。例えば、500円だったら御礼のメール、1,000円だったら特製ステッカーが届きますよと。さらに1万円だとエンドクレジットに名前が載って、10万円だったらエキストラとして映画に登場できます、みたいな。

入江:なるほど、お金のリターンではないんですね。

家入:お金のリターンだと、結局お金だけの関係性になってしまうかもしれないですよね。でもCAMPFIREの場合、特別な体験だったり、特別なグッズをリターンとして設定してもらうことで、お金を出す人は純粋にファンというか、プロジェクトに自分もちょこっと参加するぐらいのノリで支援することが出来るんじゃないかと。

家入一真

入江:クラウドファンディング自体は、世界的にかなりメジャーなものになってきていますよね。

家入:そうです。アメリカの「Kickstarter」というサービスでは、映画製作の資金として1億円とか2億円を集める例も出てきていますね。

入江:先日、『アイアン・スカイ』という、アメリカ映画を見たんですけど、やっぱりクラウドファンディングで1億円以上集めたっていう触れ込みでした。映画自体はナチスがずっと月の裏側に潜んでいて、2018年に地球を攻めてくるっていうムチャな設定なんですけど、その映画を観てみたいっていうことで、結構なお金が集まって。

家入:大口のスポンサーをいくつか集めるって発想よりも、その「ちょっと観てみたいかも……」っていう人を大勢集めて、中には1万円ぐらいなら出してもいいよっていう人もいたりして、そういう人が1万人集まったら1億円ですからね。ネットだったら1万人はそんなに多い人数じゃないですし、全然実現性ありますよね。

入江:それはすごく未来のある話だし、僕も自分の映画作りに活かせたらなと思っているんですよ。

家入:Kickstarterの1億、2億というのには及ばないですけど、CAMPFIREでも最近は500〜600万円を集めたプロジェクトも出てきています。あと、映画のプロジェクトの応募って多いんですよ。

入江:そうなんですか?

家入:残念ながら目標の支援金に達しないこともあるんですけど。そこは本当にどれだけ応援したいという人を巻き込めるかっていうところにかかってますからね。

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番組情報

『入江悠の追い越し車線で失礼します Driven by 三井ダイレクト損保』

毎週日曜日20:30〜21:00からTOKYO-FMで放送

リリース情報

『もっと自由に働きたい (U25サバイバル・マニュアル)』
『もっと自由に働きたい (U25サバイバル・マニュアル)』

2012年8月26日発売
著者:家入一真
価格:1,260円(税込)
ページ数:176頁
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン

『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(DVD)
『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(DVD)

2012年11月21日発売予定
価格:3,990円(税込)
発売元:アミューズソフト/メモリーテック

監督・脚本・編集:入江悠
出演:
奥野瑛太
駒木根隆介
水澤紳吾
斉藤めぐみ
北村昭博
永澤俊矢
ガンビーノ小林
美保純
橘輝
板橋駿谷
中村織央
配島徹也
中村隆太郎
HI-KING
回鍋肉
smallest
倉田大輔

プロフィール

入江悠

1979年、神奈川県生まれ。監督作『SRサイタマノラッパー』(2009)が『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』でグランプリ、『富山国際ファンタスティック映画祭』で最優秀アジア映画賞を受賞。同シリーズ3作目『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(2012)では野外フェスシーンに延べ2000人のエキストラを集め、インディペンデント映画として破格の撮影規模が話題となる。

家入一真

1978年、福岡県生まれ。起業家、クリエイター。Liverty代表。リアルやネットを問わずカフェやウェブサービスなど遊び場を生み出す。JASDAQ最年少上場社長。40社程のベンチャー投資も。paperboy&co.創業者、CAMPFIRE創業者、partycompany Inc.代表、partyfactory Inc.代表。著書に『新装版 こんな僕でも社長になれた』『もっと自由に働きたい』など。

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