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導かれてここまで来た 窪塚洋介インタビュー

導かれてここまで来た 窪塚洋介インタビュー

インタビュー・テキスト
島貫泰介
2013/07/08

『池袋ウエストゲートパーク』でカリスマ性溢れるストリートギャングのヘッドを演じ、『GO』では自身のアイデンティティーと恋愛に揺れる在日朝鮮人の若者を演じた窪塚洋介。俳優、DJ、映像作家と多彩な顔を持ち、常に唯一無二の存在感を放ってきた彼が新たに挑むのは、20世紀を代表する芸術家、イサム・ノグチの人生を描く演劇作品『iSAMU』だ。意外に感じられるかもしれないが、これまで窪塚が出演した舞台は3本のみ。そのすべてが蜷川幸雄の作品であり、今回初めて宮本亜門による演出を受けるというから、彼にとっても挑戦作だ。共演に美波、ジュリー・ドレフュス、小島聖の実力派俳優を迎えた本作に向けた思いを語ってもらう中で、2つの国の間で葛藤したイサム・ノグチと、表現者としての窪塚の共通項が見えてきた。

映像で培ってきたことを最大限に昇華すると、演劇に至る。

―窪塚さんは2010年に初舞台を踏んで以来、これまで蜷川幸雄さんと3本の作品でタッグを組んできました。今回は初めて他の演出家、宮本亜門さんと仕事をすることになるわけですが、どんな心境ですか?

窪塚:この何年かの間、世の中的にも精神的な部分も含め、蜷川幸雄さんにも蜷川実花さんにも、正月は蜷川家に挨拶に行かなきゃってくらい、サポートしていただいてますからね。蜷川さんとの出会いがなかったら、舞台を始めることもなかった。

―お互いに厚い信頼があるんですね。

『iSAMU〜20世紀を生きた芸術家 イサム・ノグチをめぐる3つの物語〜』ポスター
『iSAMU〜20世紀を生きた芸術家
イサム・ノグチをめぐる3つの物語〜』ポスター

窪塚:ただ、『iSAMU』に出るのを決めた理由は、直感的に閃くところがあったから。そんなに詳しいわけではないけれど、もともとイサム・ノグチという人物に興味もあって、彼がデザインした椅子を目にしたこともあったり。それに宮本亜門さんが引き出してくれる新しい自分というものに期待もしていて。きっとドキドキできる何かがあるだろうと。


―まだ稽古は始まっていないそうですが、まさにこれから化学反応が起きていくんでしょうね。多くの人が意外に思っているのではないかと思いますが、窪塚さんが演劇をスタートして、まだ約3年ですよね。

窪塚:20代前半くらいからずっとお話はいただいていたんです。もちろん、やってみたいという思いはあったけど、当時の興味や情熱とシンクロしなかった。それでも蜷川さんがずっとオファーをくださっていて。

―ラブコールがあったんですね。

窪塚:距離をじわじわ縮めてきてくれて。初舞台は『血は立ったまま眠っている』って作品で、森田剛くんと寺島しのぶさんとやらせてもらったんですけど、すごく刺激がありました。集大成だなと思ったんですよ。

―これまでやってきた活動のですか?

窪塚:そうですね。映像で培ってきたことを最大限に昇華すると、演劇に至ると思うんです。一時期、舞台俳優の人がテレビや映画にどんどん出て来るようになった時期があったじゃないですか? あのときのことを思い出して、そりゃあ当然だなって。これだけ舞台で揉まれていたら、映像の世界だって自由自在だろうと。というのは、舞台の上に出たらすべてが露になって、隠せない。チンコまで丸出しじゃないですか。まあ、それはないですけど……(笑)。

―演劇によっては、全裸になるものもありますね。

窪塚:たしかに(笑)。まあ、何が言いたかったかっていうと、舞台の上はなんでもありというか、ガチ。聖地と思えるくらいフェアな場所だし、刺激がある。バンドに言い換えるなら「今日そう来るの?」「じゃあ俺こう行ってみるよ」みたいなジャム的な楽しみ方も覚えてきて、「俺、ここ好きだ」って思えるようになってきました。もちろん映像も好きだし、ライブも好きだけど、そこに新しく演劇が加わって、自分なりのフォーメーションができてきたんです。

窪塚洋介 撮影:尾嶝太
窪塚洋介 撮影:尾嶝太

―映画、音楽、演劇が窪塚さんの中で自然につながってきているんですね。導かれるように。

窪塚:そうですね。昔の映画や音楽を通して、そのときのことを思い出したりすることってあるじゃないですか? ガキの頃のことや、あの子とデートしたこと、場所の匂いとか。俺の場合は、自分が出演した映画の作品でそういうことを思い出して、わーっとフラッシュバックすることがあるんです。いろいろなものに導かれてここまで来てるって実感がありますね。まあ、たまに導かれすぎちゃって落っこちちゃったりすることもあるけど……(笑)。でも、それも道の1つで、地獄めぐりツアーみたいな感じでどん底だった時期もあれば、だんだん上がってくるような時期もある。深い森に迷い込んでいたときに蜷川さんという妖精に会って、「こっちだよ」と誘われてついて行ったら、なんか明るい場所に出た、みたいな感じなんで。

―蜷川さんが妖精……けっこう貫禄のある妖精ですよね(笑)。

窪塚:森の長老的な感じですかね(笑)。妖精っていうか妖怪? ぬらりひょんみたいな……。

―亜門さんは亜門さんで、別の妖精かもしれないですね(笑)。

窪塚:ピクシーな感じですね。

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イベント情報

パルコ劇場40周年記念 パルコ・プロデュース公演
『iSAMU〜20世紀を生きた芸術家 イサム・ノグチをめぐる3つの物語〜』

原案・演出:宮本亜門
脚本:鈴木哲也、宮本亜門
出演:
窪塚洋介
美波
ジュリー・ドレフュス
小島聖
大森博史
ボブ・ワ―リー
犬飼若博
神農直隆
植田真介
天正彩
池袋遥輝
ほか

東京公演
2013年8月21日(水)〜8月27日(火)全9公演
会場:東京都 渋谷 パルコ劇場(渋谷パルコパート1 9F)
料金:一般7,800円 U-25チケット4,000円(25歳以下対象)

神奈川公演
2013年8月15日(木)〜8月18日(日)全4公演
会場:神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
料金:S席6,800円 A席4,500円 高校生以下割引1,000円(枚数限定) U24チケット3,400円 (24歳以下、枚数制限、S席のみ) シルバー割引6,300円(65歳以上、枚数限定)

高松公演
2013年8月30日(金)19:00開演(18:30開場)
会場:香川県 サンポートホール高松 3階 大ホール
料金:一般6,000円 会員5,500円

プロフィール

窪塚洋介(くぼづか ようすけ)

1979年生まれ。俳優、歌手。1995年テレビドラマ『金田一少年の事件簿』でデビュー。2000年ヒットドラマ『池袋ウエストゲートパーク』での怪演で注目される。映画『GO』では史上最年少で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。2006年から卍LINEの名義でレゲエDeejayとしても活動。アルバムを4枚リリースしている。2010年1月蜷川幸雄演出『血は立ったまま眠っている』で舞台初挑戦。2013年8月、宮本亜門演出による舞台『iSAMU』に出演予定。今年秋には映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』が控えている。

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