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導かれてここまで来た 窪塚洋介インタビュー

導かれてここまで来た 窪塚洋介インタビュー

インタビュー・テキスト
島貫泰介
2013/07/08

個人の目線の強さも重要だけど、一つひとつの出会いが自分に与える影響も大切にしてる。それこそが、生きることの真髄なのかな。

―『iSAMU』の準備はこれからということでしたが、どのようなイサム・ノグチ像を思い描いていますか?

窪塚:ありったけのエピソードに触れて、外見はともかく魂の部分でリアリティーのあるイサムをやりたいです。歴史上の人物というほど没後から時間が経っていないですし、まだ彼を直接知っている人も多いですから。この舞台を経て、イサムさんの人生が僕の力に変わるようにさせてもらいたいなと思います。

―イサムは交流が幅広いですよね。コンスタンティン・ブランクーシの弟子で、シュルレアリスムの芸術家と交流があったり。北大路魯山人とも交流があったし、文化を超えた人脈を持っていた。

窪塚:自分の知らない土地に行って、自分と同じようなことを好きな人たちと情熱を持ってクリエイトしていく……わくわくしたでしょうね。「戦後の混乱期の日本が、僕の一番好きな日本です」みたいな言葉も残していますし。そういう刺激の中から、また新しい作品が生まれていった。

―当時の芸術家は、自分の経験が常に作品にフィードバックされている感じがありますよね。出来過ぎな喩えですが、ヒップホップの応答のような。あいつがやるなら、俺はこう行くぞ、っていうマインドを、イサムや岡本太郎から感じます。

窪塚:個人の目線の強さも重要だけど、一つひとつの出会いが自分に与える影響も大切にしてる。それこそが、生きることの真髄なのかな。

撮影:尾嶝太
撮影:尾嶝太

―窪塚さん自身、いろんな人との関わりの中で表現をしてきたと思うのですが、出会いは重要ですか?

窪塚:大事ですね。FacebookとかLINEとか、つながろうと思ったら世界中どこでもつながれる時代だからこそ、気が付いたら自然とできていた生のつながりが大切。日本のことわざで言う「袖振りあうも多生の縁」じゃないけど、そういうものを大事にしていけたら、人生がもっと豊かになって、いつか幸せにつながってくると思う。いまって、「バビロンシステム」で言うと、白人至上社会の優位性が変わっていく真っ最中、もしくは最後の断末魔の状態なんです。日本にしても「なんかおかしいじゃん」ってみんな感じていますよね。そういう疑問に対するアンチテーゼが、自分の力の源になっている。でも同時に、そういう既存のシステムの中で俺たちは生きているわけだから、全否定もできない。矛盾を抱えながらも、人生を謳歌して、自分のスタイルに落とし込んでいくっていうことが自分にとっては必要ですね。

―本来、アーティストってそういう存在だと思います。社会に対して分かりやすい反逆を示すだけじゃなくて、時代の問題点や、未来を指し示すものを作品の中に暗号のように込めていく。50年後、100年後に向けて、かつてあったこと、その時代に人はこう考えていたということを残すのも、アーティストの役割だと思います。窪塚さんは34歳ですよね。イサムは84歳まで生きたので、まだ半分もいってないわけですけど、『iSAMU』を経験することによって、また次のステップに移っていくことができるのではないでしょうか。

窪塚:このタイミングでイサムを演じるっていうのはきっと必要なことなんだろうな、って考えたりもするんですよ。自分が選んだということもあるけど、選ばれたってことでもあるだろうし、いろんな目線から見て、導かれてここに来てるというか。芝居をしているときにすごく実感するんですが、自分のダイレクトな目線と、観客の目線、そして全体を俯瞰で見てる第三の目線があって、そのすべてが満たされる瞬間が幸せなんですよね。日本に昔からある「三方良し」の心得っていうのかな。「俺良し、お前良し、ってことはあいつも良し」、っていうのが一番いい形だと思います。

―三位一体型のWin-Winの関係ですね。それが演劇をやる大きな理由ですか?

窪塚:すごく夢中になって芝居をやっていて、役そのものになりきっている自分と、それをものすごく客観的に見ている自分がいるのが気持ちいいですよね。「ああ、もうちょっと右足後ろだな」とか、俯瞰的に自分の演技を把握できている感じ。舞台に立つと、すべての感覚が研ぎ澄まされていって、場合によっては、古代にも未来にもつながっていける感じがするんです。

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イベント情報

パルコ劇場40周年記念 パルコ・プロデュース公演
『iSAMU〜20世紀を生きた芸術家 イサム・ノグチをめぐる3つの物語〜』

原案・演出:宮本亜門
脚本:鈴木哲也、宮本亜門
出演:
窪塚洋介
美波
ジュリー・ドレフュス
小島聖
大森博史
ボブ・ワ―リー
犬飼若博
神農直隆
植田真介
天正彩
池袋遥輝
ほか

東京公演
2013年8月21日(水)〜8月27日(火)全9公演
会場:東京都 渋谷 パルコ劇場(渋谷パルコパート1 9F)
料金:一般7,800円 U-25チケット4,000円(25歳以下対象)

神奈川公演
2013年8月15日(木)〜8月18日(日)全4公演
会場:神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
料金:S席6,800円 A席4,500円 高校生以下割引1,000円(枚数限定) U24チケット3,400円 (24歳以下、枚数制限、S席のみ) シルバー割引6,300円(65歳以上、枚数限定)

高松公演
2013年8月30日(金)19:00開演(18:30開場)
会場:香川県 サンポートホール高松 3階 大ホール
料金:一般6,000円 会員5,500円

プロフィール

窪塚洋介(くぼづか ようすけ)

1979年生まれ。俳優、歌手。1995年テレビドラマ『金田一少年の事件簿』でデビュー。2000年ヒットドラマ『池袋ウエストゲートパーク』での怪演で注目される。映画『GO』では史上最年少で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。2006年から卍LINEの名義でレゲエDeejayとしても活動。アルバムを4枚リリースしている。2010年1月蜷川幸雄演出『血は立ったまま眠っている』で舞台初挑戦。2013年8月、宮本亜門演出による舞台『iSAMU』に出演予定。今年秋には映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』が控えている。

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