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ビジネスより大切なこと Hostess代表インタビュー

ビジネスより大切なこと Hostess代表インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2013/08/29

レコード会社がいろんなことをやり過ぎてる、業務を拡大し過ぎだと言う人もいますけど、目的が明確にあるならやるべきだと思います。

―そうして今ではHostessは、多くの海外レーベルやアーティストと契約を持ち、重要なアーティストたちを日本に紹介する役割を担っているわけですが、昨年からは『Hostess Club Weekender』(以下、『HCW』)というイベントもスタートさせましたよね。

プラグ:基本的にアーティストが新作を出すときって、それに合わせてライブをしながら新曲の手応えを確認するし、オーディエンスもそのライブを観て、「今度の新作ヤバそうだ」ってバズが生まれていきますよね。ただ、アーティストの本国ならそれができても、日本でそれをやるのは難しい。ある程度の知名度があるアーティストなら似たようなことができるかもしれないけど、新人アーティストを日本に招聘してくれるプロモーターはなかなかいません。

―それをHostessならできると。

プラグ:そうですね。でも単純に自分たちもいち音楽ファンとして、新人がいいライブバンドかどうか自分の目で見たいし、新曲がヤバいかどうかを確認したいので、それをオーディエンスと一緒にライブを楽しみながら観るっていうのが、ある意味コンセプトになってるんです。

―主催してる側の人たちが楽しんでるっていうのはいいですよね。プロモーター主催のショーケース的なイベントとは、そこが違うのかなって。

プラグ:確かに、自分たちが興奮してるっていうのは大事だと思います。『HCW』を始めるにあたって、Ynosというライブを運営するための関連会社と手を組んだのですが、裏方の人たちもみんなイベントを楽しみにしていて、当日はステージ裏も熱気にあふれてるんです。それがいいイベントにつながってるんじゃないかと思いますね。

『Hostess Club Weekender』会場風景 photo:古溪一道(コケイ カズミチ)
『Hostess Club Weekender』会場風景 photo:古溪一道(コケイ カズミチ)

―Hostessはコンピレーションアルバムをリリースしたりもしていますが、今の時代はレーベルがただレーベル業をやるだけではなく、いろいろなことをやるのが重要だと考えていらっしゃるのでしょうか?

プラグ:レーベルとして何をやりたいか、その目的によると思います。今、レコード会社がいろんなことをやり過ぎてる、業務を拡大し過ぎだと言う人もいますけど、目的が明確にあるならやるべきだし、我々も、Ynosと共同で『HCW』をやるべきだと考えたんです。ただ収益の面で言えば、『HCW』は決していい収益をあげているイベントではないんです。

―それでも続けているのはなぜなんですか?

プラグ:もしお金を目的にやってるんだったら、会場を変えたり、チケット代を値上げしたり、やり方はいろいろあると思うんですけど、大事なのは健全な音楽マーケットを作ることで、お客さんにリスナーとしての自信を持ってもらうこと、ライブに行くことに自信を持ってもらうことが目的なんです。

『Hostess Club Weekender』会場風景 photo:古溪一道(コケイ カズミチ)
『Hostess Club Weekender』会場風景 photo:古溪一道(コケイ カズミチ)

―「リスナーに自信を持ってもらいたい」というのは、裏を返せば、今のリスナーが受動的になっているというような危惧を持っていらっしゃるのでしょうか?

プラグ:いや、リスナーが間違っているなんてことは、絶対にありません。問題があるとすれば、それはレーベル側がリスナーから搾取しようとしているときですよね。だから大事なのは、いろんな選択肢を用意して、リスナーに選んでもらうということだと思います。たとえばAKBとか、アキモトフランチャイズのように、ひとつのものにみんなが食いついてくれるようなシステムだったらそれでいいのかもしれないですけど、自分はそういうやり方は信じていないんです。

エモーションって、音楽業界の中ではあまり大切にされなかったりもするんですけど、実はそこが重要なんですよね。

―『HCW』は「2日間、1ステージ、10アーティスト」というのが恒例になっていますが、この形態にはどんな理由があるのですか?

プラグ:いくつもステージがあって、1バンドの持ち時間が30分で、30バンドぐらい出るイベントもありますけど、それでは心に伝わるショーにはならないと思うんです。しっかりフルレングスをプレイする時間があってほしいし、ひとつのアクトが終わって、すぐ次のアクトが始まる形式だと、頭ごなしに音楽を投げつけられているような感じがしてしまうんですよね。

―確かに、ちょっとあわただしいと感じるイベントもありますもんね。

プラグ:転換の間は、ドリンクを飲みに行ったり、友達としゃべったり、一度落ち着かせる時間があっていいと思うんです。その方が、次の音楽を聴くための準備にもなりますしね。今はそういうイベントって少ないですけど、自分がやりたいのはそういうことなんです。

『Hostess Club Weekender』会場風景 photo:古溪一道(コケイ カズミチ)
『Hostess Club Weekender』会場風景 photo:古溪一道(コケイ カズミチ)

―あくまで音楽が中心にありながらも、飲んだり、しゃべったり、その場を楽しむことがすごく重要で、それによってさらに音楽自体も好きになったりしますもんね。

プラグ:そういうリスナーのエモーションって、音楽業界の中ではあまり大切にされなかったりもするんですけど、実はそこが重要なんですよね。僕が『HCW』でライブを観ることの次に楽しみなのが、転換中にお客さんがライブについて話しているのを見ることで、そのライブがよかったにしろ、悪かったにしろ、それは大きな問題ではないんです。もちろん、全員が楽しんでくれたら嬉しいですけど、『HCW』は「みんなこれを好きになってね」っていうイベントではないので、幅の広いものを出すことが大事で、それに対してみんながどう思ったのかを聞くことが、自分にとってはすごく楽しみなんです。

―イベントの主体はあくまでオーディエンスであると。

プラグ:そうですね。会場の雰囲気はオーディエンスが作り上げるものだから、今のところ『HCW』にはスポンサーも入れてないですし、主催者側としても、なるべくそこに干渉しないようにしたいと思っているんです。『HCW』も回数を重ねて、今はすごくクリーンな、いい状態になってきたと思っています。もちろん経済的な部分で、今後もしかしたらスポンサーを入れることもあるかもしれませんけど、現状はオーディエンスにすべてをゆだねられていると思いますよ。

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イベント情報

『Hostess Club Weekender』

2013年11月30日(土)OPEN 13:00 / START 14:00
2013年12月1日(日)OPEN 12:00 / START 13:00
会場:東京都 恵比寿ガーデンホール
11月30日出演:
Neutral Milk Hotel
Okkervil River
Sebadoh
Delorean
Temples
12月1日出演:
Deerhunter
Four Tet
Omar Souleyman
Austra
and more
料金:前売 1日券7,900円 2日間通し券13,900円(共にドリンク別)

プロフィール

ホステス・エンタテインメント

日本市場での独自のアイデンティティ確立を目指す厳選された海外アーティストやレーベルの、パッケージ及びデジタル商品全般の国内マネージメント、プロモーション、営業、マーケティング・サービスを展開。2000年の設立以来、最も斬新かつ刺激的な独立系音楽会社として、その存在感を高めている。これまでにアークティック・モンキーズ、レディオへッド、アデル、フランツ・フェルディナンドといったアーティストの作品をリリースしている。

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