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破壊と再生を繰り返してきた男 京(DIR EN GREY)インタビュー

破壊と再生を繰り返してきた男 京(DIR EN GREY)インタビュー

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
写真提供:sun-krad
2014/04/30
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この人は一体どこまで創作意欲を加速させていくのだろう。そう思わずにはいられなくなるほどに、現在の彼は自らのクリエイティビティーを爆発させている。DIR EN GREYのボーカリスト、京。彼は今、日本はおろか欧米でも高い評価を得ているロックバンドで活動しながら、この1年間で絵や写真といった音楽以外のアートフォームでも次々と作品を発表し、ここにきて新バンド「sukekiyo」まで始動させるという、とにかく凄まじいワーカホリックぶりを発揮しているのだ。もちろん、驚くべきはその活動ペースだけではない。例えば彼の描いた絵を1枚でも見ていただければ、そこからはDIR EN GREYの音楽にも通じるような痛みや退廃を感じてもらえるはずだ。

そして、このたびリリースされるsukekiyoのデビュー作『IMMORTALIS』がまた、かなり濃密な作品に仕上がっている。しかも、どうやら京はこの作品によってDIR EN GREYとは別個の世界観を築いただけでなく、自身が抱えてきた「バンド」というフォーマットへの強い思いも示しているようだ。そこで今回はこの新プロジェクトについてはもちろん、彼の取り組む様々なアートを通して、京という作家の核心に深く迫ってみたいと思う。

観終わったあとに「すごくいい映画だなぁ」と思うんですけど、そこでふわーっとした感じに浸ってる自分が、すっごくイヤなんですよね。「お前、なにいいなぁとか思ってんねん」みたいな感じで(笑)。

―今回はまず、京さんがどうやって音楽以外の表現方法を身につけていったのかを知りたいと思っています。そもそも京さんはどういうきっかけで絵と写真を始めたんですか?

:DIR EN GREYのライブでよく海外に行くんですけど、僕は海外で一切観光しないんですよ。でも、それだと待ち時間がもったいないから、なにか暇つぶしになるものはないかなと思って、それでカメラを買ったんです。絵も同じで、暇つぶしに描き始めたっていうだけで、それまでは特にやったこともなかった。それが今から2年くらい前かな。

京による絵
京による絵

―それでこの強烈な絵を描けるって、すごいですね。ちなみに絵や写真を始めるまでは、その時間をどう過ごしていたんですか?

:ひたすら黙ってる(笑)。本も読まないので。映画は昔から好きなんですけどね。

『輪郭』
『輪郭』

写真集『for the human race』より
写真集『for the human race』より

―京さんと言えば、カルト界の巨匠である(アレハンドロ・)ホドロフスキー監督の大ファンですが、基本的にどういう映画がお好きなんですか?

:人が死ぬ映画。

―それはまたすごい基準ですね(笑)。

:「人が死なない映画は好きになれない」っていうことじゃないですよ(笑)。ただ、観終わったあとに「これはいいな」と思う映画は、だいたい人が死んでる。逆に「もうこんなもの2度と観ない」と思うものに、人が死なない映画が多いんですよね。

―つまり、京さんは映画を観ているとき、誰かが死ぬ場面でカタルシスを感じることが多いということ?

:どうなんだろう? もちろん最終的にはその映画のトータル的な世界観が大事だとは思うんですけどね。でも、その人物が死ぬまでの過程に惹かれるところもあるし、単純に死ぬシーンそのものが好きになるときもあって。あと、そういうシーンを観ているときの僕はだいたい笑ってるんですよね。

―その「好き」には、笑えるっていう意味も含まれてるんですね。でも、死の描写もいろいろありますよね。ものすごくシリアスに描かれる死もあれば、逆にライトに死を扱って滑稽に見せるものもあるし。

:人が死ぬ映画と言っても、悲しい気分になるようなものは選ばないんですよ。例えば犬が死んだりする映画とかは観ません。「なんで殺すん?」ってなる。弱い者が死ぬシーンって、すごくイヤなんですよね。

―なるほど、安心しました(笑)。ではその上で、「死」のシーンを観て笑うというは、例えばどういう映画の話なんでしょうか?

:例えば(北野)武さんの映画なんて、サッと殺すじゃないですか。ああいうのもリアリティーがあって好きだし、(クエンティン・)タランティーノの『キル・ビル』みたいにギャグみたいな殺し方も面白いと思う。うん、どちらかと言うとギャグとして見ていることが多いのかもしれない。同じくタランティーノの『デス・プルーフ in グラインドハウス』で車が衝突するシーンがあるんですけど、あそこなんて僕、映画館で立ち上がって笑うのを必死で堪えてましたから。

―じゃあ、単純に美しかったり、ハッピーエンドで締め括られるような映画を京さんはどう観るんですか?

:(しばらく考えたあとで)……正直、ムカつく(笑)。もちろんそういう映画でも好きになるものがたまにあるんですよ。でも、そこでハッピーな気分になってる自分にムカつくんですよね。

―あ、そこは京さんもハッピーな気分になるんですね(笑)。その自分に腹が立つというのはどういうことなんでしょう?

:僕、ティム・バートンの『ビッグ・フィッシュ』がすごく好きなんですよ。

―めちゃめちゃハートフルな映画ですよね。

:あれ、観終わったあとに「すごくいい映画だなぁ」と思うんですけど、そこでふわーっとした感じに浸ってる自分が、すっごくイヤなんですよね。「お前、なにいいなぁとか思ってんねん」みたいな感じで(笑)。

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イベント情報

『sukekiyo 二〇一四年公演「別れを惜しむフリは貴方の為」』

2014年5月1日(木)、5月2日(金)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:東京都 日本青年館

2014年5月4日(日・祝)、5月6日(火・祝)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:京都府 京都劇場

料金:各公演 5,400円

イベント情報

『sukekiyo 二〇一四年公演 「別れを惜しむフリは貴方の為」 -寡黙の儀-』

2014年5月5日(月・祝)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:京都府 京都劇場
料金:5,400円

リリース情報

sukekiyo<br>
『IMMORTALIS』初回限定盤(2CD)
sukekiyo
『IMMORTALIS』初回限定盤(2CD)

2014年4月30日(水)発売
価格:4,104円(税込)
SFCD-0133/34

[DISC1]
・elisabeth addict
・destrudo
・latour
・nine melted fiction
・zephyr
・hidden one
・aftermath
・烏有の空
・the daemon's cutlery
・scars like velvet
・mama
・vandal
・hemimetabolism
・鵠
・斑人間
・in all weathers
[DISC2]
・SUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN)、HISASHI(GLAY)、人時(黒夢)、TK(凛として時雨)、KORNのジョナサン・ディヴィスらとのコラボレーション楽曲

sukekiyo<br>
『IMMORTALIS』通常盤(CD)
sukekiyo
『IMMORTALIS』通常盤(CD)

2014年4月30日(水)発売
価格:3,456円(税込)
SFCD-0135

・elisabeth addict
・destrudo
・latour
・nine melted fiction
・zephyr
・hidden one
・aftermath
・烏有の空
・the daemon's cutlery
・scars like velvet
・mama
・vandal
・hemimetabolism
・鵠
・斑人間
・in all weathers

プロフィール

sukekiyo(すけきよ)

DIR EN GREYの全楽曲の作詞を担当する京による新バンドとして2013年12月に始動。2014年1月1日に全世界111か国のiTunesStoreにて『aftermath』のPVを先行配信し、同チャートで1位を獲得。2014年4月30日に、1stアルバム『IMMORTALIS』をリリース。

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