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破壊と再生を繰り返してきた男 京(DIR EN GREY)インタビュー

破壊と再生を繰り返してきた男 京(DIR EN GREY)インタビュー

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
写真提供:sun-krad
2014/04/30
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自分はどんどん新しくなっていくし、考え方も変わっていくから、僕は過去の自分も平気で否定するんですよ。

―その「仕事みたいにはやりたくない」という感覚は、sukekiyoについても言えること?

:すべてにおいてそうですね。DIR EN GREYもそう。自分の持っているものを表現するのが常に一番で、ビジネスのことはその次。その順番が逆になるのは、僕の中ではまず許されないんです。次は造形モノも作りたいし、形にしたいことはホントにたくさんあって。

―それがすべて我流というのもまた驚きなんですが、京さんは人から絵や写真を学んでみたいと思ったことはないんですか?

:うーん……。もちろんちゃんと学んだ方が上手く描けるようにもなるだろうし、そうやったら便利なんだろうなとは思うんですけど。でも、僕は歌も一切教わらずにぜんぶ自分で一から作ってきたので。だから……勉強かぁ。

―勉強だと思うと苦手?(笑)

:というか、「表現って教わるものじゃないよな」みたいな思いもあるので。でも、その表現の幅を広げるためには勉強することも大事なんだと思います。ただ、その「勉強する」って行為自体に僕はまったく興味が湧かなくて(笑)。そもそも僕、自分の書いた歌詩もまったく頭に入ってこないような人間なんですよ。歌詩は書き終わったらそこでもう自分の手から離れていっちゃうので。

―自分の書いた歌詩は記憶に残らないんだ。それは面白いですね。じゃあ、京さんは作品を残すという行為についてはどうお考えですか?

:「そのときの自分」を記録してるだけですね。でも、自分はどんどん新しくなっていくし、考え方も変わっていくから、僕は過去の自分も平気で否定するんですよ。

―じゃあ、これまでの録音作品については?

:だいたいのものは録り直したいと思ってます。それこそ1枚アルバムを出す度に、それまでのものを全部録り直したくなるくらいの勢いで(笑)。中には「これが自分のスタイルだ」みたいな方もいるじゃないですか? いわゆる「ブレない」と言われるような人ですね。でも、僕は常に自分が変わっていってるように感じているから、やっぱり新しい自分を吹き込みたくなるんですよ。だから、過去に録った音を聴くと、「ここはちょっとイヤだな」みたいなところが絶対に出てくる。

―今の自分は明らかに過去とは違う自分に変化していると。

:うん。やっぱり新しい自分に挑戦していきたいし、常にやり始めた頃の気持ちでいたい。そのためには過去の自分を一度壊してから次に進んでいくしかないし、そういう人に僕はパワーを感じるので。

―さっきのブレるブレないの話で言えば、それこそ京さんはその「変化を求める姿勢」がDIR EN GREYのデビュー時からずっと変わってないんですよね。ボーカリストとしても、さまざまな歌唱法を体得されながらどんどん変化しているし。

:そもそも、歌がうまい人なんて世の中に腐るほどいますからね。自分もそこを磨くことにはあまり興味がないし。それで、より自分らしいものってなんだろう? と考えて、それを形にしていったら、自然と今みたいになっていったんです。

同じ人間って1人もいないじゃないですか。だったら自分をそのまま形にすれば、誰ともかぶることはないんですよね。

―では、京さんが歌い手として重きを置いているものを1つだけ挙げるとしたら、それはなにになりますか?

:歌に限らず、すべてにおいて言えることなんですけど、「自然」ってことですね。なにかを意識したら、やっぱりそれは自然じゃないんですよ。それに同じ人間って1人もいないじゃないですか。だったら自分をそのまま形にすれば、誰ともかぶることはないんですよね。だから、僕は自然でいることがいちばん自然じゃないんだと思ってるんですよね。

―なるほど。自然にしていれば、自ずとそれはイビツになるということですよね。

:そうです。本当にやりたいことって、自分ではやれているつもりでも、実際は「これをやったら嫌がられる」とか「売れなくなる」とか、そういういろんなことを考えるうちに、ちょっとずつ捻じ曲がってたりするじゃないですか? それで最終的に行きついたものって、「普通」だと思うんです。だから、僕はなるべくそういうものを排除して、純粋なものをそのまま形にしたくて。

―では、音楽の世界ではよく「キャッチー」という言葉が使われますけど、それについて京さんはどうお考えですか?

:まったく考えない(笑)。自分が聴いて「いいな」と思えたらそれでいいので。

―物差しは自分がいいと思うかどうかだけ?

:それだけですね。僕は自分から100パーセントのものを出したら、あとはそれを事務所のスタッフにお任せするだけなので。もちろん、その後にどうしても自分がイヤだと思うことがあれば言いますけど、基本はそういうスタイルですね。

―その時の自分をそのまま出すだけだと。では、その自分の内面を充実させるために、現在の京さんはどんなものに関心を向けているんでしょうか?

:そうだなあ……。僕はほとんどのものにあまり興味がないんですけど、人間に対する興味は常にあるかな。人間のイヤな部分を見るのがすごく好きなので。

―人のイヤな部分を見て、自分はイヤな気持ちにならないんですか?

:それが自分に向けられなければ(笑)。客観的に見ている分にはめっちゃ楽しいんですよね。「なんであの人、口を開けて歩いてるんだろう?」とか。

―(笑)。

:外で歩きながらモノを食べている人っているじゃないですか? 僕、あれがイヤなんですよ(笑)。あるいは人前でケンカしてるカップルを見て、その先や後にあったことを自分の中で考えるんです。そういう日常にはつい目がいくし、自分の中に蓄積されていると思います。

―じゃあ、現在の京さんにとって最も満足感を得られる瞬間はいつなんでしょう?

:それはやっぱり作品が完成したときと、バンドで自分の想像を超えるものができたときかな。あるいはそれを初めてライブでやるとき。そのライブの感動も1本ごとにまったく違いますし。ただ、昔はライブ映像を見ていて思うことがなにかしらあったんですけど、今はそれがないんですよね。

―というのは?

:やっぱり過去の自分にどんどん興味がなくなってきてるんだと思う。新しい自分になっていってる感覚が今は常にあるから、昔の自分を見ても「へー。そういえば前にこんなんやってたねぇ」くらいの感じなんですよね。

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イベント情報

『sukekiyo 二〇一四年公演「別れを惜しむフリは貴方の為」』

2014年5月1日(木)、5月2日(金)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:東京都 日本青年館

2014年5月4日(日・祝)、5月6日(火・祝)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:京都府 京都劇場

料金:各公演 5,400円

イベント情報

『sukekiyo 二〇一四年公演 「別れを惜しむフリは貴方の為」 -寡黙の儀-』

2014年5月5日(月・祝)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:京都府 京都劇場
料金:5,400円

リリース情報

sukekiyo<br>
『IMMORTALIS』初回限定盤(2CD)
sukekiyo
『IMMORTALIS』初回限定盤(2CD)

2014年4月30日(水)発売
価格:4,104円(税込)
SFCD-0133/34

[DISC1]
・elisabeth addict
・destrudo
・latour
・nine melted fiction
・zephyr
・hidden one
・aftermath
・烏有の空
・the daemon's cutlery
・scars like velvet
・mama
・vandal
・hemimetabolism
・鵠
・斑人間
・in all weathers
[DISC2]
・SUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN)、HISASHI(GLAY)、人時(黒夢)、TK(凛として時雨)、KORNのジョナサン・ディヴィスらとのコラボレーション楽曲

sukekiyo<br>
『IMMORTALIS』通常盤(CD)
sukekiyo
『IMMORTALIS』通常盤(CD)

2014年4月30日(水)発売
価格:3,456円(税込)
SFCD-0135

・elisabeth addict
・destrudo
・latour
・nine melted fiction
・zephyr
・hidden one
・aftermath
・烏有の空
・the daemon's cutlery
・scars like velvet
・mama
・vandal
・hemimetabolism
・鵠
・斑人間
・in all weathers

プロフィール

sukekiyo(すけきよ)

DIR EN GREYの全楽曲の作詞を担当する京による新バンドとして2013年12月に始動。2014年1月1日に全世界111か国のiTunesStoreにて『aftermath』のPVを先行配信し、同チャートで1位を獲得。2014年4月30日に、1stアルバム『IMMORTALIS』をリリース。

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