インタビュー

TAMTAM×ミト(クラムボン)対談「破綻ギリギリが面白い」

TAMTAM×ミト(クラムボン)対談「破綻ギリギリが面白い」

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織

ミニアルバム『For Bored Dancers』でいよいよ正式なメジャーデビューを果たすTAMTAM。「21世紀型DUB BAND」というコピーも徐々に浸透しつつあるように思うが、ここで改めて「21世紀型」であることの重要性を確認したい。彼らは大学の中南米研究会で出会い、ダブをリスペクトしていることは言うまでもないが、あくまで「21世紀型」、つまりは「現在進行形」のバンドなのであり、むしろ一般的なダブの枠から大きくはみ出しているからこそ、魅力的なバンドなのである。そう、それは専門学校のジャズ科で出会ったクラムボンが、ジャズからはみ出しまくっていたからこそ、魅力的であったように。

というわけで、SOIL & "PIMP" SESSIONSのタブゾンビを迎えた初回に続く、TAMTAM対談シリーズ2回目のお相手は、クラムボンのミト。コアなバンドシーンからアニメ / 声優絡みまで、縦横無尽な活動を展開する近年のミトの活動を見ていると、やはりクラムボンというバンドは、あらゆるカテゴライズがフラットになった現代を先取っていたように思えてならない。もちろん、それは決して頭で考えたわけではなく、インタビュー中でも語られているように、大事なのはあくまでパッション。「何をどう組み合わせるか?」と悩む前に、やりたいようにやって、踊りたいように踊るべきなのだ。

ギターとかリズム隊はフォーマットにある形なんだけど、キーボードだけ独立してて、彼だけニコ動世代に見えるのが面白い。(ミト)

―TAMTAMのお二人はクラムボンやミトさんの活動に対してどんな印象を持っていますか?

kobayashi:クラムボンのライブを初めて見たのが2008年の『METAMORPHOSE』だったんですよ。

ミト:『METAMORPHOSE』か! それはすごい話ですね(笑)。

左から:junet kobayashi(TAMTAM)、kuro(TAMTAM)、ミト(クラムボン)
左から:junet kobayashi(TAMTAM)、kuro(TAMTAM)、ミト(クラムボン)

―どちらかと言えば、クラブミュージックのファンが多いフェスですもんね。

kobayashi:そうそう。だからGALAXY 2 GALAXYとかトニー・アレンと一緒にクラムボンも出てて、確かミトさんがテノリオンを使ってたと思うんですけど。

ミト:ああ、“サラウンド”を四つ打ちにリアレンジしてやったのかな。“サラウンド”が出た頃に青春だった人を奈落の底に突き落とすようなアレンジで(笑)。

kuro:それって、「メタモ仕様」だったってことですか?

ミト:「四つ打ちにして、テノリオン使ったら面白くない?」ってだけの話だったと思う。まあ楽器は好きなので、お借りして1~2時間触ってると曲ができちゃったりするんですよ。junet(kobayashi)くんもリミックスとか自分でやったりするんだよね?

kobayashi:僕はもともとベースよりも先にシーケンサーをいじってて、高校生の頃からヤマハのQY100でポチポチ打ち込みとかしていたんです。その後にベースを譲ってもらったんですけど、上京して大学のサークルに入ってからも、まず買ったのがCDJで、その後にAbletonのLIVE(DTMソフト)を買って、クラブミュージックばっかりやってました。

kuro:私はAndroidに「Uloops」っていうアプリがあって、それで作ったりしてたんですけど、アプリなのですごい制約があったんです。それで、有料にするともっといい音が使えるからってガンガン課金してたんですけど、効率悪いと思って私もLIVEを買って(笑)。

ミト:それは……効率悪い以前の問題だよね(笑)。

ミト

kuro:でも、電車に乗ってるときでも作れたから楽しかったんです(笑)。

ミト:じゃあ、みんな打ち込みとか好きなんだ? むしろ、みんなバンドから入ってないの?

kobayashi:そういうメンバーもいるし、半々ぐらいですね。

ミト:鍵盤の人ってどんな感じの人?

kobayashi:ともみんはポップス好きなので、打ち込みはほぼ聴かないタイプです。宇多田ヒカルとかで打ち込みに触れてるぐらい。

ミト:ああ、そんな感じする。なんかね、鍵盤で裏打ち(2拍目、4拍目にリズムを入れること)するときのリリース(音をどれだけ伸ばすか)が不思議なの。いい意味で玄人っぽくないというか、普通もうちょっとリリースが短いんだけど、すごい長いんだよね。嫌いじゃないんだけど、「こんな重い裏打ち聴くの久しぶりだな」って(笑)。

kobayashi:波形で見ると、入りも遅いんですよ。「ウニョン」みたいな感じで(笑)。

ミト:でも、あれが個性だと思うのね。ギターとかリズム隊はフォーマットにある形なんだけど、キーボードだけ独立してて、彼だけニコ動世代に見えるのが面白い。ダブってアンダーグラウンドなサウンドに聴こえがちだから、その聴覚上のコントロールをするのがなかなか難しいんだけど、彼がいるからすごくいいなって。

kuro:ともみんのポップス好きな面が、バンドにいい影響を与えてくれてるんですよね。ポップスと同じくらいラテンも好きだったりして、歌謡っぽいっていうか、カラフルな感じの曲とかコード進行が好きなんだと思うんです。ダブとかレゲエって、1コードとか2コードのループっぽい曲が多いけど、ともみんがそこにコード進行の色を加えてるんです。

ミト:なるほどね。でも、何より「ともみん」って呼ばれてるメンバーがいるっていうのがグッと来たなあ(笑)。

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リリース情報

TAMTAM<br>
『For Bored Dancers』
TAMTAM
『For Bored Dancers』

2014年4月23日(水)発売
価格:1,620円(税込)
VICL-64103

1. クライマクス
2. デイドリーアンドマリー
3. シューゲイズ
4. フリー
5. バイマイフューチャー
6. トゥナイト

TAMTAM<br>
『クライマクス & REMIXES』(CD)
TAMTAM
『クライマクス & REMIXES』(CD)

2014年3月5日(水)タワーレコード限定発売
価格:315円(税込)
NCS-10065

1. クライマクス
2. クライマクス 池永正二(あらかじめ決められた恋人たち)REMIX
3. クライマクス Junet Kobayashi REMIX

クラムボン
『clammbon music V 集』(Blu-ray)

2014年4月2日(水)発売
価格:5,184円(税込)
COXA-1075

1. はなれ ばなれ
2. パンと蜜をめしあがれ
3. 雲ゆき
4. シカゴ
5. 246
6. 君は僕のもの
7. ドギー&マギー
8. サラウンド
9. 残暑
10. ロマンチック
11. Re-雲ゆき
12. id
13. Folklore
14. おかえり
15. バイタルサイン
16. THE NEW SONG
17. Bass,Bass,Bass
18. GOOD TIME MUSIC(日比谷野外音楽堂2007.07.21)
19. Re-アホイ!
20. serendipity
21. KANADE Dance
22. NOW!!!(2010 ver.)
23. SUPER☆STAR
24. JAPANESE MANNER
25. Ka-Ka-KaLMA!
26. Sooo, Quiet
27. ハレルトマヂカ
28. tiny pride
29. 4hands_cp_waves(1/4)
30. Aspen(白樺編)
31. あかり from HERE(clammbon side)
32. Bug -fughetta-
33. ある鼓動
34. KANADE Dance(両国国技館2011.11.03)
35. Rough & Laugh
36. 幸せ願う彼方から
37. tiny pride(よみうりランド2012.09.16)
38. (新作)

クラムボン<br>
『clammbon music V 集』(2DVD)
クラムボン
『clammbon music V 集』(2DVD)

2014年4月2日(水)発売
価格:4,104円(税込)
COBA-6553/4

1. はなれ ばなれ
2. パンと蜜をめしあがれ
3. 雲ゆき
4. シカゴ
5. 246
6. 君は僕のもの
7. ドギー&マギー
8. サラウンド
9. 残暑
10. ロマンチック
11. Re-雲ゆき
12. id
13. Folklore
14. おかえり
15. バイタルサイン
16. THE NEW SONG
17. Bass,Bass,Bass
18. GOOD TIME MUSIC(日比谷野外音楽堂2007.07.21)
19. Re-アホイ!
20. serendipity
21. KANADE Dance
22. NOW!!!(2010 ver.)
23. SUPER☆STAR
24. JAPANESE MANNER
25. Ka-Ka-KaLMA!
26. Sooo, Quiet
27. ハレルトマヂカ
28. tiny pride
29. 4hands_cp_waves(1/4)
30. Aspen(白樺編)
31. あかり from HERE(clammbon side)
32. Bug -fughetta-
33. ある鼓動
34. KANADE Dance(両国国技館2011.11.03)
35. Rough & Laugh
36. 幸せ願う彼方から
37. tiny pride(よみうりランド2012.09.16)
38. (新作)

プロフィール

TAMTAM(たむたむ)

存在感のある歌声を軸に、レゲエを土台にしつつ雑多なビートを咀嚼したリディムセクションが太くうねるようにボトムを支え、バレアリックで時に空間的なギター、メロウなキーボードが彩りを添える21世紀型DUB BAND。ライブでは常にDUB PAを帯同し、生演奏に絡みつくようなリアルタイムのディレイ、リバーブ処理が空間を歪ませる。ミュージックマガジン誌の特集「ベストアルバム2013」日本のレゲエ部門でPolarizeが一位を獲得。2014年4月にビクタースピードスターレコーズからミニアルバム『For Bored Dancers』でメジャーデビュー。

ミト

1975年5月6日生まれ。東京都出身。
クラムボンのバンドマスターとして、ベース、ギター、キーボード他を担当。デビュー以来クラムボンの楽曲は、ほぼ全てmitoによるものであり、自身のバンド以外にも、楽曲提供・演奏参加、プロデューサー、ミックスエンジニアとして、多くのミュージシャンを手がける。



また複数のソロ名義でも多岐にわたり活動しており、2011年には初のmito名義となるソロアルバム『DAWNS』、参加曲を集めた『mito archive 1999-2010』を発売している。来年で結成20周年を迎えるクラムボンのアニバーサリーイヤー企画第1弾として、初のMV集を4月に発売した。

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