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今、求められる歌の姿とは? 高野寛×ハナレグミの親密対談

今、求められる歌の姿とは? 高野寛×ハナレグミの親密対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:三野新

サウンドプロデュースでいろんな曲に関わってきたけど、たぶん“サヨナラCOLOR”は僕の人生のトップ3に入る曲だと思っていて、それはできあがった瞬間にわかったんです。(高野)

高野:バタードッグは崇がバンドと一緒に歌も録音するっていうスタイルなんだけど、ギターもちゃんと弾くし、ホントにスタジオライブみたいな感じですごいなって思った。

永積:僕の場合、後から録音すると余計に時間がかかるっていう(笑)。なんかね、細かくなっちゃったり、迷っちゃうんですよね。

高野:でも一番バンドらしいやり方だし、実力がないとできないよね。僕の新しいアルバム『TRIO』は、25年目にして初めて、歌とギターをバンドと一緒に録ってるんですよ。崇はもうとっくにやってたことなんだけど(笑)、僕はなかなか踏ん切りがつかなくて、今やっとそれができるようになったんです。

―“サヨナラCOLOR”のレコーディングに関しては、どんなことを覚えていらっしゃいますか?

高野:サウンドプロデュースでいろんな曲に関わってきたけど、たぶん“サヨナラCOLOR”は僕の人生のトップ3に入る曲だと思っていて、それはできあがった瞬間にわかったんです。これは記憶違いかもしれないんだけど、あの曲を録ってるときって、僕が他のレコーディングも同時に入ってて、同じスタジオの上の階でやってたから、「音合わせだけしておいて」って上に行って、また下に覗きに来るみたいな感じだったと思うのね。

永積:そうだったっけ? それ覚えてないなあ……。

高野:それでね、「そろそろ見に行くか」って感じで下に行ったら、もうほぼできてて、結局あのオッケーテイクって、2回録ったうちの2回目だったんだよね。正味1時間ぐらいで全部完成してて、そのラフミックスを僕が持って帰って、その日の夜にストリングスのアレンジを考えて、次の日に1時間ストリングスを録って終わり。その速さもホントに印象的で、僕はレコーディング自体が好きだから、時間かけて作る方に行きがちなんだけど、「時間をかけることにホントに意味あるのかな?」って、ちょっと疑問に思うくらい、衝撃的な現場だったんですよね。

高野寛

永積:僕としては、一番迷いがなかったレコーディングが“サヨナラCOLOR”だったと思うんです。いろいろ考えなきゃいけない部分を補ってくれる人がいたからプレイに集中できたし、あの曲に対しては、自分のモチベーションもすごく高かったんです。今思うと、集中力と気持ちが一番高まってるタイミングだったんだろうなって。

“hibiki”の言葉が今の自分に向けられてるような気がしたんですよね。ここ数年「歌って何だろうな?」っていうことをずっと考えてて、あの歌詞もその答えに向かってる気がするというか。(永積)

―その後、永積さんは高野さんのアルバム『確かな光』(2004年)にコーラスで2曲に参加されてて、その中の1曲である“hibiki”を今回のトリビュートでカバーされていますね。


永積:カバーをするときって、いつも自分が聴いたときに、思い描いたシーンが残ってる曲を選びたいと思ってて。“hibiki”をレコーディングしたときは、事務所が変わったり、映画『サヨナラCOLOR』のサントラのレコーディングがあったり、すごく自分の中でも熱い時期で、その時間があの音に詰まってる感じがするんですよね。

高野:サントラもいいレコーディングだったよねえ。

永積:清志郎さんも来てね。

高野:清志郎さん、腕吊ってたんだよね。自転車でこけて(笑)。

永積:そうそう、そうだ(笑)。あとこの曲って、言葉が今の自分に向けられてるような気がしたんですよね。ここ数年「歌って何だろうな?」っていうことをずっと考えてて、あの歌詞もその答えに向かってる気がするというか。感覚的なんですけど。

高野:『確かな光』は僕がデビュー15年目で出したアルバムだから、当時40歳ぐらいだったんだよね。今の崇の実年齢に近い人が書いてるわけで、だからよりリアルに感じるのかも。

―そうか、ちょうど10年前の作品ですもんね。

永積:うわ、そうだったのか! それ、すごいですね(笑)。

左から:高野寛、ハナレグミ

―ちなみに、今回永積さんがアレンジ、演奏、打ち込みまでをすべてご自身で手掛けられていますが、これは「宅録家=高野寛」へのトリビュートだったりするのでしょうか?

永積:あー、自然とそういう風になったのかもしれないですね。僕はずっとバンドサウンドに重きを置いてて、ソロになってからもそういう形態だったんですけど、1人で音楽を成立させられる人をすごく尊敬してるんです。色を選んで、1個ずつペイントしていくように音楽を作ることを、自分でもやってみたいと思ってて。だから、「どういうスタイルでやろう」とかは全然決めてなくて、歌詞とメロディーを歌いながら、「こういう音が聴こえるな」って、先々で音を探して、ゆっくり積んで行ったんです。『grooblue』じゃないですけど、また高野さんから教わってる感じがあったっていうか(笑)。

―曲を通じて「アレンジってこうやるんだよ」って(笑)。

永積:そう、だからこれまでの自分にとっては新鮮なことを、高野さんの曲をきっかけにやらせてもらったんです。

高野:面白いよね。崇は打ち込み初めてで、僕は一発録り初めてなんだもんね(笑)。

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イベント情報

『高野寛バンドツアー「TRIO」 ~25th Anniversary 2nd season~』

2014年9月27日(土)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:兵庫県 神戸 ジーベックホール
料金:前売5,500円 当日6,000円(共にドリンク別)

2014年10月4日(土)OPEN 15:45 / START 16:30
会場:東京都 日本橋三井ホール
料金:前売6,000円 当日6,500円(共にドリンク別)

イベント情報

『高野寛 アコースティックツアー「ブラジルから遠く離れて」~25th Anniversary 2nd season~』

2014年8月22日(金)
会場:鳥取県 ギャラリーそら

2014年8月23日(土)
会場:三重県 radi cafe apartment

2014年9月6日(土)
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO

2014年9月7日(日)
会場:広島県 log

2014年9月14日(日)
会場:北海道 札幌 レストランのや

2014年9月15日(月・祝)
会場:北海道 札幌 たべるとくらしの研究所

2014年10月10日(金)
会場:香川県 高松 umie

2014年10月11日(土)
会場:愛媛県 若草幼稚園

2014年10月18日(土)
会場:栃木県 SHOZO 音楽室

2014年10月25日(土)
会場:鹿児島県 GOOD NEIGHBORs

2014年10月26日(日)
会場:福岡県 TAGSTA

2014年11月1日(土)
会場:岩手県 盛岡 大慈清水御休み処

2014年11月2日(日)
会場:宮城県 仙台 SENDAI KOFFEE CO.

2014年11月3日(月・祝)
会場:福島県 いわき burrows

2014年11月8日(土)
会場:奈良県 法徳寺

2014年11月9日(日)
会場:和歌山県 カーヒコ・オ・ケ・アクア

2014年11月21日(金)
会場:広島県 尾道 やまねこカフェ

2014年11月22日(土)
会場:滋賀県 旧大津公会堂

2014年12月20日(土)
会場:岡山県 蔭凉寺

2014年12月21日(日)
会場:大阪府 中之島デザインミュージアム

リリース情報

高野寛<br>
『TRIO』(CD)
高野寛
『TRIO』(CD)

2014年8月6日(水)発売
価格:3,240円(税込)
SUNBURST, inc. / SBST-005

1. Dog Year, Good Year
2. (それは)Music
3. 2つの太陽
4. See you again(RIO ver.)
5. 一分間
6. Morning Star
7. 確かな光(RIO ver.)
8. Mo i Kai
9. いつのまにか晴れ(2014)
10. On & On(& On)
11. 地球は丸い - A Terra é Redonda
12. ないものねだり
13. Free
14. Nectar
15. 美しい星(RIO ver.)
16. Petala - 花びら

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『高野寛 ソングブック~tribute to HIROSHI TAKANO~』(CD)
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『高野寛 ソングブック~tribute to HIROSHI TAKANO~』(CD)

2014年8月6日(水)発売
価格:3,024円(税込)
Ultra-Vybe,inc. / OTCD-3872

1. 夢の中で会えるでしょう / 蓮沼執太フィル
2. hibiki / ハナレグミ
3. やがてふる / 高橋幸宏
4. エーテルダンス / ビューティフルハミングバード & 宮内優里
5. 確かな光 / 畠山美由紀+青柳拓次
6. ベステンダンク / 岸田 繁 (くるり)
7. オレンジ・ジュース・ブルース / anonymass with 湯川潮音
8. KAORI / 有里知花 with 宮川 剛・永見行崇
9. 夜の海を走って月を見た / 山田稔明 (GOMES THE HITMAN)
10. See You Again / アンチモン
11. ベステンダンク / おお雨 (おおはた雄一+坂本美雨)
12. All over, Starting over / 浜崎貴司
13. 虹の都へ / トッド・ラングレン

『We Are Here / 高野寛と素晴らしきラリーの仲間たち』
『We Are Here / 高野寛と素晴らしきラリーの仲間たち』

2014年9月6日(土)発売予定
RALLYE LABEL / RYECD100

1. 高野寛 × 宮内優里
2. 高野寛 × YeYe
3. 高野寛 × sugar me
4. 高野寛 × little moa
5. 高野寛 × CONCERT
6. 高野寛 × milk
7. 高野寛 × 宮内優里
※曲順、曲名は未定

ハナレグミ<br>
『だれそかれそ』(CD)
ハナレグミ
『だれそかれそ』(CD)

2013年5月22日発売
価格:3,045円(税込)
VICL-64024

1. Hello, my friend / 松任谷由実
2. 接吻 Kiss / ORIGINAL LOVE
3. 中央線 / THE BOOM
4. いっそ セレナーデ / 井上陽水
5. 空に星があるように / 荒木一郎
6. オリビアを聴きながら / 杏里
7. プカプカ / 西岡恭蔵
8. いいじゃないの幸せならば / 佐良直美
9. ウイスキーが、お好きでしょ / SAYURI
10. ラブリー / 小沢健二
11. エイリアンズ / キリンジ
12. 多摩蘭坂 / RCサクセション

書籍情報

『RIO』
『RIO』

2014年7月20日発売
著者:高野寛
価格:1,296円(税込)
発行:mille books

プロフィール

高野寛(たかの ひろし)

1988年、高橋幸宏プロデュースによるシングル「See You Again」でデビュー。現在までにベスト / ライブ盤を含む18枚のアルバムをリリース。代表曲は、「虹の都へ」「ベステンダンク」(共にトッド・ラングレンのプロデュース)、「夢の中で会えるでしょう」(坂本龍一プロデュース)など。ソロワークのほか、ギタリスト / プロデューサーとしても多くのプロジェクトに参加。ナタリー・ワイズ、GANGA ZUMBA(ガンガ・ズンバ)、pupa(ピューパ)等、バンドでの活動も精力的に行う。デビュー以来、音楽への真摯な姿勢と非凡なポップセンスは、多くの音楽ファンに支持されている。

永積崇(ながづみ たかし)

1974年東京生まれ。高校2年の頃よりアコースティックギターで弾き語りをはじめ、1997年、SUPER BUTTER DOG でメジャーデビュー。 2002年5月、ソロ名義で、はっぴいえんどのトリビュートアルバム『HAPPY END PARADE tribute to はっぴいえんど』に参加。同年、夏よりバンドと併行して、ハナレグミ名義でひっそりとソロ活動をスタート。ギター片手に単身、全国のライブハウスを廻る。2005年の夏にはSUPER BUTTER DOGの代表曲をタイトルにした竹中直人氏監督映画「サヨナラCOLOR」が公開となり、エンディングテーマとして忌野清志郎氏とのデュエットも披露している他、サントラも担当する。2013年5月にはハナレグミにとって初となる待望のカバーアルバム『だれそかれそ』をリリース。その深く温かい声と抜群の歌唱力を持って多くのファンから熱い支持を得ている。

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