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三戸なつめ×日下慶太対談 関西ノリ×KAWAiiが生む奇抜なアート

三戸なつめ×日下慶太対談 関西ノリ×KAWAiiが生む奇抜なアート

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也

やっぱり中田ヤスタカさん流石やなって思ったのが、この曲ってイメージがあるようでない、個性があるようでない、絶妙のバランスになってて、だから何回も聴けるんだと思うんですよね。(日下)

―今回、なぜ1曲のためにMVを11本も作ろうと思ったんですか?

日下:もともと「『商店街ポスター展』みたいなノリで」というお話だったので、安直ですけど、いろんな人に好き勝手に作ってもらおうと思ったんです。同じ曲でたくさんのPVのタイプがあるなんて、見たことないでしょ。監督をやってもらったみんなに話したら「何秒ぐらい作ったらいいの?」って訊かれて、「1本まるまる」って言ったら驚かれました。全体のとあるパートを作るものやと思ってたんやね。もちろん予算のこともあるし、時間にも限りがあるから、最初は10本を目標にしてたんですけど、三戸ちゃんが忙しいスケジュールの中撮影のために何度も東京から大阪に来てくれたおかげで、11本できました。

左から:日下慶太、三戸なつめ

―MVの監督さんを選ぶにあたっては、日下さんの中でどんな基準がありましたか?

日下:オンリーワンな世界観を持ってる人を選びました。三戸ちゃんのイメージに合わせるというよりも、三戸ちゃんをそれぞれの世界に引きずり込んでほしいなって。あと関西に住んでたり、縁があることですね。アホらしい感じが大事やなって思ってたから。うちの会社の後輩、藤井(亮。MV「落書き篇」担当)と小路(翼。MV「群れ篇」担当)も、普段はアートディレクターなんですけど自分で映像も作ってるから、映像作家として入ってもらいました。

『前髪切りすぎた-落書き篇-』監督:藤井亮

『前髪切りすぎた-群れ篇-』監督:小路翼

―三戸さん、特にこれがお気に入りっていう1本を挙げてもらうことはできますか?

三戸:ひとつに絞れない……全部好きです(笑)。内容ももちろん気に入ってるんですけど、何より監督さんとの思い出がすごく印象に残ってるんですよね。濃い人ばっかりだったから(笑)。

日下:カメラマンの槻木さんが言ってたんですけど、三戸ちゃんは現場でいろんな人と関係を作るのが上手いんですよね。ただ撮る人と撮られる人っていうだけの関係じゃない、お兄ちゃんと妹だったり、友達同士のような関係というか。短い時間の中でそういう関係性を作れるのって、三戸ちゃんの才能ちゃう?

三戸:一緒にやるからには楽しくやりたいから、あんまり距離を開けずにみんなと接しようっていうのは、人見知りなりに頑張りました(笑)。なので、カメラマンさんにそう思ってもらえたならすごく嬉しい。でも監督さんたちもホントに裏表なく接してくれたから、すごくやりやすかったです。

左から:日下慶太、三戸なつめ

―「この人と一緒に面白いものを作りたい」って気持ちにさせることがすごく大事だと思うから、それはホントに才能だと思います。

日下:三戸ちゃんはそこにポンッと乗っかってくれますしね。でも、コタケマンのときはひどかったよな? 人いっぱい集めといて、ホントに何にも決まってなくて、当日になって「さて、何しよう?」みたいな感じで。普通のタレントさんの撮影現場だったらありえないですよ(笑)。

三戸:「祭じゃ!」って言ってたから、とりあえず祭っぽくしようとしてました(笑)。

『前髪切りすぎた-ダルマ篇-』監督:コタケマン

―(笑)。MVやポスターを見ると、「僕もこの曲で遊びたい」って思うクリエイターの人とかがいっぱいいそうな気がします。

三戸:そう思ってもらえたら、すごく嬉しいです。

日下:やっぱり中田さん流石やなって思ったのが、そういうことに適した音作りを、あえて三戸ちゃんの曲ではやってるんだと思うんですよね。まだ曲ができる前に中田さんにお会いして、「こういうたくさんの監督さんたちと映像を作ろうと思うんです」って話をしたら、「面白そうですね」って言ってくれたんですけど、あんまり濃い曲やと何回も聴くのがしんどいじゃないですか? この曲ってイメージがあるようでない、個性があるようでない、絶妙のバランスになってて、だから何回も聴けるんだと思うんですよね。尾崎豊の曲でMV10本は作れないし、10回続けて見れないですもん(笑)。

―確かに(笑)。

日下:あと僕としては中田さんと伊勢田さん(自主制作アニメーション、特撮作家)をくっつけられたのが大きいですね。あんなアングラな、アウトサイダーな人と中田さんがくっつくことって、画期的なことなんじゃないかなって。

『前髪切りすぎた -学園篇-』監督:伊勢田勝行

―それも三戸さんの存在があったから可能になったことで、言ってみれば、三戸さんはそうやって人と人をつなげる触媒みたいな存在になってるのかもしれない。

日下:三戸ちゃんっていう存在と楽曲の2つがあったからこそだったと思います。ホント楽しくできて、終わるとき悲しかったもんね。

三戸:ホントに楽しかったです。でも、まだこれからもある気がする。

日下:やるよー!

ただ、ストレートに「笑顔になろうよ!」とか言われても、「なれねえよ」って思うときもあると思うから、そういうときに自分の映像とかを見て、思わずプッと吹き出しちゃうようになればいいなって。(三戸)

―歌手デビュー、役者デビューと、三戸さんの活動範囲がどんどん広がっているわけですが、今後どんな存在になっていきたいとお考えですか?

三戸:これからもいろいろ楽しいことに挑戦して、ファンの人たちに笑顔になってもらえればなって思ってます。ただ、ストレートに「笑顔になろうよ!」とか言われても、「なれねえよ」って思うときもあると思うから、そういうときに自分の映像とかを見て、思わずプッと吹き出しちゃうような、そういうアーティストになれればいいなって。「クセになるぜ」って思ってもらえる、駄菓子みたいなアーティストに(笑)。

左から:日下慶太、三戸なつめ

―まさに、キャベツ太郎(スナック菓子。シングルには「キャベツ太郎 勝手に応援歌」の“きゃべつのやつの歌”が収録されている)ですね(笑)。日下さんは、今後の三戸さんがどうなっていったら面白いと思いますか?

日下:このままでいいと思うんですけど、今は若い女性のファンが多いと思うから、もっとキャラクターとしての三戸ちゃんの面白さが伝わって、いろんなファンが増えるといいなと思います。そういう可能性はすごく秘めてると思うから、もっとテレビに出ていくのもいいんちゃうかな? お茶の間にも合うと思うんですよね。

―コント番組とか出たら面白そうですよね。

三戸:めっちゃ出たい! 「テレビのお仕事は何がやりたいですか?」って訊かれると、よく「コント」って言うんですけど、なかなか採用されないんです(笑)。

―今回のMVを見てもらえれば、三戸さんのコント適正が伝わると思います(笑)。

『前髪切りすぎた-容疑者篇-』監督:大熊一弘

『前髪切りすぎた-フレンドリー時代篇-』監督:宮本杜朗

『前髪切りすぎた-たわし篇-』監督:坂本渉太

三戸:一人の女性として見てもらうのももちろんいいんですけど、どちらかというと、キャラクターみたいになりたいんですよね。

―老若男女に愛されるような?

三戸:おじいちゃんおばあちゃんはNHKしか見ない人も多いから、『みんなのうた』もやりたいし、『紅白』にも出たいし、あとは夕方5時にやってるようなアニメに出るような存在になりたい(笑)。

日下:三戸ちゃんって、一番末っ子のかわいい妹みたいなキャラだと思うんですよね。僕が長男で、三戸ちゃんは6人兄弟の一番下。その間に、MVの監督が何人かいるみたいな(笑)。

左から:三戸なつめ、日下慶太

―今回の一連のMVは、家族や兄弟と作ったような感じだったと。

三戸:ホントに、そんな感じがします。これからもこういう面白いことをどんどんやっていきたいです。

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リリース情報

三戸なつめ『前髪切りすぎた』(CD)
三戸なつめ
『前髪切りすぎた』(CD)

2015年4月8日(水)発売
価格:1,404円(税込)
AICL-2858

1. 前髪切りすぎた
2. コロニー
3. きゃべつのやつの歌
4. 前髪切りすぎたinst
5. コロニーinst
6. きゃべつのやつの歌inst

イベント情報

『『前髪切りすぎた』発売記念イベント』

2015年4月11日(土)START 14:00
会場:東京都 ブルービートヴィレッジヴァンガード新宿ルミネエスト店 特設会場

2015年4月11日(土)START 18:00
会場:東京都 タワーレコード新宿店

2015年4月12日(日)START 13:00
会場:愛知県 イオンモールナゴヤドーム前店 館内イベントスペース

2015年4月12日(日)START 17:00
会場:愛知県 名古屋パルコ西館1階イベントスペース

2015年4月19日(日)START 15:00
会場:大阪府 タワーレコード梅田NU 茶屋町店

2015年4月19日(日)START 18:30
会場:大阪府 なんばパークス店 店舗前スペース

2015年4月26日(日)START 12:00
会場:京都府 ヴィレッジヴァンガード イオンモール京都五条店

プロフィール

三戸なつめ(みと なつめ)

1990年2月20日生まれ。奈良県出身。2010年に関西で読者モデル活動を開始。2013年に上京してからは、1年足らずでレギュラー掲載雑誌多数。その愛らしいキャラクターや笑顔は見ている人を油断させるほど。同世代の女子から多くの支持を集め、数々の青文字系雑誌の読者アンケートで好きな読者モデルNO1を獲得している。Twitterのフォロワー数は17万人を超え、2013年には、発売された自身初のセルフプロデュース本『なつめさん』は5万部を売り上げ大ヒット作となった。必殺技は中学生の時から変わらない、眉上バング!

日下慶太(くさか けいた)

1976年大阪生まれ大阪在住。ロシアでスパイ容疑で拘束、アフガニスタンでタリバンと自転車を2人乗りなど、世界をフラフラとしながら電通に入社。商店街のおもしろいポスターを制作し町おこしにつなげる「商店街ポスター展」の仕掛人。コピーライターとして勤務する傍ら、写真家、大阪一のアホ祭り『セルフ祭』顧問として活動している。都築響一氏編集『ROADSIDERS' weekly』でも写真家として執筆中。佐治敬三賞、東京コピーライターズクラブ最高新人賞、朝日広告賞、ゆきのまち幻想文学賞他多数。ツッコミたくなる風景ばかりを集めた『隙ある風景』日々更新。

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