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伝説のフォークシンガー高田渡が息子・漣に引き継いだ生活者の歌

伝説のフォークシンガー高田渡が息子・漣に引き継いだ生活者の歌

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織
2015/04/14
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父のように自分の一生を10代のうちに決めるのも1つの生き方だと思います。でも、僕は父のようには生きられないですから。

―今回こうして高田渡さんの歌を形にしたことで、今後漣さんがどんな歌を歌っていくのかも非常に気になります。

高田:去年『グーグーだって猫である』というドラマの挿入歌(“パレード”)をUAに歌ってもらったんですけど、あれもポップス風に着飾ってはいても、根本はフォークソングなんです。やっぱり、そこが自分の中でどんどん大きくなっていて、サウンドはそのときどきで変わると思うけど、言葉はよりわかりやすくなっていくような気がしますね。

―“パレード”は何が題材になった曲なんですか?

高田:実はあの曲は、国会前のデモを見て感じたことを、気がついたら歌にしていたんです。でも僕、その曲のことをすっかり忘れていて、ドラマの話があったときに、「前から思ってたんですけど、この曲すごくいいと思うんです」とマネージャーに言われて、それから自分でコピーし直したんですけど(笑)。

―個人の体験をギター1本で歌にするというのは、まさにフォークシンガーですね。

高田:ただ、直接的なアジテーションよりは、考える余白があるものにしたいですね。その人の言いたいことが書いてあるだけだと、それ以上のことは思わないじゃないですか? 聴いた人それぞれに答えをゆだねるようなものがいいと思うんですけど……まあ、こんなこと言って、どうでもいいこと歌ってるかもしれないけど(笑)。

高田漣

―そこは身軽に、ですかね(笑)。

高田:実は自分の人生を振り返ってみると、「何かになろう」とか、「自分の人生をこうしよう」と思ったことって、一度もないんですよ。でも、父は今度出る日記(『マイ・フレンド―高田渡青春日記1966-1969』)の中で、17歳の時点で「高田渡っていうシンガーはこうでなくちゃいけない」って決意してるんです。日本人として、日本語の表現を突き進むんだって。ぶれてないんです。それに比べて僕なんて、究極のぶれ球ですよ。蹴った本人ですらどうなるかわからない(笑)。結局自分のことって、わかってるようで何もわかってないんですよね。だって僕、最初はこの業界の裏方で頑張っていこうと思ってたのに、気づけば「ペダルスティール奏者」になり、「マルチ弦楽器奏者」になり、「シンガーソングライター」になり、今や何て言っていいかわからないから、「音楽家」っていう大きな括りになってますからね(笑)。

高田渡『マイ・フレンド―高田渡青春日記1966-1969』表紙
高田渡『マイ・フレンド―高田渡青春日記1966-1969』表紙

―(笑)。それは自分で選んできたものではないと。

高田:いろんな人たちの助言とか、ファンの人たちの望み、そういうものに導かれたんですよね。震災後も、お客さんに「漣さんに“鉱夫の祈り”や“鮪に鰯”を歌ってほしいんです」と言われて、そこから自分が変わっていきましたから。だから、いつでもどこにでも行けるように身軽でいたいというか、実は自分の人生をどうこうしたいとは思ってないんですよね。

―ただ、自分のポジションを固めないっていう……。

高田:その意志は固いです(笑)。だって、そのほうが楽しいじゃないですか? もちろん、父のように自分の一生を10代のうちに決めるのも1つの生き方だと思います。でも、「こっちのほうが面白い」っていうのも1つの人生だと思うし、僕は父のようには生きられないですから。「漣くんにはこういうことをやってほしい」と誰かが思うことを、これからもやっていたいと思いますね。

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リリース情報

高田漣『コーヒーブルース~高田渡を歌う~』(CD)
高田漣
『コーヒーブルース~高田渡を歌う~』(CD)

2015年4月15日(水)発売
価格:3,000円(税込)
KICS-3178

1. 仕事さがし
2. 自転車にのって
3. フィッシング・オン・サンデー
4. ヴァーボン・ストリート・ブルース
5. コーヒーブルース
6. 銭がなけりゃ
7. ひまわり
8. 系図
9. ブラザー軒
10. 生活の柄
11. 雨の日
12. 私の青空
13. ホントはみんな
14. おなじみの短い手紙
15. くつが一足あったなら

高田渡『イキテル・ソング~オールタイム・ベスト』(CD)
高田渡
『イキテル・ソング~オールタイム・ベスト』(CD)

2015年4月15日(水)発売
価格:2,700円(税込)
KICS-3177

1. この世に住む家とてなく
2. 自衛隊に入ろう
3. ごあいさつ
4. 自転車に乗って
5. おなじみの短い手紙
6. コーヒーブルース
7. 系図
8. 鉱夫の祈り
9. 私は私よ
10. 私の青空
11. 当世平和節
12. 火吹竹
13. フィッシング・オン・サンデー
14. ヴァーボン・ストリート・ブルース
15. 冬の夜の子供の為の子守唄
16. ホントはみんな
17. 夕暮れ
18. ブラザー軒
19. 生活の柄

書籍情報

『マイ・フレンド―高田渡青春日記1966-1969』
『マイ・フレンド―高田渡青春日記1966-1969』

2015年4月17日(金)発売
著者:高田渡
編者:高田漣
価格:2,700円(税込)
発行:河出書房新社

イベント情報

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”』

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks” 岐阜編』
2015年4月15日(水)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:岐阜県 ワタルカフェ
出演:高田漣
※チケットは完売

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”京都編』
2015年4月16日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:京都府 磔磔
出演:
高田漣
伊賀航
伊藤大地
武川雅寛
ほか
トークゲスト:
寺田"テリー"国敏
水島博範
司会:野村雅夫
料金:3,800円(税込)

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”特別編』
2015年4月18日(土)OPEN 16:30 / START 17:00
会場:東京都 新大久保 グローブ座

第1部「高田渡を語る」
トーク出演:
高田漣
井上陽水
司会:清野茂樹

第2部「高田渡を噺す」
出演:桃月庵白酒(落語)

第3部「高田渡を歌う」
出演:
高田漣(Vo,Gt)、伊賀航(Ba)、伊藤大地(Dr)、武川雅寛(Vl,Tp,etc)、関島岳郎(Tub)、徳澤青弦カルテット
ゲスト:ドレスコーズ
料金:4,800円

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”博多編』
2015年5月17日(日)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:福岡県 LIV LABO
出演:
高田漣
キセル
and more
料金:3,800円(ドリンク別)

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”広島編』
2015年6月10日(水)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:広島県 SHAMROCK
出演:高田漣、伊賀航
料金:3,800円(ドリンク別)

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”名古屋編』
2015年6月15日(月)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO
出演:
高田漣(Vo,Gt)、伊賀航(Ba)、伊藤大地(Dr)
ゲスト:いとうたかお
料金:3,800円(ドリンク別)

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”浜松編』
2015年6月17日(水)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:静岡県 浜松 ESQUERITA68
出演:高田漣(Vo,Gt)、伊賀航(Ba)、伊藤大地(Dr)
料金:予約3,800円(ドリンク別)

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”信州編』
2015年6月25日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:長野県 ネオンホール
出演:高田漣
料金:予約3,800円(ドリンク別)

『高田渡トリビュートライブ“Just Folks”金沢編』
2015年6月26日(金)OPEN 19:30 / START 20:00
会場:石川県 金沢 もっきりや
出演:高田漣
料金:予約3,800円(ドリンク別)

プロフィール

高田漣(たかだ れん)

1973年、日本を代表するフォークシンガー・高田 渡の長男として生まれる。少年時代はサッカーに熱中し、14歳からギターを始める。17歳で、父親の旧友でもあるシンガーソングライター・西岡恭蔵のアルバムでセッション・デビューを果たす。スティール・ギターをはじめとするマルチ弦楽器奏者として、YMO、細野晴臣、高橋幸宏、斉藤和義、くるり、森山直太朗、星野源、等のレコーディングやライヴで活躍中。ソロ・アーティストとしても今までに6枚のアルバムをリリース。2007年、ヱビス<ザ・ホップ>、プリングルズのTVCMに出演。同年夏、高橋幸宏の新バンド構想の呼びかけにより、原田知世、高野寛、高田漣、堀江博久、権藤知彦の計6人で「pupa」結成。映画、ドラマ、舞台のサウンドトラックの他、CM音楽も手掛ける。

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