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Snoop Doggとファレル、世界的スター2人の意外な共存関係

Snoop Doggとファレル、世界的スター2人の意外な共存関係

テキスト
麦倉正樹

10年以上も前から、ファレルはSnoop Doggの新たな一面を引き出してきた

スヌープとファレル・ウィリアムス。実は2つしか歳の離れていない(スヌープが2歳上)この二人がタッグを組むのは、今回が初めてのことではない。二人の邂逅は、今から10年以上も前に遡る。2002年にリリースしたスヌープの6枚目のアルバム『Paid Tha Cost Be Da Boss』に収録されたシングル2曲を、The Neptunesがプロデュースしているのだ。とりわけ、ファレル自身がフィーチャリングボーカルとして参加した“Beautiful”は、スヌープにとって久々のシングルヒットとなった。


その勢いを受けて、スヌープの7枚目のアルバム『R&G(Rhythm & Gangsta):The Masterpiece』(2004年)は、The Neptunesが全面的にプロデュースを担当。しかも彼らが主宰するレーベル「Star Trak」からのリリースとなるなど、当時から蜜月関係にあったのだ。ファレルをフィーチャーした同アルバム収録のシングル曲“Drop It Like It's Hot”は、意外にもスヌープにとって初の全米ナンバーワンヒットを記録。


このあたりから、従来のギャングスタラッパー的なイメージとは異なる、ソウル / ファンクのテイストを持ったアーティストとして、スヌープは再評価されるようになった。その背後には、The Neptunes、そしてファレルの存在があったというわけだ。西海岸を代表するギャングスタラッパーとして登場以来、銃刀法違反や薬物所持、そして東西間の血で血を洗う抗争など、「ギャングスタ」を地で行く強面なイメージがつきまとっていたスヌープ。そんな彼の「チャーミングさ」に最初に光を当てたのは、ひょっとするとファレルだったのかもしれない。

「(ファレルは)己の人生以上に、目の前のプロジェクトに夢中なんだよ」(Snoop Dogg)

“Drop It Like It's Hot”のヒットから約10年。その間も、つかず離れずの関係性を保って来た彼らだが、今回満を持してファレルがスヌープを全面的にプロデュースするのだから、これは只事ではない。久しぶりにファレルとタッグを組んだ理由とその経緯について、スヌープ自身は次のように語っている。

Snoop Dogg:俺とファレルは、深い友情で結ばれているんだ。「タイミングをみてスタジオに入り、フルアルバムを作ろう」って、そんな感じさ。そして、一度スタジオに入ったら、純粋に俺たちが大好きなことをやる。リスナーが気分良くなってくれるような、素晴らしい音楽を作ること。それだけだよ。だから、お互いの時間を調整してスケジュールを組んだあとは、とてもシンプルだった。ファレルとともに時間を過ごして、俺は何をすべきか的確に指示をもらうというイージーなプロセスさ。それは素晴らしい体験だったね。

Snoop Dogg
Snoop Dogg

プロデューサーとして、全幅の信頼を置いているとも言えるファレルの存在。そんな彼の人物像について、スヌープは以下のように表現している。

Snoop Dogg:ファレルはすごい情熱的なやつだよ。音楽を奥深くまで理解していて、一緒に仕事をするアーティストには、常にたくさんの愛を注いで敬意を払ってくれる。己の人生以上に、目の前のプロジェクトに夢中なんだよ。そして、溢れんばかりのエネルギーで仕事に取り組み、彼のプロデュースする音楽に限らず、アーティストと一緒に作り上げるサウンドで、まわりを納得させるアティテュードも持っている。さらに、一緒に仕事をしているアーティストを安心させる力もある。それらを通じて、彼は自分自身のみならず、一緒に仕事をするアーティストにとっても歴史に残るような音楽を作り上げているんだ。

一方、そのファレルは、今回のアルバムについて、こんなふうに語っている。

ファレル:あまりにも明白なのに、なぜか見落としてることってあるよね。で、実際に聴くと納得する。そして思うんだ。「なぜこれをやるまで、こんなに時間がかかったんだ!」ってね。そんな感じのアルバムになっていると思うよ。

ファレル・ウィリアムス
ファレル・ウィリアムス

どういうことだろうか? かくして生み落とされたスヌープのニューアルバム『BUSH』に耳を傾けてみることにしよう。

ファレルが「なぜか見落としていた」こととは?

音楽的には、ファレルがアルバム『G I R L』で展開した、モダナイズされたディスコファンク的なテイストを色濃く反映させたものとなっているように思える本作。しかし、その何よりの特徴は、ラッパーではなくシンガーとしてのスヌープに、よりフォーカスを当てている点であろう。彼自身、本作を完成させる上で大事にしたのは「歌」であると語っている。

Snoop Dogg:最も大事にしたのは、ボーカルだね。自分の声が常に正しくあるよう気にかけた。ラッパーとしてだと、ボーカルは完璧じゃなくてもいい。しゃがれていたり、ハードだったり、スムースだったり……何でもアリだ(笑)。でも、ボーカリストはそうじゃない。準備の段階から歌う最中まで、身体のどこから声を出すかなど、細部にわたって考える必要がある。だから、今回のアルバムでは、すべてにおいて細心の注意を払って、ベストなボーカルを目指したんだ。

ファレルの言う、「あまりにも明白なのに、なぜか見落としてること」とは、恐らくスヌープのシンガーとしての魅力なのだろう。かつてスヌープのチャーミングさを引き出してみせたファレルは、自身の楽曲“Happy”に象徴されるようなポジティブな音楽性の中で、シンガーとしてのスヌープの魅力を定着させようと試みた。

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リリース情報

Snoop Dogg 『Bush』日本盤(CD)
Snoop Dogg
『Bush』日本盤(CD)

2015年5月20日(水)発売
価格:2,376円(税込)
SICP-4434

1. CALIFORNIA ROLL featuring Stevie Wonder
2. THIS CITY
3. R U A FREAK
4. AWAKE
5. SO MANY PROS
6. PEACHES N CREAM featuring Charlie Wilson
7. EDIBLES featuring T.I.
8. I KNEW THAT
9. RUN AWAY featuring Gwen Stefani
10. I'M YA DOGG featuring Kendrick Lamar & Rick Ross
11. PEACHES N CREAM (Instrumental) (ボーナストラック)

プロフィール

Snoop Dogg(すぬーぷ どっぐ)

全世界セールス3500万枚を誇る、世界で最も有名なラッパーの一人。Dr.Dreに見出されデビューから3作連続で全米チャート1位を記録、2004年には“Drop It Like It's Hot ft. Pharrell”が3週連続で全米シングルチャート1位に輝いた。音楽活動と並行して2009年にはPriority Recordsのクリエイティブチェアマンに就任したり、ハリウッド界への進出、自身のバスケットボールチームを通じた地域社会への貢献など、その活動は多岐に渡る。ファレル・ウィリアムスとはデビュー以来親交を深めてきたが、ニューアルバム『Bush』でこの最強タッグが再び実現! ポップでカラフルな新しいSnoop Doggの魅力が存分に詰まった、今春一番の注目作だ。

ファレル・ウィリアムス

シンガー、ソングライター、プロデューサーとしてはもちろん、ファッション / カルチャーアイコンとしても世界にその名を知らしめる、スーパーマルチアーティスト。プロデューサーユニット「The Neptunes」のメンバーとして10代の頃からプロデュース業に関わり、2001年に自身がプロデュースしたブリトニー・スピアーズのシングル“I'm a Slave 4 U”が、初のチャート1位を獲得。2013年には、同年最大のヒット曲となったDaft Punk“Get Lucky”とロビン・シック“Blurred Lines”の両楽曲ほか、全米アルバムチャート1位を獲得したビヨンセ、Jay-Z、マイリー・サイラス等の楽曲も手掛け、『第56回グラミー賞』では「最優秀プロデューサー賞」他、Daft Punkと共に主要2部門(「最優秀レコード賞」「最優秀アルバム賞」)を含む計4冠を獲得(計11冠)。2014年、8年ぶりのソロアルバム『G I R L / ガール』をリリース、ミュージックビデオの試聴回数が6億6千万回を突破したシングル“Happy”は、全米シングルチャート10週連続1位を記録し同年の年間チャート1位に。アメリカだけでなく日本、イギリスでも年間チャート1位を記録し、世界中でハッピー旋風を巻き起こした。『サマーソニック2015』にヘッドライナー出演。

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