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Snoop Doggとファレル、世界的スター2人の意外な共存関係

Snoop Doggとファレル、世界的スター2人の意外な共存関係

テキスト
麦倉正樹

「(スティーヴィー・ワンダーとの共作は)まさに1本のスシロールみたいなものだ」(ファレル)

具体的な楽曲について見ていこう。グウェン・ステファニー、T.I.、ケンドリック・ラマー、リック・ロスなど、スヌープとファレル双方の人脈によって集められた豪華なフィーチャリングアーティストたち。その中でもとりわけ目を引くのは、やはり冒頭1曲目“Calfornia Roll”にフィーチャーされているスティーヴィー・ワンダーの存在だろう。レコーディング中に、「頭の中でスティーヴィーの歌が聴こえ始めた」というスヌープが、急遽スティーヴィーに連絡。ファレルとスタジオに入っている旨を伝えたところ、その1時間後にスタジオにやって来て、ハーモニカやコーラスまで披露してくれたというマジカルな制作秘話を持つこの曲。それについて、ファレルは次のように語っている。

ファレル:“Calfornia Roll”は、まさに1本のスシロールみたいなものだ。あらゆるものが重なっていて、いろんなことが同時に起きている。注意深く聴けば、そこに込められた僕たちのいろんな意図が見えてくるだろう。現場で僕はすごくナーバスになってしまって、スティーヴィーに対してほとんどディレクションできなかったけど、やっぱりそこは流石スティーヴィーだったよ。直感的なパフォーマンスで、素晴らしいサウンドにしてくれた。スヌープの歌声も最高だった。録り終えた音を翌日に聴いたとき、それが魔法のような多重サウンドになってることに気づいた。本当に最高の曲に仕上がったと思うよ。


そして、本作からの1stシングルとなった“Peaches N Cream ft. Charlie Wilson”は、昨今のファレルが得意とするレトロフューチャーなサウンドが幻惑的で、ファレルとチャーリー・ウィルソンがともにボーカルとして参加していることから、かつてのヒット曲“Beautiful”の再来とも言われている。スヌープ曰く、「俺たちが一緒にトラックを作ると、マジックが起こる。ものすごく声が調和するんだ。完璧な組み合わせってやつだね」。


映画のオマージュが散りばめられたミュージックビデオも話題に

2ndシングルとなった“So Many Pros”は、『黒いジャガー』(原題『Shaft』)や『スーパーフライ』といった、1970年代のブラックエクスプロイテーションムービー(アフリカ系アメリカ人をターゲットに作られた、比較的低予算な映画)をはじめとする、様々な映画のオマージュが散りばめられたミュージックビデオが話題となった。スヌープ自身にとっても、お気に入りの1曲となっているようだ。

Snoop Dogg:自分の中で大事な映画がいくつかある。今の自分を築き上げる過程で影響を受けた映画の人物像。そういう大好きな映画の人物になりきれて、それを自分のミュージックビデオで実現できるなんて滅多にない経験だったよ。ビジュアルもいいし、音もいいし、フィーリングもいい……最高だよ(笑)。最近流行っているようなミュージックビデオでは見たことがない映像になっているんじゃないかな。


アートワークにおいても、ファレルの手によって大胆な変革を遂げた

しかし、本作における最も大胆なイメージチェンジと言えば、謎の盆栽に青い犬というジャケットをはじめ、スヌープらしからぬ鮮やかな原色使いが目にまぶしい、一連のアートワークだろう。

Snoop Dogg:ファレルのチーム「i am OTHER」(音楽レーベルとしての事業だけでなく、ファッションやデザインなど多彩な活動を手がけている)に、俺を大変身させてほしかったんだ。スヌープを題材に、このアルバムを表現するアートワークにするにはどうしたらいいか、ジャケットに限らず全体のイメージとフィーリングを伝えるものを考えてもらった。そして出来上がったのが、このアートワークなんだ。

Snoop Dogg『Bush』ジャケット
Snoop Dogg『Bush』ジャケット

第一線で活躍するヒットメーカー・ファレルの手によって、音楽的にもイメージ的にも大胆な変革を遂げた最新型のSnoop Dogg。2012年に、「Snoop Lion」にアーティスト名を変更することを正式に宣言し、その翌年には本気のレゲエアルバム『Reincarnated』をリリース。「レゲエアーティストに転向か?」と、ファンをやや困惑させていたスヌープだが、ここへ来て完全復帰。「『G I R L』よりいいアルバムになったよ!」というファレルの言葉は、まんざら嘘でもないのだろう。むしろそれは、ファレルの自信の表れといってもいいのかもしれない。この10年間で培ってきたプロデューサーとしてのスキルを、公私にわたって自らが慕っているスヌープの魅力を最大限に引き出すために用いること。ファレルという強力な理解者の全面バックアップのもと、スヌープは今、再びメインストリームに躍り出ようとしているのだ。

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リリース情報

Snoop Dogg 『Bush』日本盤(CD)
Snoop Dogg
『Bush』日本盤(CD)

2015年5月20日(水)発売
価格:2,376円(税込)
SICP-4434

1. CALIFORNIA ROLL featuring Stevie Wonder
2. THIS CITY
3. R U A FREAK
4. AWAKE
5. SO MANY PROS
6. PEACHES N CREAM featuring Charlie Wilson
7. EDIBLES featuring T.I.
8. I KNEW THAT
9. RUN AWAY featuring Gwen Stefani
10. I'M YA DOGG featuring Kendrick Lamar & Rick Ross
11. PEACHES N CREAM (Instrumental) (ボーナストラック)

プロフィール

Snoop Dogg(すぬーぷ どっぐ)

全世界セールス3500万枚を誇る、世界で最も有名なラッパーの一人。Dr.Dreに見出されデビューから3作連続で全米チャート1位を記録、2004年には“Drop It Like It's Hot ft. Pharrell”が3週連続で全米シングルチャート1位に輝いた。音楽活動と並行して2009年にはPriority Recordsのクリエイティブチェアマンに就任したり、ハリウッド界への進出、自身のバスケットボールチームを通じた地域社会への貢献など、その活動は多岐に渡る。ファレル・ウィリアムスとはデビュー以来親交を深めてきたが、ニューアルバム『Bush』でこの最強タッグが再び実現! ポップでカラフルな新しいSnoop Doggの魅力が存分に詰まった、今春一番の注目作だ。

ファレル・ウィリアムス

シンガー、ソングライター、プロデューサーとしてはもちろん、ファッション / カルチャーアイコンとしても世界にその名を知らしめる、スーパーマルチアーティスト。プロデューサーユニット「The Neptunes」のメンバーとして10代の頃からプロデュース業に関わり、2001年に自身がプロデュースしたブリトニー・スピアーズのシングル“I'm a Slave 4 U”が、初のチャート1位を獲得。2013年には、同年最大のヒット曲となったDaft Punk“Get Lucky”とロビン・シック“Blurred Lines”の両楽曲ほか、全米アルバムチャート1位を獲得したビヨンセ、Jay-Z、マイリー・サイラス等の楽曲も手掛け、『第56回グラミー賞』では「最優秀プロデューサー賞」他、Daft Punkと共に主要2部門(「最優秀レコード賞」「最優秀アルバム賞」)を含む計4冠を獲得(計11冠)。2014年、8年ぶりのソロアルバム『G I R L / ガール』をリリース、ミュージックビデオの試聴回数が6億6千万回を突破したシングル“Happy”は、全米シングルチャート10週連続1位を記録し同年の年間チャート1位に。アメリカだけでなく日本、イギリスでも年間チャート1位を記録し、世界中でハッピー旋風を巻き起こした。『サマーソニック2015』にヘッドライナー出演。

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