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「すべてをのみこんで吐き出す」カイブツ木谷友亮インタビュー

「すべてをのみこんで吐き出す」カイブツ木谷友亮インタビュー

インタビュー・テキスト
阿部美香
撮影:永峰拓也 企画協力:アドビシステムズ
2015/08/25
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昨秋、上野の森美術館で開催された『進撃の巨人展』の手描きポスターや、巨人風似顔絵を生成できる「巨人モンタージュ」の制作、『井上雄彦 最後のマンガ展』のアートディレクションから実物大の操縦可能ロボット「クラタス」のプロデュースまで、広告やデザインにとどまらず幅広い領域で活躍するクリエイティブチームが、株式会社カイブツだ。その発想の源を担うのは、『カンヌ国際広告祭』『ロンドン国際広告賞』『ニューヨークADC』など世界の広告賞で実力を認められる木谷友亮。その木谷&カイブツが、現代クリエイターの必須ツール「Adobe Creative Cloud」のイメージムービーを手がけた。そこに登場するのは、世界の色のすべてを飲み込み、吐き出し、新たな世界を生み出した『色を喰うアクマ』というキャラクター。その可愛らしくもエネルギーに満ちた姿は、これまでキャリアを重ねてきた木谷が、クリエイターとしての人生を振り返り、今後の野望を投影した姿だという。制作に込めた想いを聞いた。

時間をかけたものを作ることで、見た人が瞬間的に心を動かされるような表現をめざしたかったんです。

―木谷さんは、6月に開催された『Adobe Live 2015』にゲストスピーカーとして登壇され、今回「Adobe Creative Cloud」(アドビが提供するIllustrator、Photoshopなどのすべてのクリエイティブ製品を利用できる年間契約サービス)のリリースを機に、イメージムービーの制作を手がけられました。デザイナーとしてキャリアをスタートされた木谷さんにとって、アドビ製品はとても身近なツールといえますね。

木谷:僕は大学を卒業してから22歳でデザインの専門学校に入り直してデザイナーになったのですが、当時からずっとアドビのソフトを使っています。なので今回のムービーでは、クリエイターとアドビの深い関係性を表現したいと考えたんです。Adobe Creative Cloudを紹介する役割を担ったムービーではありますが、あえてサービスに直接的に言及するような内容にはしていません。PhotoshopやIllustratorなどのAdobe Creative Cloudの機能はあくまでも制作ツールとして使いながらも、インパクトのある「ビジュアル表現」と、僕自身のクリエイターとしての「物語」を込めることで、作品からもの作りの精神性が伝わればいいなと思いました。

―今回の『色を喰うアクマ』というムービーは、10人のクリエイターのアニメーションを繋げて、1匹のアクマの一生を表現しています。複数のクリエイターに参加してもらうことに決めたのはなぜですか?

木谷:Adobe Creative Cloudは、世界中のクリエイターに多様な使われ方をしているツールですから、1つの表現にこだわりたくなかったんです。今回、ディレクションを務めてくれた山川裕史監督とは、「繊細な絵が描ける人を集めて、できるだけ細かく表現してもらおう」と話していました。

木谷友亮
木谷友亮

―Adobe Creative Cloudといえばデジタルの印象が強くありますよね。あえて手描きのアニメーションにこだわったのはなぜですか?

木谷:見た人が瞬間的に「すごい!」と心が動かされるような表現をめざしたかったんです。PCでパッと描くのではなく変態的に時間をかけたものを作ることで、言葉では表しづらい「深み」を表現できるのではないかと考えたので。

―カイブツは『進撃の巨人展』のロゴやポスターをすべて手描きで制作されたことで、話題を呼んでいましたよね。『色を喰うアクマ』も、メイキング映像を拝見すると、テレビアニメの制作現場のようにアニメーションタップを使って、1枚ずつ作画されていて驚きました。

『進撃の巨人展』ポスタービジュアル
『進撃の巨人展』ポスタービジュアル

木谷:そうですね。手描きのパートは、1枚ずつ紙に描いてPCに取り込み、アニメーションさせています。僕も、冒頭に出てくる「瞳」のアップのシーンの一部を手描きしたのですが、あのシーンは細かすぎて、最後は全員総出で線を描き込んでいました。「とにかく線がたくさん欲しいんだ! みんな、力をくれ!」と、まるで元気玉状態でした。



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作品情報

『色を喰うアクマ』

2015年8月25日(火)公開
監督:山川裕史(Spoon.)
企画:木谷友亮(カイブツ)
音楽:高木正勝
プロデューサー:石橋健太郎(Spoon.)
企画制作:東急エージェンシー / TOTB カイブツ Spoon.

Adobe Creative Cloud

アドビ社の提供するすべてのクリエイティブ製品(アプリケーション)を利用できる年間契約サービス。 すべての製品はバージョンCC(クリエイティブクラウド)となり、ダウンロードしてインストールできるほか、更新された新機能はオンラインを通じてソフトウェアをアップデートすることで利用可能。さらに、ファイル共有、共同作業、配信に役立つ各種オンラインサービスにもアクセスできる。2013年8月15日より単体製品のみの購入プランが加わり、業務に必要なアプリケーションが限定されている場合には、通常版よりコストを抑えることができる。

プロフィール

木谷友亮(きたに ゆうすけ)

1976年千葉県生まれ。工業高校~大学機械工学科~デザイン専門学校卒業。グラフィック広告の制作会社アドブレーンに入社。電通IC局への出向を経て、2005年独立。2006年株式会社カイブツを設立。

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