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RIP SLYMEに訊く、エロいのに爽やかでいられる「適当」な美学

RIP SLYMEに訊く、エロいのに爽やかでいられる「適当」な美学

インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:森山将人
2015/10/02

アルバムとしては約1年10か月ぶりとなる、RIP SLYME通算10枚目のアルバム『10』が完成した。4MCの個性が活かされた振り幅の広い楽曲が計15曲収録されており、ヒップホップをポップフィールドに押し上げてきた、まさしく「リップならでは」のポップネスが随所に感じられる本作。しかし、結成26年にもなる彼らが、改めて「リップらしい」作品を作り上げるまでの道のりは、思いのほか険しかったようだ。というか、そもそも我々が思う「リップらしさ」、そして彼ら自身が思う「リップらしさ」とは何なのか?

前回のCINRAのインタビューで、PESが「今まで通りにやっていてもダメだ」という問題意識を語るなど、グループとしてもひとつの節目となるであろう本作を機に、彼らのキャラクターからしか生み出すことのできないポップネスと、エロもシリアスも包括できてしまう特異性について、メンバー五人と考えてみた。

(リップらしさとは)キャラクターとバラエティーだと思います。つまり、ドリフだね(笑)。あるいはディズニーランド。(PES)

―前回のインタビューで、『10』が完成するまで「ずっと曲を作り続ける期間を過ごしてた」とおっしゃっていましたが、これまでのアルバム制作とはかなり違うプロセスだったのでしょうか?

RYO-Z:そうですね。前のアルバム(2013年リリース、『GOLDEN TIME』)を作り終えた後から、とにかくすごい量のデモテープを作ったし、途中で合宿に行ったりもしてました。1年10か月ぶりのアルバムって言ってますけど、ホントに1年10か月ぐらい、ずーっと作り倒していて。

SU:今回は、長かったね……。

―ということは、FUMIYAさん(今作では15曲中14曲のトラックメイキングを担当)は、この2年ぐらいのあいだ、相当な数の曲を作ってた?

DJ FUMIYA:ずーっと作ってました(笑)。今回はアルバムの完成形が見えないまま、とにかくいろいろなタイプのオケを作っていましたね。

―その結果、自由度がさらに増したと同時に、これまで通りのオリジナリティーも確実にあるアルバムに仕上がったと。アルバムを聴いて、僕も「ああ、リップっぽいな」と思いました。

RYO-Z:これまでとはまた違うポップネスを目指してやっていこうって考えて、スタッフも交えながら何度も何度もディスカッションを重ねていたんですけど、やればやるほど見えなくなるというジレンマもありつつ(笑)。

左から:PES、RYO-Z
左から:PES、RYO-Z

―(笑)。それは楽曲単位の話ですか?

RYO-Z:楽曲単位でもそうでしたし、全体的なムードとしてもですね。今回は、在日ファンクやchayをフィーチャリングに迎えたり、いしわたり(淳治)さんに1曲プロデュースしてもらったり、メンバー以外の人に作詞に入ってもらったりと、新たなトライもいろいろしているんですよね。そういった意味で、これまでとは違う僕らを演出してもらったり、引き出してもらったりしたところもあったとは思うんですけど、アルバムとして曲を並べてみると、すごく僕らっぽくなっているというか。いろいろチャレンジしながらも、結局「僕らは僕ら」というところに落ち着いていたんじゃないですかね。

―その「リップらしさ」って何だと思います?

RYO-Z:猥雑な感じじゃないですか(笑)。とりわけメッセージもないですし、ガチャガチャしてるというか。

PES:あとは、キャラクターだとも思うけどね。曲をやったときに、それぞれのパーソナリティーが少しでも浮かぶような感じというか。まとまったハーモニーがどうとか、そういうことではないですよね(笑)。キャラクターとバラエティーだと思います。

ILMARI:ドリフだ(笑)。

左から:ILMARI、PES
左:ILMARI

PES:まあ、ドリフだね(笑)。あるいはディズニーランド……いろんなキャラクターやアトラクションがあるけど、全体のバランスはちゃんとしてる。それに、怖いって言っても、ホーンテッドマンション止まりで、言うほど過激じゃないというか(笑)。

―なるほど。FUMIYAさんは「リップらしさ」について、どう思いますか?

DJ FUMIYA:オケのほうであまり盛らない、というのはひとつテーマとしてあって。MCが四人いるので、あまり音を盛ってしまうと、ちょっと曲が濃くなりすぎるんですよね。だから音にラップが乗ってる感じというよりかは、ちゃんと混ざっている感じを意識してる。そうじゃないと、聴いててすぐ飽きるんです。

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リリース情報

RIP SLYME『10』(CD)
RIP SLYME
『10』(CD)

2015年9月30日(水)発売
価格:3,240円(税込)
WPCL-12240

1. Powers of Ten
2. ピース
3. POPCORN NANCY(Album ver.)
4. KINGDOM
5. だいたいQuantize
6. いつまでも
7. 青空
8. 気持ちいい for Men
9. TIDE
10. Happy Hour
11. JUMP with chay
12. Vibeman feat.在日ファンク
13. メトロポリス
14. この道を行こう
15. 時のひとひら
※初回プレスはデジパック仕様

イベント情報

『RIP SLYME “Tour of Ten”』

2015年10月30日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:千葉県 市川市文化会館 大ホール

2015年11月2日(月)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:神奈川県 神奈川県民ホール 大ホール

2015年11月3日(火・祝)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:静岡県 静岡市民文化会館 大ホール

2015年11月12日(木)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:兵庫県 神戸国際会館こくさいホール

2015年11月14日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:広島県 広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)

2015年11月15日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:愛媛県 松山氏民会館 大ホール

2015年11月23日(月・祝)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:茨城県 茨城県民文化センター 大ホール

2015年11月27日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:北海道 わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)

2015年11月29日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:宮城県 仙台サンプラザホール

2015年12月5日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:石川県 金沢本多の森ホール

2015年12月6日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:新潟県 新潟県民会館 大ホール

2015年12月15日(火)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:岡山県 倉敷市民会館

2015年12月17日(木)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:熊本県 市民会館崇城大学ホール(熊本市民会館)

2015年12月19日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:福岡県 福岡サンパレスホテル&ホール

2015年12月21日(月)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:大阪府 大阪フェスティバルホール

2015年12月22日(火)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:大阪府 大阪フェスティバルホール

2015年12月26日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:愛知県 名古屋 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館)

2015年12月27日(日)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:愛知県 名古屋 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館)

2016年1月9日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 九段下 日本武道館

2016年1月10日(日)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:東京都 九段下 日本武道館

料金:各公演 前売7,500円

プロフィール

RIP SLYME(りっぷ すらいむ)

RYO-Z、ILMARI、PES、SU、DJ FUMIYAからなる4MC&1DJヒップホップユニット。1994年に結成。2001年3月にシングル『STEPPER'S DELIGHT』でメジャーデビュー。幅広い層に親しまれる洗練された独自のポップセンスと、コアなリスナーをうならせる高次元で織り成されるラップのかけ合いを両立させたサウンドが魅力。国内のヒップホップユニットとして初めての日本武道館ワンマンライブを行い、日本にヒップホップ文化を広く浸透させる。2015年9月30日、待望の10thアルバム『10』をリリース。

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