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イベント趣旨も、儲けもない。それでも9年続く沖縄フェスの実態

イベント趣旨も、儲けもない。それでも9年続く沖縄フェスの実態

『Sakurazaka ASYLUM 2016』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:永峰拓也

『Sakurazaka ASYLUM』は、「非日常」だけを閉じ込めているフェスではないと思うんです。それぞれの日常の部分も共有できたらいいなと思う。(タテタカコ)

―話を聞いていると、コンセプトありきであるとか、音楽性ありきであるというよりも、結局人間力と人間力で繋がっているユニークなイベントのようですね。

タテ:わしも実際沖縄に行くのは年に数回だけなんですけど、1年に1回ここで顔を見て確かめ合うのがいいんですよね。『Sakurazaka ASYLUM』は、「非日常」だけを閉じ込めているフェスではないと思うんです。アーティストとお客さんだけでなく、地元の人たちも含めて、みんなの生活の地続きのところにこの2日間がある。だから、それぞれの日常の部分も共有できたらいいなと思います。とにかく、垣根がないんですよ。「非日常」や「日常」の区切りがないということもそうですけど、この場所には、音楽もアートもマルシェも区切りなくある。だからそれぞれの楽しみ方を見つけてもらえたらいいなと思いますね。小さい街ながらも、一人ひとりの楽しみ方とか受け取り方が、きっとできるんじゃないかなって。

―興味の持ち方は、人それぞれで構わないと。

タテ:そうですね。やっぱり、2016年でしか起こらないことばっかりが、そこで行われているわけだから。そこで何が観られるかわからない、何を感じるかわからないというところを楽しんでいただきたいです。かつて野田さんがわしに言ったみたいに、『Sakurazaka ASYLUM』にいる人たちと話をしてみたら、自分が知ってるものじゃないものを持ってる人との巡り合わせがきっとあると思うんですよ。

左から:野田隆司、タテタカコ

―インターネットなどで、さまざまな情報が飛び交う中、ここに来なければわからない人生の価値観、感じられない体験が、きっとあるはずだと。

タテ:そうですね。やっぱりライブというのは「気持ちの交換」なんですよ。わしが一方的に歌うだけで終わるのではなくて、何か目に見えないものをお客さんと交換させていただいているんじゃないかって、最近よく思うんです。だから、『Sakurazaka ASYLUM』というフェスの中で、いろんな価値観とか意見とか感動とかを交換し合えたらいいですよね。そういう素敵な瞬間がきっとあると思います。

野田:もちろん、お目当てのアーティストというか、ラインナップありきで来る人もいるとは思いますけど、ここ数年はわりとラインナップ発表前の早割の段階でチケットを買ってくれる人もいて。ある程度イベント自体を信頼してくれている人が増えてきているんじゃないかと思っています。

―音楽ライブ以外にもいろんなイベントがありますから、音楽ファン以外の人も来やすいですよね。

野田:そうですね。各所で動いてくれているメンバーから出たアイデアの中から、形にできるものは全部形にして、風呂敷を広げたみたいな感じになってきているんですけど、どれも非常に面白いというか、どれを観ても損はないと思うんですよね。

タテ:こんなに会場が増えたのは、地元のみなさんが提案してくださったことがきっかけでもあるんですよね。

―会場マップを見ると、喫茶店でのライブとかも混ざっていますね。

野田:他の完全にオーガナイズされたフェスとは違うので、運営的にはホント人手もギリギリのところでやっているんですけど、ちゃんと人の手で作られている感じはすごくあると思います。あんまり立派な感じはしないかもしれないけど、そのあたりを楽しんでもらえたら嬉しいですよね。あと、その頃はちょうど、沖縄の桜がいちばん見頃になっていると思うので、花見がてら軽い気持ちで来ていただいても全然構わないと思っています。

タテ:いろんな人生の価値観に触れるチャンスというのは、もちろんステージと客席という場所にもあるんですけど、『Sakurazaka ASYLUM』では全体を通して垣根なくあるというか。ここに参加する全員が、情熱を傾けている場だと思いますね。

左から:野田隆司、タテタカコ

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イベント情報

『Sakurazaka ASYLUM 2016』

2016年2月13日(土)、2月14日(日)
会場:沖縄県 那覇 桜坂周辺会場
出演:
アイリッシュ音楽団nina
浅草ジンタ
足田メロウ
アライヨウコ
ARAGAKI REI
新良幸人withサトウユウ子
ALKDO/アルコド(TURTLE ISLAND acoustic)
eastern youth
石原岳
伊藤せい子
イヌガヨ
内郷げんこつ会
MCウクダダとMC i know
element of the moment
遠藤ミチロウ
Os ネコジャラシス
岡山健二

乙黒信
Orkestar de VICCOS
caino
Kazuya Matsuzaki
勝井祐二
Kamon
ぎすじみち
キセル
木村華子
ギャーギャーズ
ぐりもじゃ・サスケ
コサック魔夜
小西博子
小南泰葉
SAKISHIMA meeting(新良幸人×下地イサム)
SAVA
the you
the LOW-ATUS(細美武士、TOSHI-LOW)
地獄車
羊歯明神(遠藤ミチロウ、山本久土、石塚俊明)
勢理客オーケストラ
下地イサム
奢る舞けん茜
Dugong Dugon
jujumo
Shota
しょーしょー
SHOCKING桃色
SLANG
∞Z
sonoray
高江フラ
高良結香
タテタカコ
ぢゃん
tea
tidanomiyuki
Tulegur
TOSHI-LOW
トラダフジコ
ナカハジメ
中村いぶき
仲村颯悟
ナマケモノ
南部マンゴーパーティーズ
2源色
HA~HA
ハシケン
BUTTERCHEEZE ROLL
8bit
かおり
HARAHELLS
HITO SAJI
ヒカリトカゲ
viridian
fasun
funnynoise
Predawn
ヘアンナケンゴ
外間建次
真喜屋志保
松崎ナオ
マルチーズロック
ミーワムーラ
三ヶ田圭三
むぎ(猫)
MOROHA
やちむん刺激茄子
山田真未
山本久土
Yugen
YUMIMPO*
ヨシムラタカシ
リコーダーズ
RITTO
料金:
1日券 前売4,000円 当日4,500円
2日通し券 前売7,000円

プロフィール

タテタカコ
タテタカコ

ピアノと歌だけで様々な音楽ジャンルを内包した表現をする異色のシンガーソングライター。全国を渡り歩きながら年間100本を超えるライブを行うかたわら、映画、CM等への楽曲提供も数多くしている。2004年、カンヌ国際映画祭受賞作品『誰も知らない』(是枝裕和監督)に楽曲“宝石”を提供し注目を集める。同年1stアルバム『そら』でデビュー。以降、全国各地で精力的にライブを行う。日本国内にとどまらず海外でのライブ活動も積極的に行っており、これまでに、カンボジア、台湾、フランスでライブを行っている。東日本大震災以降、人の繋がりの大切さを再確認し、自身も企画、運営に携わっている沖縄の街フェス『ASYLUM(アサイラム)』を福島県で開催することを決意。2012年3月10日、11日に福島県で音楽イベント『ASYLUM2012 in Fukushima』を開催。タテタカコの呼びかけで多くの人気アーティストが参加し大盛況の結果となった。現在も東日本大震災の被災地に住む人々との繋がりを大切にし、被災地での音楽活動を頻繁に行っている。国立音楽大学音楽教育学科卒。長野県飯田市出身・在住。

野田隆司(のだ りゅうじ)

長崎県佐世保市出身。ハーベストファーム代表。沖縄屈指のカルチャー発信スポット「桜坂劇場」のプロデューサー。編集・ライティング業務や、高良結香・小林真樹子のマネジメントも行う。

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