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EGO-WRAPPIN'とクラムボンの男達、20年連れ添った女性を語る

EGO-WRAPPIN'とクラムボンの男達、20年連れ添った女性を語る

EGO-WRAPPIN'『ROUTE 20 HIT THE ROAD』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:森山将人 編集:野村由芽

ジャズや昭和歌謡に影響を受けたオリジナリティー溢れる楽曲と、その圧倒的なライブパフォーマンスによって、フェスはもちろん、ドラマの主題歌など、さまざまな場所で唯一無二の輝きを打ち放ってきたバンド、EGO-WRAPPIN'(中納良恵 / 森雅樹)。その彼らが、今年結成20年を迎える。それを記念したバンドのオフィシャルページでは、映画監督や俳優などさまざまな著名人が惜しみない賛辞を贈る中、キャリア的にも世代的にも、EGO-WRAPPIN'とほぼ同期と言って差し支えないバンドがいる。同じく1995年に結成し、先頃20周年を迎えたばかりの3ピースバンド、クラムボンだ。

大阪と東京、クラブジャズとポップミュージック――まったく異なるコンテクストの中で生まれながら、結成当初からブレのない一貫した音楽を追求していること、記名性の高い女性ボーカルを擁していることなど、実は共通点も多いように思われるこの2バンドの対談が実現。20年という決して短くはない歳月の中で、彼らはお互いのバンドをそれぞれどのように見てきたのだろうか? そして、20年を迎えた今、彼らはどんな場所に立っているのだろうか? 時代を並走し続けてきたEGO-WRAPPIN'とクラムボンの対談を男性編・女性編の2回にわけて実施。まずは、その「音楽性」において鍵を握る二人――EGO-WRAPPIN'の森雅樹(Gt)とクラムボンのミト(Ba)の対談をお届けする。

当時エゴを見て「自分たちは、こんなにしっかりコンセプトを持った音楽はできないな……」って、ちょっと落ち込みました。(ミト)

―EGO-WRAPPIN'とクラムボンはほぼ同期とのことですが、お互いのバンドについてどんな印象を持っていましたか?

ミト:たぶん『色彩のブルース』(2000年)だったと思うんですけど、当時HMV渋谷にエゴのアナログ盤が面出しで置いてあって「うわっ、おしゃれだな!」って。今は復活してきていますけど、当時アナログを出すことはすごくステイタスがあったんですよ。私たちもアナログを切りたかったんですが、やっていることがポップミュージックだったので、なかなか難しくて。当時エゴを見て、「自分たちは、こんなにしっかりコンセプトを持った音楽はできないな……」って、ちょっと落ち込んだ記憶があります。だからエゴに対しては、ある種あこがれみたいな気持ちがあったんですよ。

左から:森雅樹、ミト
左から:森雅樹、ミト

:ホントですか? 僕らはビッグバンドというか、ホーンセクションなども使いながら、スタンダードな音楽を消化して演奏するようなスタイルで、ある意味イメージしやすいバンドなんです。でもクラムボンは他の誰とも違う独特のオリジナリティーがありますよね。

ミト:クラムボンは、思いついたらやるだけのバンドなので、全体的にとっ散らかっているし、それが許されるジャンルがポップミュージックしかなかったんです。そのシーンの中でも浮いているんですけど(笑)。

:でも、クラムボンはいい浮き方だと思いますよ。そうやって自由なイメージを持たれているのはうらやましいです。

ミト:え、ウソでしょう……?

:僕らは昭和っぽいとかジャズっぽいとか……探偵ドラマの音楽とか言われやすいので。

ミト:ああ、なるほど。ただ、僕らは自由にやり過ぎることで、固定ファンにすら裏切られたと思われることもあって。自分たちはそうは思っていないんですけど、説明や受け渡し方をすっ飛ばして、作品しか作ってこなかったんですよね。だから、エゴみたいにパッと見てすぐにカラーがわかるのは、一番ポップなアプローチだと思います。

―どちらのバンドも「ポップ」ではあるけれど、その方法論が違うというか。

ミト:まあ、きっとうちらが間違っているんでしょう(笑)。そういう「括り方」の解釈を間違えながら20年やってきてしまったので。だから、いまだに自分のバンドの居心地が悪いですもん(笑)。

:(笑)。でも、そういうところがいいと思うんですけどね。クラムボンのライブを見ているお客さんって、ちょっと絵画を見ているような感じがあるじゃないですか。じっくり鑑賞しているというか。それはきっと、そこに芸術性があるからやと思うんです。

ミト:そうなんですかね。基本的には、ゆるふわバンドでいたいんですけど(笑)。

僕はやっぱり、よっちゃん(中納良恵)とやり始めたことが、すごく大きかったと思います。(森)

―それぞれのバンドの出発点について、改めて教えてもらえますか?

:僕はやっぱり、よっちゃん(中納良恵)とやり始めたことが、すごく大きかったと思います。その前からバンドはやっていたんですけど、単なる遊びにすぎなかった。でも、よっちゃんと会ってから、こういう音楽をちゃんとやってみたいなと思うようになって。よっちゃんに乗っかっていった感じですよね(笑)。

EGO-WRAPPIN'
EGO-WRAPPIN'

―何か中納さんに喚起されるところがあったのですが?

:んー、そんな大それたものじゃないですけど、それまでは男の子と一緒にバンドをやっていたんですけど、男同士でやるときって「ガレージやるぞ!」とか「今度はスカでいくぞ!」とか、どこか一辺倒になることが多かったんですよね。だけど、よっちゃんとやるなら、何か一つだけに絞るのはもったいないんじゃないかと思って。二人ともいろいろな音楽を聴くのが好きやったし、レコードもよく聴いていたので、「こういう感じのやる?」「これもいいんじゃない?」って言いながら、今みたいな感じになっていったというか。

ミト:私たちの場合、聴いている音楽はみんなバラバラだったし、音楽の話はほとんどしたことがなかったですね。同じ音楽専門学校に通っていて、そのクラスでバンドをやる授業があって、たまたま一緒にやり始めたのが今の三人だった。それを毎月やるたびに良いって言われて、卒業する前に外でやってくれって言われて、今の原型ができています。だからクラムボンは、自分たちでバンドを組みたいなんて、ひと言も言ったことがなかったんですよ(笑)。

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リリース情報

EGO-WRAPPIN'『ROUTE 20 HIT THE ROAD』通常盤
EGO-WRAPPIN'
オールタイムベスト&カバーアルバム
『ROUTE 20 HIT THE ROAD』通常盤(3CD)

2016年4月20日(水)発売
価格:3,996円(税込)
TOY'S FACTORY / TFCC-86547

[太陽盤]
1. love scene
2. くちばしにチェリー
3. GO ACTION
4. a love song
5. 天国と白いピエロ
6. 満ち汐のロマンス
7. Dear mama
8. human beat
9. 10万年後の君へ
10. サイコアナルシス
11. BRAND NEW DAY
12. サニーサイドメロディー
※デジタルリマスタリング
[月盤]
1. 水中の光
2. かつて..。
3. 色彩のブルース
4. Neon Sign Stomp
5. Nervous Breakdown
6. アマイ カゲ
7. 下弦の月
8. admire
9. Fall
10. 雨のdubism
11. BYRD
12. inner bell
※デジタルリマスタリング
[星盤]
1. 異邦人
2. Move on up
3. Inbetweenies
4. 曇り空
5. Fever
6. 謎の女B
7. What's Wrong With Groovin'
8. ZIGGY STARDUST
9. By This River
10. さよなら人類

イベント情報

クラムボン
『clammbon 2016 mini album 会場限定販売ツアー』

2016年5月12日(木)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

2016年5月16日(月)OPEN 18:15 / START 19:00
会場:大阪府 BIG CAT

2016年5月17日(火)OPEN 18:00/ START 19:00
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

料金:各公演 2,500円(1ドリンク別)

プロフィール

森雅樹(もり まさき)

1974年、大阪生まれ。ギタリスト。1996年に中納良恵(Vo、作詞作曲)とともにEGO-WRAPPIN'を結成。関西を中心に活動を続けたのち、現在は拠点を東京においている。2000年に発表された“色彩のブルース”は、戦前のジャズから自然に行き着いたキャバレー音楽や昭和歌謡を消化し、エゴ独自の世界観を築きあげた名曲として異例のロングヒットとなり、その名を全国区で知られるようになる。2002年にはドラマ『私立探偵 濱マイク』の主題歌に“くちばしにチェリー”が採用された。2016年にバンド結成20周年を迎える。

ミト

1975年、東京生まれ。93年に福岡出身の原田郁子(Vo,Pf)と東京で育ったミト(Ba)、そして札幌出身の伊藤大助(Dr)の三人が、同じ専門学校で出会う。95年にクラムボンを結成。クラムボンのバンドマスターとして、ベース、ギター、キーボード他を担当。99年、シングル『はなれ ばなれ』でメジャーデビュー。2015年にバンド結成20周年を迎え、3月には、9枚目となるオリジナルアルバム『triology』をリリース。その後メジャーレーベルを離れ、自身のレーベル「トロピカル」よりツアー会場を中心に販売されるミニアルバム『モメントe.p.』をリリース。デビュー以来クラムボンの楽曲は、ほぼ全てミトによるものであり、自身のバンド以外にも、楽曲提供・演奏参加、プロデューサー、ミックスエンジニアとして、多くのミュージシャンを手がける。

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ただシャムキャッツの四人がフラットに存在して、音楽を鳴らしている。過剰な演出を排し、平熱の映像で、淡々とバンドの姿を切り取ったPVにとにかく痺れる。撮影は写真家の伊丹豪。友情や愛情のような「時が経っても色褪せない想い」を歌ったこの曲に、この映像というのはなんともニクい。(山元)