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デビュー20年のTravisに学ぶ、良好な人間関係を持続させる秘訣

デビュー20年のTravisに学ぶ、良好な人間関係を持続させる秘訣

Travis『Everything At Once』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:森山将人 編集:山元翔一
2016/04/28

Travisといえば、「UKロックの良心」と称されるほど、数多くの名曲を生み出してきたバンドである。ボーカル&ギターのフラン・ヒーリィは常々、「たとえバンドがなくなっても、楽曲さえ残ってくれればそれでいい」と公言するほどの「楽曲至上主義者」。そのため、1990年代のUKロックを象徴する国民的バンドであり、大型フェスのヘッドライナーを務めるほどの存在であるにもかかわらず、なんとなく「地味」な印象を持つ人も少なくないはずだ。しかし、そんな実直さこそが彼らの最大の魅力であり、「我こそはロックスター」とばかりに偉ぶるところなど微塵もないからこそ、多くの音楽ファンに愛され続けてきたのである。

今回の取材は、ヘッドライナーとして出演した『Hostess Club Presents Sunday Special』の翌日に敢行。夏には『FUJI ROCK FESTIVAL '16』での再来日も決まっている彼らに、前身バンド時代から振り返ってもらいながら、新作や曲作りの「極意」まで、たっぷりと語ってもらった。

僕の楽曲至上主義は、「俺のことを見ろ!」なんていう自己顕示欲が必要ないくらい、自分たちの楽曲に自信があることの表れなんだと思う。(フラン)

―昨夜のライブは、相変わらずアットホームな雰囲気で最高でした。アンコールの“Flowers In The Window”は、マイクを通さず生声&生アコギで披露していましたが、ステージとオーディエンスとの垣根を壊すようなこのパフォーマンスは、いつ頃から始まったのでしょうか。

フラン(Vo,Gt):たしか15年くらい前だったかな。ライブ中に会場のPA機器が故障してしまったことがあってね。オーディエンスはざわついたんだけど、「僕らはギターと歌さえあれば演奏できるし、PAがなくても問題ないじゃん」と思って、その場でマイクを通さず歌ってみたんだ。それがすごく楽しくて、それ以降こういうパフォーマンスを何度かやってきたんだよ。

右:フラン・ヒーリィ
右:フラン・ヒーリィ

ダギー(Ba,Vo):ライブという場では基本的に、PA機器を通してスピーカーから音を鳴らしたフルバンドのパワフルな演奏を聴かせるんだけど、マイクなしの生声スタイルっていうのは、ある意味ではフルバンドよりも説得力があるんじゃないかって思うんだ。まあ、せいぜい1曲くらいしかできないけどね。

フラン:イベントが終わったあと、共演したジョン・グラントとも楽屋で話してたんだけど、ライブにとって「いい演奏」や「いい歌」はもちろん大切な要素だけど、記憶として強烈に刻み込まれるのは、ちょっとしたアクシデントとか一瞬のサプライズとかなんじゃないかなって思うんだよ。昨夜の“Flowers In The Window”みたいなパフォーマンスは、きっと多くの人の心に残ると思うから、やってよかったんじゃないかな。

―そういう気さくな姿勢や、フランの楽曲至上主義的な考え方は、グラスゴー出身ということも関係しているんでしょうか。例えばTeenage FanclubやMogwaiなど、同じようなアティチュードのバンドが多い気がします。

フラン:そうだなあ、グラスゴーの環境がそうさせたかどうかはわからない。まあスコットランド人は、ときにはそれが欠点となるくらい「謙虚」だとは思うけれどね(笑)。ただ、僕の楽曲至上主義は少なくとも僕の人生経験の中から学び取ったものじゃないかな。要は、「俺のことを見ろ!」なんていう自己顕示欲が必要ないくらい、自分たちの楽曲に自信があるっていうことなんだと思う。

ニール(Dr):やはり最終的に残るのは、曲やメロディーなんだと思うよ。例えばラジオだとかステージとかそういうのは、音楽を届けるための手段であってさ。

ダギー:僕らのアルバムに『The Invisible Band』っていうタイトルがあるけど、本当にそれが理想なんだ。

左から:ダギー・ペイン、ニール・プリムローズ
左から:ダギー・ペイン、ニール・プリムローズ

フラン:それともう一つ、ミュージシャンっていうのは、郵便局員や医者、弁護士、あるいは清掃員と同じように、人に奉仕する職業だと思うんだよね。ライブを観た人たちに、その間だけは日常の嫌なことを忘れて、楽しんでもらうために全力を尽くすというかね。だから、僕らは自分たちのことを「スター」だとか、「みんなよりも優れている」とか、そんなふうに思ったことは一度もない。確かに、ロック史の中でポップスターやロックスターも登場したけど、もっともっと遡っていけば、宮廷音楽家たちは奉仕する仕事だったわけだからね。

―デビュー前のあなたたちが、グラスゴーのスタジオでデモ音源を作っていたら、隣のブースでアレックス・チルトン(アメリカ出身のロックアーティスト)とTeenage Fanclubがレコーディングをしていて、気前よく機材を貸してくれたっていうエピソードが僕は大好きなんです。

フラン:ああ、そうそう。またそれがいい機材だったんだよね(笑)。

アンディー(Gt):彼らは本当に気さくで親切で感動したよ。そのあとデビューしてから出会った人たちもみんな、僕らを暖かく迎えてくれたから、「僕らも若いバンドには親切にしなきゃ」っていう気持ちにはさせられた。もし、最初に出会ったバンドがいけ好かない奴だったら、僕らの性格も変わってたかもしれないよね(笑)。

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リリース情報

Travis『Everything At Once』初回限定日本盤
Travis
『Everything At Once』初回限定日本盤(CD+DVD)

2016年4月29日(金)発売
価格:3,564円(税込)
HSU-12062/3

[CD]
1. What Will Come
2. Magnificent Time
3. Radio Song
4. Paralysed
5. Animals
6. Everything At Once
7. 3 Miles High
8. All Of The Places
9. Idlewild
10. Strangers On A Train
11. Sing (live)(ボーナストラック)
12. Closer (live)(ボーナストラック)
[DVD]
・フラン・ヒーリィが監督したアルバム収録曲に合わせた映像(合計約30分)を収録

リリース情報

{作品名など}
Travis
『Everything At Once』日本盤(CD)

2016年4月29日(金)発売
価格:2,592円(税込)
HSU-12060

1. What Will Come
2. Magnificent Time
3. Radio Song
4. Paralysed
5. Animals
6. Everything At Once
7. 3 Miles High
8. All Of The Places
9. Idlewild
10. Strangers On A Train
11. Sing (live)(ボーナストラック)
12. Closer (live)(ボーナストラック)

プロフィール

Travis
Travis(とらゔぃす)

フラン・ヒーリィ(Vo)、アンディー・ダンロップ(Gt)、ダギー・ペイン(Ba)、ニール・プリムローズ(Dr)による、スコットランドはグラスゴー出身、RadioheadやOasis、Coldplayと並び英国を代表するロックバンド。1997年『Good Feeling』でアルバムデビューを果たすと、99年ナイジェル・ゴドリッチをプロデューサーに迎えた2ndアルバム『The Man Who』をリリース。この作品が全英チャートの1位を獲得し、全世界で約400万枚のセールスを記録。3rdアルバム『The Invisible Band』(2001年)は全英チャート初登場1位、全世界で約300万枚を売り上げUKトップ・バンドとしての地位を確実なものとした。2015年11月に突如新曲“Everything At Once”のミュージックビデオを公開し、新作アルバムへ向けて動きだしていた。2016年7月10日に開催された『Hostess Club presents Sunday Special』にてヘッドライナーとして出演。『FUJI ROCK FESTIVAL '16』での再来日も決定している。

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