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『せか猫』永井監督×HARUHI対談「音楽は人間関係のブリッジ」

『せか猫』永井監督×HARUHI対談「音楽は人間関係のブリッジ」

HARUHI『ひずみ』
インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:豊島望 編集:山元翔一

いじめがあったときに、まわりの人に対する怒りを感じたんですけど、怒ってるだけじゃ意味ないなと思って、自分の気持ちを歌詞として書いてみたんです。(HARUHI)

―シングルは日本語詞が2曲、英語詞が2曲、全部で4曲入ってますよね。小林さんとの曲作りはどういう感じで進めていくんですか?

HARUHI:私が何かモチーフを持ってくるか、小林さんが「こういうテーマの曲を書きましょうか」って方向を決める感じかですね。そこから小林さんがコードを弾いて、「そのアレンジかっこいいですね」とか言いながら、メロディーを考えてみて。日本語の歌詞は小林さんと一緒じゃないと書けないですけど、一部分だけ英語に変えて自分で書くこともあります。歌詞の意味も深い部分まで小林さんと相談しながら作っていて、このメロディーにはこういう歌詞のほうがいいねとか、そんな話をしながら一緒に書いてますね。

―僕の世代からしたら、小林武史さんは神様みたいな人なので、意見なんて言えなそうです(笑)。

HARUHI:そこは、私が17歳でまだ頑固な部分もあるから、やらせてくれてるんだろうなと思います。“ひずみ”を歌ったときも何パターンかあって、「ここはこう歌ってもいいですか?」と言ったり、“あたたかい光”を書いたときも、「こっちのほうがいいと思います」と言ったり。話し合って作ったほうが、作品的にもいいものになると思うので。

―英語の曲はHARUHIさんがご自身で作詞作曲していますよね。こちらはいかがですか?

HARUHI:“Empty Motion”は14歳か15歳のときに書いた曲で、当時とはアレンジを変えているんですけど、初めて自分で納得できた曲なんです。歌詞の意味はそんなに深くないけど、自分に起きた話を使って書いた曲で。

―歌詞のなかには「my dear」、和訳だと「あなた」という言葉が出てきますよね。これは自分のことなんですか?

HARUHI:いじめがあったときにまわりの人に対する怒りを感じたんですけど、怒ってるだけじゃ意味ないなと思って、自分の気持ちを歌詞として書いてみたんです。だからちょっとキツいことも言ってて。この曲に関しては、そういうムカつく気持ちもあったし、自分のダークな部分やアグレッシブな部分を出してみたかったっていうのもあります。その「あなた」は、そのときの嫌な人のことですね。

―いじめというのは、自分がいじめられたということですか?

HARUHI:はい。まぁ、いじめられても関係ないですけどね。むしろこっちも話さないんです。学校では親友の二人以外は本当に関係ないくらいで。昔はみんなと友達になりたいと思っていたんですけど、いまはもう別にいいやと思ってて。

永井:インターナショナルスクールでしょ? 毎日みんなでパーティーやってるイメージだった。

HARUHI:そういう人が多すぎて、私はついていけないんです。「あの子はじつはあの子が好きじゃない」みたいなことが、すごいめんどくさいんですよ。

―強い精神力をお持ちなんですね。では、もう1曲の“The Lion is Calling Me”は、どんな曲なんですか?

HARUHI:これは自分で書いた曲のなかでは一番好きで。暗闇のなかにいる人が、ライオンの声を聞いて旅に出るんですけど、結局その声は自分のなかから流れていたっていうストーリーで。自分のなかの勇気みたいな気持ちを描きました。

―永井さんは、“ひずみ”以外の曲も聴かれました?

永井:はい。ただ、CDには入ってない、僕が初めて見たライブで1曲目にやっていた曲が一番好きなんですよ。「なんでCDに入ってないんですか?」って訊いたくらい(笑)。ちょっと大人っぽい曲で、僕くらいの年齢だと、あの曲を家で流しながらお酒を飲みたいですね。あれはなんて曲なの?

HARUHI:“Round And Round”っていう曲です。あれは13歳で最初に書いた曲で。

HARUHI

永井:えーっ、13歳で書いたの!?

HARUHI:はい。ずっとアレンジをいじってて、小林さんにも手伝ってもらって、最終的にできたのは15歳くらいのときでした。

永井:15歳でアレンジしたっていうのもビックリだね。

ちょっと見たことないタイプだから、このまま我が道を行ってほしいな。それで彼女が大人になったときに、また一緒に仕事ができたらと思いますね。(永井)

―永井さんはCMディレクターとして、HARUHIさんのCMを作るとしたら、どんなものにしたいですか?

永井:うーん……。でも、僕は思うんですけど、HARUHIちゃんは役者をやったほうがいい。

HARUHI:ええっ!?

永井:顔も小さいし、スタイルもいいから、役者やったほうがいいと思う。もちろん歌もやりながら。

―そういえばHARUHIさんは、ミュージカルの経験もあるんですよね?

HARUHI:最初にプロになりたいと思ったきっかけはミュージカルでしたね。でも、役者だと日本語が話せないから。

永井:いや、話せるじゃん。

HARUHI:英語の舞台ならいいかもしれないけど、日本語だと自信がないから。

左から:HARUHI、永井聡

―そういう理由であれば、うまく話せないほうができる役もありますよね。みんなで女優の道に引きこもうとしてるみたいですけど(笑)。

永井:でも、これからルックスや声がどういうふうに変わっていくのか、本当に楽しみなんですよ。

HARUHI:15歳の頃と比べて、もうすでに変わっているので、自分でも楽しみです。

―自分ではどういう道を歩んでいきたいと考えているんですか?

HARUHI:いま高校2年生なんですけど、卒業したらロスに戻って、音楽の勉強をしたいなと思ってて。やっぱりプロとして仕事するなら、ボーカルや曲の書き方をもっと勉強したいんです。そこから先は全然考えてないですけど、もちろん日本のプロジェクトは続けたいです。

永井:ミュージシャンになることは決めてるんだ。

HARUHI:はい。それは変わらず絶対。ロスでいいのか、日本に戻ってくるのか、ニューヨークとか全然違う場所に行くのか、何もわからないですけど、とにかく音楽で、歌いながら生きていければ。

―永井さんはHARUHIさんに、どんなアーティストに育ってほしいですか?

永井:もともとのイメージは、こんなにロックな感じの子ではなかったんですよ。むしろロックな曲は苦手とか、そういうタイプかと思っていたんです。ちょっと見たことないタイプだから、このまま我が道を行ってほしいな。それで彼女が大人になったときに、また一緒に仕事ができたらと思いますね。もちろん僕が監督で、彼女が音楽で。

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リリース情報

HARUHI『ひずみ』初回生産限定盤
HARUHI
『ひずみ』初回生産限定盤(CD+DVD)

2016年5月11日(水)発売
価格:1,500円(税込)
AICL-3104/5

[CD]
1. ひずみ
2. あたたかい光
3. Empty Motion
4. The Lion is Calling Me
[DVD]
・ひずみ Music Video

HARUHI『ひずみ』通常盤
HARUHI
『ひずみ』通常盤(CD)

2016年5月11日(水)発売
価格:1,200円(税込)
AICL-3106

1. ひずみ
2. あたたかい光
3. Empty Motion
4. The Lion is Calling Me

作品情報

『世界から猫が消えたなら』

2016年5月14日(土)からTOHOシネマズ渋谷、新宿バルト9ほか全国で公開
監督:永井聡
脚本:岡田惠和
原作:川村元気
音楽:小林武史
主題歌:HARUHI“ひずみ”
出演:
佐藤健
宮崎あおい
濱田岳
奥野瑛太
石井杏奈
奥田瑛二
原田美枝子
配給:東宝

プロフィール

HARUHI
HARUHI(はるひ)

1999年2月25日、ロサンゼルス生まれ。現在17歳。12歳のとき、学校のミュージカルの主役に抜擢され、数ヶ月間の練習と本番を経て歌手への志を持つ。13歳から楽曲制作を開始。ルーツミュージックからオルタナティブロックまで、膨大な幅の音楽を吸収し、即興性を含む柔軟で鋭敏な歌唱表現力や楽曲制作力は、関係スタッフに、次世代の真の女性アーティストの誕生を予感させる。その後、ライブやレコーディングで、ミュージシャン達とのコラボレーションを通して柔軟さを身につけ、楽曲によって英語と日本語のバランスを取りながら、自身のスタイルを確立する。映画『世界から猫が消えたなら』の主題歌に“ひずみ”が決定し、2016年5月11日デビューを果たす。

永井聡(ながい あきら)

CMディレクター。武蔵野美術大学を卒業後、映像コンテンツ制作会社・葵プロモーション(現AOI Pro)に入社し、数々のCMを監督する。ダイハツ工業やサントリー『グリーンDAKARA』のCMが評価され、全日本シーエム放送連盟(通称ACC)が主催するACC CM Festivalでクラフト賞テレビCM部門のディレクター賞を2012年と2013年の2年連続で受賞。2005年公開のオムニバス映画『いぬのえいが』の一編『犬語』でメガホンをとり、2013年、テレビCM業界を舞台にしたコメディ映画『ジャッジ!』で長編監督デビュー。2016年5月公開の川村元気原作による映画『世界から猫が消えたなら』で自身2作目となる長編監督を務める。

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