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メジャーは危ない? 意気揚々とデビューしたSANABAGUN.の葛藤

メジャーは危ない? 意気揚々とデビューしたSANABAGUN.の葛藤

SANABAGUN.『デンジャー』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子
2016/07/05

「売れねえじゃん」「どうすんだよ、これ」「ヤバイヤバイ」って、みんなテンションが下がってた。(高岩)

―昨年10月にメジャーデビュー作の『メジャー』を発表して、半年以上が経ったわけですが、ここまでの手応えをどう感じていますか?

高岩:『メジャー』に関しては、手応えはないですね。あれはあえてスタイルを変えずに、P-VINEで出したアルバムから地続きの音楽性でやらせてもらったんですけど、どうしても、メインストリームじゃない音楽ではあるし、そこまで需要がなかった。そして、Suchmos(櫻打(Key)と小杉(Ba)は、SANABAGUN.とSuchmosに所属)が売れてしまったという(笑)。

岩間:そうだね(笑)。

高岩:まあ、逆に1枚目で売れなくてよかったっすね。いろんなことを学べたので。

高岩遼

岩間:うん、あれで売れちゃってたら、ずっとビッグマウスのままだったと思う。俺らって、いきなり派手にメジャーデビューしたように見られてるかもしれないけど、これまで夏も冬も路上でやってきて、それが少しずつ結果になっての今なんで。メジャーに行っても、コツコツ積み重ねていくのがサナバらしいのかなって。僕らはまだ若いし、みんな馬鹿なんで、肌で勉強したことは覚えるんですけど、人に言われたことってなかなか聞かないんですよ。そういった意味で、1枚目の結果を肌で感じられたことで、自分たちの物差しができたなと思ってます。

―そんな中で、『デンジャー』には岩間くん作詞の“メジャーは危ない”という曲が入っていて、<結成3年 先は長ぇけど 今が1番みんなバラバラに感じるのは 俺だけですか?>とか<メジャーと呼ばれる皿の上 踊ってるようで踊らされて 結果や数字に脅かされてる>とか、かなり赤裸々なリリックになっていますね。

岩間:この曲はガチ過ぎて気持ち悪いなって自分でも思ってて、そもそもアルバムに入れる予定もなかったんです。1枚目が数字としては結果が出なくて、「次の作品からは業界を知ってる人たちとタッグを組んで、ディレクションを受けながら、一緒に制作しましょう」という話になったんですけど、今までは好き勝手にやりたいことをやれる環境でずっとやってきたもんだから、「つまんねえな」って思っちゃったんですよ。特に、今回自分のパートがあんまりなかったから、単純に暇だったし、それと同時にリリックが書けないスランプが来ちゃって。

―それって、メジャーデビュー後ですか?

岩間:そうです。メジャーって、リリースの3か月前に音源を完パケして、そこからはプロモーションとかキャンペーンが始まるから、リリックを書かない時期が長くなるんですよ。自分としては、そういう時期をインプットに使って、制作期間に入ったらアウトプットすればいいと思ってたんですけど、いざとなったら全然リリックが書けなくて。レーベルからの「こうしたらいいんじゃない?」ってアドバイスと、自分がやりたいことを摺り合わせようとしても、全然書けない。それでメンバーに話したら、「今一番言いたいことを書いてきなよ」と言われて、この曲ができたんです。

岩間俊樹

―当時感じていたことが、そのままストレートにリリックになったと。

岩間:自分はメンバーに本音で話をしないこともあって、そういうときは最初にも言ったように、ラップをツールとして使うことが多いんです。この曲は、発表するかどうかも考えず、自分の内側を書いただけで、「これを笑われたら、サナバやめよう」くらいに思ってて。でも、いざスタジオで歌ったら、たぶんみんな思ってたことは一緒だったんですよね。それで遼が「これ、アルバムに入れようか」ってボソッと言って、収録されることになった。

―実際、高岩くんは岩間くんのリリックを聴いて、どう感じたのでしょうか?

高岩:嫌な気しないって言ったら嘘になりますよね。<お前が作った最高のクルーを お前以上に大切にする>って、たぶん俺に宛ててるし、<岩間俊樹リッチ 知ったこっちゃねぇ>ってところは、最初<THE THROTTLE Suchmos 知ったこっちゃねぇ>だったんですよ(THE THROTTLEは、高岩が所属する別バンド)。

左:高岩遼

―バンドを掛け持ちしてるメンバーも多いから、そこで温度差が出てしまう危険性もあるわけですもんね。

高岩:まあ、サナバは才能豊かでヤンチャなやつらが集まってるもんですから、たまに「サナバ高校」に来なくなるときがあって、ちょうどそういう時期だったんですよね。意外とネガティブなやつも多いんで、思ってることが伝染したりもして、「売れねえじゃん」「どうすんだよ、これ」「ヤバイヤバイ」って、ちょうどみんなテンションが下がってたんです。そういう中で俊樹が、「キモいけど、書いてきたから発表します」って言って歌ったラップをみんなで聴いて、「うーん」ってなりつつ、でもその通りだから腑に落ちるところがあったんだと思う。俺も「キープイットリアルならこれでしょ」と思ったから、入れようって言ったわけだし。

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リリース情報

SANABAGUN.『デンジャー』
SANABAGUN.
『デンジャー』(CD)

2016年7月6日(水)発売
価格:2,300円(税込)
VICL-64581

1. SANABAGUN. Theme
2. BED
3. 板ガムーブメント
4. P.O.P.E
5. Mammy Mammy
6. ア・フォギー・デイ
7. メジャーは危ない

イベント情報

『2nd album「デンジャー」リリース記念SPECIAL EVENT』

2016年7月23日(土)START 19:00
会場:東京都 タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO

『SANABAGUN.“危ないTOUR”』

2016年9月22日(木・祝)
会場:大阪府 大阪 LIVE SPACE CONPASS

2016年9月23日(金)
会場:愛知県 名古屋 JAMMIN'

2016年10月1日(土)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO

プロフィール

SANABAGUN.
SANABAGUN.(さなばがん)

岩間俊樹(MC)、高岩遼(Vo.)、隅垣元佐(Gt.)、澤村一平(Dr.)、櫻打泰平(Key.)、谷本大河(Sax./Fl.)、髙橋紘一(Tp./Flh.)、小杉隼太(Ba.)による、ストリートにジャズのエッセンスを散りばめ個性とセンスを重んじて突き進む平成生HIPHOPチーム。楽器隊とボーカル、MCからなる8人組で、メンバー全員が平成生まれの20代でありながら、JAZZの影響を色濃く感じさせる驚異的に高い演奏力を誇り、それでいて老若男女問わず熱狂させる高いエンターテインメント性も併せ持っているのが魅力。2015年10月、1stアルバム『メジャー』をもって、メジャーシーンに進出。2016年7月、2ndアルバム『デンジャー』をリリース。

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