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多摩センターでフェス開幕 DE DE MOUSE×FUKAIPRODUCE羽衣

多摩センターでフェス開幕 DE DE MOUSE×FUKAIPRODUCE羽衣

『パルTAMAフェス2016 in 多摩センター』
インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:菱沼勇夫 編集:野村由芽

オーディエンスに子どもたちがいるような現場が増えたんですけど、みんなけっこう楽しく踊ってくれるんですよね。それは嬉しい発見だった。(DE DE MOUSE)

―DE DEさんはいかがですか? 『多摩1キロフェス』から数えて4年連続の参加ですね。去年と一昨年はDE DE MOUSE流の盆踊りで盛り上がりました。

DE DE:今年も依頼をいただいて何をやるか考えたんですが、ぐっとライブ色の強いものにします。去年の冬あたりから自分の音楽観にちょっとした変化を感じていて、これまでは、聴かせるモードと踊らせるモードをはっきり分けてライブをしてきたんですけど、最近その2つの距離がだんだんと近くなってきた感じがあって。

DE DE MOUSE

―昨年冬というと、ちょうどアルバム『farewell holiday!』をリリースしたあたり?

DE DE:ええ。あれは1940~50年代のアメリカのオールディーズやミュージカル、軽音楽なんかを自分の打ち込みだけでやるっていうアルバムなんですけど、これを作っているときは、それ以外のジャンルに僕はあまり興味なかったんですよね。

でも、自分は好きだけど他人にはわからない音楽があるように、他人は好きだけど自分にはわからない音楽も当然あって、そういったものを単に「興味なし!」と放っておくことはやめよう、と思ったんですよ。体験しないとわからないことは絶対にある。それで実際に曲を作ってリリースしてみたら、自分自身でも強い手応えを感じたし、クラムボンのミトさんをはじめミュージシャンの方たちからもよい反応が返ってきたんです。

―自分の対極にあるものへの見方が変わった?

DE DE:流行した音楽には、大勢の人に受け入れられる理由があるんですよね。それを読み解いていくと、シーンの空気や、時代の熱があったりする。そして、そういったムードに、僕自身も知らず知らずのうちに影響を受けている。だったらもっとオープンにいろんな表現を取り込んでいきたい、と『farewell holiday!』を作って思いました。

ここ半年くらい、オーディエンスに子どもたちがいるような現場でライブをやることが増えたんですけど、みんなけっこう楽しく踊ってくれるんですよね。かなり攻めた曲でも(笑)。それも僕にとっては嬉しい発見で「今日の客層に合わせるとしたら、この方向かな?」とか変に意識しなくても、「そのまま」を提供すれば、みんな楽しんでくれることがわかったんですよね。それは自分の音楽に、まだまだ力があるってことでもあると思いますし。

―それはパルテノン多摩での活動も影響していると思いますか? もちろんDE DEさんのファンが主要なリスナーではあるけれど、多摩ニュータウンに住む、DE DE MOUSEの音楽と「はじめまして」の人たちの耳にも届くオープンな環境ではあるわけで。

DE DE:最終的には僕個人の興味に寄ったものになっちゃってますけどね、飽き性なので(笑)。でも、自分が満足しつつ、みんなも満足して帰れるものにしたい、っていう志向はパル多摩で培われたものですね。そういった最近の気づきと、パル多摩との4年間を踏まえて、今年は盆踊りからいったん離れ、直球なライブスタイルになりました。

今年5月に行われたトリオ編成でのライブ映像

多摩ニュータウンは僕にとって、夢の中を散策しているような疑似体験ができる、不思議な気持ちになれる場所なんです。(DE DE MOUSE)

糸井:DE DEさんの多摩愛はいろんな方から伺っていたんですけど、ここが生まれ故郷なんですか?

DE DE:よく勘違いされるんですけど、違うんですよ。出身は群馬です。でも、DE DE MOUSEのプロジェクト自体、僕がずっと好きな郊外のニュータウンを散歩するときに聴きたいサウンドトラックを作る、っていうところがスタート地点だったので、結果的に「レペゼン多摩ニュータウン」みたいになってます。

糸井:多摩ニュータウンって、僕はあまりよい記憶がないんですよね……。

DE DE:そうなんですか(笑)。僕もなんでこんなにこの街が好きなのか不思議だったんですけど、子どもの頃に思い描いていた都会の姿に近いんですよ。例えば日曜の朝に放送してた特撮系の番組。

糸井:仮面ライダーシリーズとか?

DE DE:朝9時くらいにやっていた、子ども向けの。例えば『美少女仮面ポワトリン』(1990年に放送された特撮テレビドラマ)とかに出てきた光が丘の感じだったり。

―石ノ森章太郎原作の実写特撮シリーズですね。

DE DE:それと、小さい時に好きだった絵本『おしいれのぼうけん』(著者:古田足日、田畑精一 1974年 童心社)の、誰もいない都会の景色が、なぜか夜のニュータウンを歩いていると連想させられるんです。だから、この街は僕にとって夢の中を散策しているような疑似体験ができる、不思議な気持ちになれる場所なんです。ところで、糸井さんが多摩ニュータウンにいい印象がないのはなぜ?

糸井:僕の出身は練馬で、光が丘パークタウンが近かったので、DE DEさんの言う風景は僕も懐かしいんですよ。でも、多摩にはイヤなバイトの思い出がありまして……。UFOキャッチャーの集金をするってバイトをしていたんです。

DE DE:別にイヤじゃない気が(笑)。

左から:DE DE MOUSE、糸井幸之介

糸井:いろいろありまして。筐体の小銭を集めて、それを郵便局で入金するっていう仕事でした。集金場所がこの周辺にいくつかあったのでモノレールに乗って移動していたんですよね。だからこの街には罪はないです(笑)。でも、もともと人間臭い場所が好きなので、ニュータウンの計画的に作られた洗練された街並がちょっと苦手だったのかもしれません。もちろん大人になった今は、一面的な見方だったなって思ってますけど。

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イベント情報

『パルTAMAフェス2016 in 多摩センター』

2016年9月17日(土)、9月18日(日)
会場:東京都 パルテノン多摩ほか

[きらめきの池ステージ]
パルテノン多摩×FUKAIPRODUCE羽衣
『愛いっぱいの愛を』
2016年9月17日(土)、9月18日(日)OPEN 16:45 / START 17:30
作・演出・音楽:糸井幸之介
出演:
深井順子
鯉和鮎美
澤田慎司
キムユス
新部聖子
アンサンブルキャスト
ほか
料金:パルテノン多摩友の会アテナクラブ会員2,500円 一般3,000円 学生1,500円

[大階段ステージ]
2016年9月17日(土)
出演:
原田真二
Polonets
ほか

2016年9月18日(日)
出演:
DE DE MOUSE
太田美知彦
ほか
料金:無料

プロフィール

DE DE MOUSE
DE DE MOUSE(で で まうす)

遠藤大介によるソロプロジェクト。作曲家、編曲家、プロデューサー、キーボーディスト、DJ。また、自身の曲のプログラミングやミックス、映像もこなす。織り重なり合う、計算しつくされたメロディと再構築された「歌」としてのカットアップサンプリングボイス。流麗に進む和音構成と相交わりから聞こえてくるのは煌びやかで影のある誰にも真似出来ない極上のポップソング。沁み渡るような郊外と夜の世界の美しい響きから感じる不思議な浮遊感と孤独感は、多くのクリエイターにインスピレーションを与えている。ライブスタイルの振れ幅も広く、多種多様のステージングを展開。これまでに数多くのフェスティバルにも出演、イギリスやフランス、ドイツなど海外遠征も盛んに行っている。昨年末には3年ぶり5枚目のフルアルバム「farewell holiday!」をリリース。立て続けに8/17には夏祭りをテーマにしたEP『summer twlight』を発表。

FUKAIPRODUCE羽衣(ふかいぷろでゅーすはごろも)

2004年女優の深井順子により設立。作・演出・音楽の糸井幸之介が生み出す唯一無二の「妙―ジカル」を上演するための団体。妖艶かつ混沌とした詩的作品世界、韻を踏んだ歌詩と耳に残るメロディで高い評価を得るオリジナル楽曲、圧倒的熱量を持って放射される演者のパフォーマンスが特徴。第7回公演『よるべナイター』にて2007年度サンモールスタジオ最優秀演出賞。08年には世田谷区芸術アワード”飛翔”を受賞し、10年1月シアタートラムネクスト・ジェネレーションVol.2にて「あのひとたちのリサイタル」を再演。12年「耳のトンネル」にてCoRich舞台芸術まつり!2012春グランプリを受賞。同年、クオータースターコンテスト(演劇ぶっく・エントレ共同主催の演劇動画コンテスト)にて「浴槽船」でグランプリ受賞。09年からLIVE活動を開始。本公演以外にも活動の範囲を広げている。

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