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ケミカル・ブラザーズは格が違う 来日記念で木幡太郎&石毛輝対談

ケミカル・ブラザーズは格が違う 来日記念で木幡太郎&石毛輝対談

『Rockwell Sirkus』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:菱沼勇夫 編集:山元翔一、柏井万作

「国内最大級のハロウィンパーティー」と銘打って10月に開催されるイベント『Rockwell Sirkus』のヘッドライナーとして、THE CHEMICAL BROTHERS(以下、ケミカル)が来日する。昨年発表の最新作『Born In The Echoes』が本国イギリスのチャートで堂々1位を獲得するなど健在ぶりを示し、日本にも『SUMMER SONIC 2015』で来日を果たしたが、今回はひさびさにトム・ローランズとエド・シモンズ二人揃っての来日となる。また、『Rockwell Sirkus』にはUNDERWORLDでおなじみのクリエイティブ集団TOMATOのメンバーが関わっていて、どのような空間が繰り広げられるのかも非常に興味深い。

ケミカルの代名詞といえば、やはり「ロックとダンスミュージックの融合」であり、その音楽は海を越え、世界中に多大な影響を与えてきた。そこで今回は、ここ日本でロックとダンスミュージックの融合をバンドマンとして推し進めた二組、avengers in sci-fiの木幡太郎とlovefilm / the telephonesの石毛輝に、ケミカルの魅力について語り合ってもらった。「流行りのデジロック」から、いかにして「THE CHEMICAL BROTHERS」という一ジャンルになったのか。そして、それを育んだイギリス音楽文化の土壌は日本とどう違うのか。同じ時代を歩んできた盟友ならではの、示唆に富んだ対談となった。

“Setting Sun”はOASISのノエルが歌っててブリットポップ文脈で聴けたんですよね。それがケミカルとの出会いかな。(木幡)

―まず最初に二人の関係性について改めて話せればと思うんですけど、もう付き合いは長いですよね?

石毛:僕にとっては完全に先輩です。まだthe telephonesがデビューする前、アベンズじゃなくてアベンジャーって呼ばれてた頃にデモCDを渡して、自分たちのイベントにも何回か出てもらいました。

木幡:初めてCDをもらったときは、「何だこいつら?」って思ったんですけど(笑)、ライブがとにかく衝撃的で。僕らの世代はわりと内向きで、お客さんを巻き込むよりも突き放すスタイルが主流だったけど、the telephonesは断然外向きのライブだったのがすごく新鮮で、まさに時代の変わり目だったんじゃないですかね。

―僕にとって両バンドには『FREE THROW』(新宿MARZでスタートしたロックDJイベント)のイメージがあって、イベントコンピの1曲目がthe telephonesで、2曲目がアベンズでした。あのイベントはDJの側からダンスミュージックとロックをつなげようとした存在で、ケミカルの話につなげると、彼らはマンチェスターのクラブ「ハシエンダ」(マンチェスタームーブメントの中心地)の出身で、ここにはちょっとしたリンクがあるかなって。

石毛:確かに、遊び場があったっていうのはでかいですよね。そういう意味で言うと下北沢ERAも大きくて、たしか2005年の年末にERAの5デイズイベントでアベンジャーの“sci-fi music all night”を聴いて、すごい勇気をもらった記憶がある。HAPPY MONDAYS(マンチェスタームーブメントの代表的存在)みたいで、「こういうのやっていいんだ」って。

石毛輝
石毛輝

―太郎さんって、やっぱりマンチェスターからの影響は大きいですか?

木幡:でかいですね。僕らの中で「ダンスミュージックとロックの融合」は活動の初期からチャレンジしている大きなコンセプトのひとつで、リアルタイムだとTHE MUSICがその象徴でした。そこからTHE STONE ROSESとかを掘り返して、マンチェスターは後追いで聴いた感じです。

木幡太郎
木幡太郎

―ケミカルともそういう中で出会った?

木幡:確か、高校生のときにテレビ神奈川を見てて、“Setting Sun”(1996年)を聴いたのが最初だったと思います。もともとバンド育ちなので、最初はダンスミュージックって入りにくかったけど、あの曲はOASISのノエル・ギャラガーが歌ってて、ブリットポップ文脈で聴けたんですよね。

でも、本格的にケミカルにはまったのは大学生になってからかな。それまでは聴き続けてきたバンド音楽じゃないものを聴いてみようと思って、ケミカルを改めて聴いてみたら、すごくかっこ良かったんですよね。

the telephonesってパッと聴きは大雑把に聴こえても、意外と細かい作業をやっていたので、そういう発想の元はケミカルにあるのかもしれない。(石毛)

―石毛くんとケミカルの出会いはいつですか?

石毛:僕は“Star Guitar”(2002年。MVはミシェル・ゴンドリー監督)ですね。当時あのビデオがやたら流れてたし、あとは僕もNIRVANAとかがルーツだから、タイトルに「ギター」って入ってたのがよかったのかも(笑)。でも、アルバムでがっつりハマったのは『Surrender』(1999年)で、あれが一番キャッチーな作品だと思いますね。

木幡:俺はアルバムで最初にがっつりハマったのは『Come With Us』(2002年)だけど、客観的に評価をするんだったら『Dig Your Own Hole』(1997年)がベストかな。やっぱり、“The Private Psychedelic Reel”が入ってるのはでかい。

―ライブでの定番曲ですもんね。アベンズをやるにあたっては、ケミカルから主にどんな部分で影響を受けましたか?

木幡:世界観がSFチックじゃないですか? 僕らは「SF的な世界観」っていうのもバンドのテーマだったから、そういう意味でも影響を受けてますね。『Come With Us』なんてアルバムの入りからしてものすごく世界観が大きいので、大いに参考にしました。あとは単純に、ダンスミュージックのリズムの組み方ですよね。キックに対してうわものがどう乗っかってくるのかとか、そういうテクニカルな意味でも勉強しました。

木幡太郎

―今年CINRA.NETで行ったインタビュー(自分の想いを吐露するようになったavengers in sci-fiの率直な怒り)の中で、「僕にとってのロックはリズム音楽」という発言がありましたね。そういう考え方っていうのは、ケミカルをはじめとしたこの時代のアーティストからの影響が大きいのでしょうか?

木幡:そうですね。実はNIRVANAだって、構造はダンスミュージックとそんなに変わらないと思う。もちろん一概には言えないですけど、サビでガラッとコード進行が変わるわけじゃなくて、音色の変化でサビとAメロを作ってるわけじゃないですか? だから実は、ダンスミュージックとロックの間にはそんなに垣根はないと思うんですよ。

―なるほど。石毛くんもケミカルから影響を受けている部分ってありますか?

石毛:ケミカルってBPMが速い方じゃないですか。あれだけ速くても音楽的にいいダンスミュージックであるっていう意味では、影響を受けてるかもしれないです。

あと、リズムのループを2つ重ねていいんだっていうのはケミカルから教わったことかも。ケミカルって音楽オタク的なところがあって、リズムのエディットの仕方とか、細いエンジニア的な部分が好きですね。the telephonesってパッと聴きは大雑把に聴こえても、意外と細かい作業をやってて、そういう発想の元はケミカルにあるのかもしれない。

―確かに、the telephonesは最初の話に出た外向きなライブの一方で、音源は緻密に作り込まれた部分も魅力でしたもんね。

石毛:いいエンジニアやプロデューサーと出会えたおかげで、そういう作り方を知れたので、サウンドディレクションはしっかりやって、ライブはいい意味で間口を広くっていう、それが一番かっこいいと思ってたんです。

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イベント情報

『Rockwell Sirkus』

2016年10月12日(水)
会場:神奈川県 横浜アリーナ
出演:
The Chemical Brothers
東京スカパラダイスオーケストラ
大沢伸一
ALife Residence DJ Team
and more

2016年10月15日(土)
会場:大阪府 ATCホール
出演:
The Chemical Brothers
大沢伸一
and more

料金:各公演 前売10,790円(ドリンク別)

The Chemical Brothers来日公演

2016年10月14日(金)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
料金:8,000円(ドリンク別)

リリース情報

avengers in sci-fi『Dune』
avengers in sci-fi
『Dune』(CD)

2016年4月20日(水)発売
価格:3,024円(税込)
VICL-64565

1. Departure
2. Dune
3. Vapor Trail
4. New Century
5. No Pain, No Youth
6. Still In A Dream (feat. Mai Takahashi)
7. E Z Funk
8. 1994
9. The World Is Mine
10. Stranger

lovefilm『lovefilm』
lovefilm
『lovefilm』(CD)

2016年8月3日(水)発売
価格:2,808円(税込)
UKDZ-0176

1. Alien
2. Don’t Cry
3. Kiss
4. Vomit
5. BIG LOVE
6. Holy Wonder
7. Honey Bee
8. Goodbye,Goodnight
9. Our Dawn
10. Hours

プロフィール

avengers in sci-fi
avengers in sci-fi(あゔぇんじゃーず いん さいふぁい)

ギター、ベース、ドラムスという最小限の3ピース編成でありながら、シンセサイザー / エフェクト類を駆使したコズミックで電撃的なロックを響かせる。メロディック・パンクのカヴァーに始まりテクノ / ダンス・ミュージックへの傾倒を経て、数々のエフェクターを導入し独自の近未来的ロック・サウンドを展開。2009年12月にメジャー・デビュー。2016年4月20日に6枚目のフルアルバム「Dune」をリリースした。

lovefilm
lovefilm(らぶふぃるむ)

現在活動休止中のthe telephonesの石毛輝・岡本伸明を中心に江夏詩織・高橋昌志の4人で結成。2016年3月14日に初ライブ「preview of film」を開催。8月3日(水)に1st アルバム『lovefilm』をリリース。11月には初のワンマンツアー「~lovefilm 1st tour “livefilm”~」を東名阪で開催。

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