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会社員が生音ヒップホップ?AFRO PARKER流のリアルな音楽とは

会社員が生音ヒップホップ?AFRO PARKER流のリアルな音楽とは

AFRO PARKER『LIFE』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:森山将人 編集:矢島由佳子
2016/10/11

バンドが上手くいかなくなったときにブラックミュージックが盛り上がる時流がきて、「クソッ!」ってなった。(BOY GENIUS)

―今の日本の音楽シーンは総体的にブラックミュージックに対する感度がどんどん高くなっているじゃないですか。それは1stをリリースした4年前とは格段の違いがあると思うんですけど。裏を返せば、AFRO PARKERは今の時流に乗っかって結成されたわけではなくて。

WAKATHUG:そうそう、そうなんです!!

―時流に乗っかってこういう劇場型の生音ヒップホップバンドを結成したというなら、「ああ、カウンターを狙ってるな」ってなるんだけど、そういうことでもないわけで。

BOY GENIUS:そうなんですよね~。バンドが上手くいかなくなったときにちょうどブラックミュージックに影響を受けた音楽が盛り上がる時流がきて「クソッ!」ってなったというか。

―そういった状況が『LIFE』の制作のモチベーションになったところもあるのではないかと。

弥之助:うん、それはありますね。

BOY GENIUS:それこそ反骨心も含めて、ブラックミュージックから派生した音楽を鳴らしている今のバンドを見て「俺らのほうがかっこよくね?」って思うこともあれば、「うわっ、かっけぇ!」って打ちのめされたり、いろいろ思うことがあって。

弥之助:当時で言うと、GAGLE、韻シスト、Ovall、オーサカ=モノレールとかとライブを一緒にさせてもらったことがあって、見るたびに反省会してました。あと、GAGLEのアルバム『VG+』のリリースパーティー(2014年5月6日に渋谷VUENOSにて開催)のオープニングアクトで僕らが呼んでもらったときにSANABAGUN.も出演していて。特に彼らは同年代でバンドの形態も似ていたので、すごいなと思ったし、だいぶ落ち込みましたね。

BOY GENIUS:そのライブの2か月前にはNegiccoとfhanaの対バンのオープニングアクトをやったんですよ。そのときのライブはお客さんの反応がすごくよくて、バッコンバッコンに盛り上がって爆笑をかっさらうことができたんです。それでGAGLEのリリースパーティーでも意気揚々とライブをしたら、お客さんの層が全然違ってスベってしまって(笑)。

一方で、僕らのあとにライブしたSANABAGUN.はガッチリ盛り上げていて、かなりヘコんだんですよね。その次のライブでは同じ思いをしたくなかったから、がっちりライブを作り上げていったんです。そこから今の劇場型のライブのスタイルができあがりました。でも、そこからコミカルすぎるほうに突き進んじゃったんですよね。

AFRO PARKER

―そういう時期があったからこそ、コミカルな劇場型のスタイルに音楽的な説得力がないとスベることをよく理解しているはずで。

BOY GENIUS:はい、そこで重要なのはさっき話に出た「O.K.O.D.」ですね。

弥之助:ふざけすぎちゃいけないし、ふざけるのであれば曲がかっこよくなければいけない。

BOY GENIUS:面白い方向に走ったほうがラクはラクなんです。そもそもかっこつけるのは得意ではないし。ただ、大事なのはいかにヒップホップであるかということで。「O.K.O.D」における「ドープ」は、ヒップホップであれということなんです。そこをちゃんとキープしようとなると「オシャレ」と「かっこいい」も必要になってくる。

ラップの内容が今の自分たちが置かれている人生について歌っているものばかりだった。(弥之助)

―そしてアルバムでは、「LIFE=人生」というコンセプトも劇場型のスタイルを立体的にしている。

BOY GENIUS:そうですね。最初はアルバムの全体像を描けてなかったんですけど、「結局、俺らってどんなことを歌ってるんだろう?」と思ったときに、「『LIFE』だよね」ってなったんです。

弥之助:ラップの内容が今の自分たちが置かれている人生について歌っているものばかりだったので、自然と「LIFE」というテーマに集約されていきました。

AFRO PARKER

―アルバムのイントロのスキット“The Awakening”で、入眠したリスナーがストーリーテラーの老婆に導かれて夢の中で『LIFE』の世界に入り込むという設定も効いてますよね。アラームが鳴って、AFRO PARKERにとってはモロに現実的な曲の“After Five Rapper ~SHACHIKU REQUIEM~”が始まるという。

弥之助:そのアイデアを提案してくれたBOY GENIUSの功績は大きいですね。

BOY GENIUS:ドラえもんの『のび太と夢幻三剣士』(1994年公開)という映画がすごく好きで。のび太が夢の中に入っていって、ストーリーが進むうちに夢と現実の世界が混同していく話なんですけど。このアルバムもそういう構成にしたいなと思ったんです。あと、ディズニーランドに行った帰り道も好きなんですよね。夢の世界から現実の世界に帰っていくあの感じが。

―それで最後にアラームが鳴ってリスナーが現実の世界に戻るような構成になってるんですね。

BOY GENIUS:そうなんです。

―ライブでも長尺のステージだったらこの設定を活かした演出をしても面白そうだなと。このバンドならではの劇場型のエンターテイメント性を提示できると思うし。

弥之助:たしかに。最近はライブも曲調だけではなく「この曲の次にこの曲をやる意義にこだわろうよ」という意識が高まっていて。そこもしっかりこだわっていきたいですね。

―あらためて、このバンドだからこそ成し遂げられることはなんだと思いますか?

弥之助:仕事をしながら活動しているバンドも多いと思うんですけど、そういう人たちが「AFRO PARKERもいるしがんばろうぜ」って思ってもらえるような存在になりたいですね。あとは、いかに「俺たちはヒップホップをやってる」って言い張れるかだと思うんですよね。『LIFE』にはいろんな曲が入っていて、ヒップホップとは言い難い曲も少なくないと思うんですよ。でも、「これも含めてヒップホップなんだぜ」って言える軸があるのがAFRO PARKERなので。そこは堂々と提示したいですね。

AFRO PARKER

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リリース情報

AFRO PARKER『LIFE』
AFRO PARKER
『LIFE』(CD)

2016年10月5日(水)発売
価格:2,300円(税込)
para de casa / PDCR-009

1. The Awakening (Intro)
2. After Five Rapper~SHACHIKU REQUIEM~
3. The Rapper In The Rye
4. H.E.R.O.
5. Your Yosa, Our Yosa
6. Fallin'
7. Paper City feat. MC BLARE
8. ROHPA β
9. Honesty
10. El Qui Tejo
11. Get On The Mic
12. We Choose Organic
13. Still Movin' On
14. Life Is Good
15. The Awakening (Outro)

イベント情報

『THIS IS "LIFE" ~2ND ALBUM RELEASE PARTY~』
2016年10月15日(土)
会場:東京都 渋谷 Vuenos
出演:
AFRO PARKER
wonk
umber session tribe

『タワーレコード渋谷店 インストアライブ』
2016年11月20日(日)
会場:東京都 TOWER RECORDS 渋谷店

プロフィール

AFRO PARKER
AFRO PARKER(あふろ ぱーかー)

2MC+5人の楽器隊からなる生音ヒップホップバンド。2010年結成。R&B、JAZZ、FUNKをルーツに持つ楽器隊のアンサンブルと、対照的な2MCの掛け合いを特徴とし、HIP HOPを軸とする幅広いアプローチで東京を中心に活動。2012年にリリースした1stアルバム『Lift Off』はAmazon MP3 StoreのHIP HOP部門で1位を獲得。その後も柔軟な音楽性と劇場型のライブパフォーマンスを武器にGAGLE、韻シスト、Creepy Nuts(R-指定 & DJ松永)、Negiccoといったアーティストとの共演を果たす。2016年10月にはレコーディングエンジニアにIllicit Tsuboi氏を迎えた2nd album『LIFE』をリリース。レーベルpara de casaから初の全国流通を実現し、勢いのあるヒップホップバンドシーンに殴り込みをかける。尚、全メンバーが月金で日本経済を支えるサラリーマンであり、各々の人事発令に従い東海、東北、北陸へ散らばりつつもそんな不都合はものともせずに鋭意活動中。

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