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堀込高樹が振り返る、20年の歩みと変遷。キリンジとKIRINJIの違い

堀込高樹が振り返る、20年の歩みと変遷。キリンジとKIRINJIの違い

KORG
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子

あらゆる音色を生み出すために欠かせない機材とスタジオ

こちらは、the HIATUSやSHISHAMO、シャムキャッツなど様々なジャンルの作品を手がけるエンジニア、柏井日向さんが最近設立したレコーディングスタジオ「Bigfish Sounds」。KIRINJI / キリンジの作品もおよそ10年前から手がける柏井さんに、高樹さんは大きな信頼を寄せています。最新作『愛をあるだけ、すべて』でも、約6割のレコーディングと、“非ゼロ和ゲーム”“悪夢を見るチーズ”“新緑の巨人”など計5曲のミックスをこのスタジオで行いました。

高樹:Bigfish Soundsは、モニター環境がとにかく素晴らしくて。他のスタジオでミックスをすると、たまに「思っていたのと違うな……」と思うことがあるのですが、柏井くんのスタジオでは全然そういうことがない。だから安心して作業ができるんです。

Bigfish Sounds

Bigfish Sounds
Bigfish Sounds(サイトを見る

お気に入りの機材1:KORG「microKORG」

KORG「microKORG」
KORG「microKORG」(商品詳細を見る

この連載にて様々なミュージシャンが「お気に入りの機材」として挙げている、KORGの定番人気製品「microKORG」。アルバム『BUOYANCY』(2010年)までの曲作りにおいて、頻繁に登場していたそうです。

高樹:プリセットの音がいいんですよね。特にエレクトロニカ、ヒップホップ、ビンテージ、レトロに入っている音色が好きです。レコーディングでもカットオフやレゾナンスを少しいじるくらいで、割とそのまま使っていました。鍵盤のタッチも好きです。弾力性がちょうどいい。独特の跳ね返りがあって、グリッサンドとかしやすいんですよ。久しぶりに弾いてみたけど、やっぱり柔らかくていい音だなあ。

KORG「microKORG」
KORG「microKORG」(商品詳細を見る

お気に入りの機材2:BOSS「VO-1 Vocoder」

BOSS「VO-1 Vocoder」
BOSS「VO-1 Vocoder」

BOSS「VO-1 Vocoder」は、ギター演奏に人の声による表現力を追加するエフェクター。一般的にボコーダーは、シンセ音に人の声のキャラクターを適用することで、まるで人が歌っているようなサウンドを出すことを可能にしますが、「VO-1」はマイクとギターを接続することによって、ペダルエフェクターと同様のシンプルな操作で「ロボット声」をギターから出すことができます。

高樹:“AIの逃避行 feat. Charisma.com”の間奏部分や、前作の“恋の気配”で使っています。ライブのときは、“温泉街のエトランジェ”のボーカルを変化させるのに使ったことがありますね。昔のボコーダーと違って反応もよく、言語もきれいに聞き取れるので、特にレコーディングのときは重宝しています。

BOSS「VO-1 Vocoder」
BOSS「VO-1 Vocoder」

お気に入りの機材3:TC-HELICON「VoiceTone C1」

TC-HELICON「VoiceTone C1」
TC-HELICON「VoiceTone C1」

こちらもペダルエフェクターとして、シンプルに操作ができるボイス用エフェクター。ピッチ補正やジェンダーエフェクトなどの機能が搭載されていて、ライブはもちろんレコーディング現場でも威力を発揮します。

高樹:“AIの逃避行 feat. Charisma.com”の、レコーディングではプラグインを使ってエフェクト処理したボーカルを、ライブで表現するために使用しています。左のツマミでキーを設定するとピッチ補正、真んなかのツマミを回すと「ケロリ」効果の大小、右のツマミを回すと男性的な声や女性的な声に変化させることができます。結構、エグくかけることもできるので、使い方によっては面白い効果が出せるんですよね。

TC-HELICON「VoiceTone C1」
TC-HELICON「VoiceTone C1」

お気に入りの機材4:KORG「monologue」

KORG「monologue」
KORG「monologue」(商品詳細を見る

KORG「minilogue」をベースにしつつ、サウンド面においては異なる部分をフィーチャーし、パワフルなモノフォニックシンセとして再設計されたアナログシンセサイザー。ステップシーケンサーも大幅に拡張し、より直感的で、より複雑なエディットが可能になりました。Aphex Twinによるサウンドとシーケンスがプリセットとして内蔵されているのも特徴です。

高樹:オシロスコープで波形が変化していくのが見られるのは面白いですね。イメージが追いやすい。プリセットがどれもいい音で、そのまますぐ使えるものばかりという印象です。パネルも見やすくて、どこになにがあるかがわかるのも嬉しい。シーケンスを組んで、リフとか簡単に作れるのもいいですね。“時間がない”のイントロも、まずシーケンスを組んで、そこから着想していったんですよ。そういう使い方もしてみたいです。

KORG「monologue」
KORG「monologue」(商品詳細を見る

メジャーデビューから20年、今も変わらぬ「堀込高樹印」とも言えるメロディーセンスを保ちながら、アルバムごとにアレンジやサウンドプロダクションを大きく変化・進化させてきたKIRINJI。5人組になった彼らの今後の展開も楽しみです。

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機材リスト

コンピューター
Apple「iMac Retina 4K」

DAWソフト
Apple「Logic Pro X」

オーディオインターフェース
RME「Fireface UFX」

ギター
Fender「Stratocaster」
Gibson「J-45」
Gibson「Les Paul Deluxe」
Guild「フルアコ(モデル名不明)」

シンセサイザー / キーボード

エフェクター
BOSS「VO-1 Vocoder」
TC-HELICON「VoiceTone C1」

マイク
NUEMANN「TLM67」

へッドフォン
audio-technica「AHT-M50x」
SONY「MDR-CD900ST」

リリース情報

KIRINJI『愛をあるだけ、すべて』初回限定盤
KIRINJI
『愛をあるだけ、すべて』初回限定盤(CD+DVD)

2018年6月13日(水)発売
価格:3,996円(税込)
UCCJ-9214︎

[CD]
1. 明日こそは/It's not over yet
2. AIの逃避行 feat. Charisma.com
3. 非ゼロ和ゲーム
4. 時間がない
5. After the Party
6. 悪夢を見るチーズ
7. 新緑の巨人
8. ペーパープレーン
9. silver girl
[DVD]
・“AIの逃避行 feat. Charisma.com”PV
・“時間がない”PV
※ DVDは初回限定盤に付属

KIRINJI『愛をあるだけ、すべて』通常盤
KIRINJI
『愛をあるだけ、すべて』通常盤(CD)

2018年6月13日(水)発売
価格:3,240円(税込)
UCCJ-2156︎

1. 明日こそは/It's not over yet
2. AIの逃避行 feat. Charisma.com
3. 非ゼロ和ゲーム
4. 時間がない
5. After the Party
6. 悪夢を見るチーズ
7. 新緑の巨人
8. ペーパープレーン
9. silver girl

イベント情報

『KIRINJI TOUR 2018』

2018年7月14日(土)
会場:福岡県 西鉄福岡 スカラエスパシオ

2018年7月19日(木)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

2018年7月20日(金)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2018年7月25日(水)、7月26日(木)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO

料金:各公演6,480円(ドリンク別)

スタジオ情報

Bigfish Sounds
Bigfish Sounds

サウンドエンジニア・プロデューサーの柏井日向が代表を務めるブッキングエージェント。2018年、プライベートスタジオ「Bigfish Sounds」を完成させ、斬新なサウンドを世に送り出すサポートをしています。

プロフィール

KIRINJI
KIRINJI(きりんじ)

1996年10月、実兄弟である堀込高樹、堀込泰行の二人で「キリンジ」を結成。1997年CDデビュー。オリジナルアルバム10枚を発表。2013年4月12日をもって堀込泰行が脱退。兄弟時代17年の活動に終止符を打つ。以後、堀込高樹がバンド名義を継承、2013年夏、新メンバーに田村玄一/楠 均/千ヶ崎 学/コトリンゴ/弓木英梨乃を迎え、バンド編成の「KIRINJI」として夏フェス出演を皮切りに再始動。2014年は8月に通算11枚目となるアルバム『11』をリリース。2015年11月にはスペシャルアルバム『EXTRA 11』を発表するなど、バンドならではの新機軸を次々と打ち出した。2016年8月、2年ぶり通算12枚目となるニューアルバム『ネオ』を発表。グループ史上初の試みとなる外部アーティストとのコラボレーションナンバー『The Great Journey feat. RHYMESTER』をはじめ、新たなフェイズに突入したKIRINJIサウンドをいかんなく表現し絶賛を浴びた。12月に東京・大阪で開催した『KIRINJI LIVE 2017』をもってキーボードのコトリンゴが脱退。グループとしてまた新たな一歩を踏み出した。

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