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崎山蒼志が戸惑い混じりに語る、『日村がゆく』以降の喧騒の日々

崎山蒼志が戸惑い混じりに語る、『日村がゆく』以降の喧騒の日々

『J-WAVE 30th ANNIVERSARY FESTIVAL INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI』
インタビュー・テキスト
武田砂鉄
撮影:松永つぐみ 編集:山元翔一

基本的に淋しいんです。人がいないから淋しいじゃなくて、なんか淋しいし、ずっと哀しいんです。

—ところで、学校の成績は中くらいと聞きました。

崎山:中学校の頃からずっと、中くらいですね。家で勉強しようと思っても集中力が全くなくて。

—やっぱりギター持っちゃうんですか。

崎山:そうですね。あと、YouTube見ちゃったり、明日やろうって思っても全然できなくて。そういう感じだから中くらいなのかなって、ちょっと反省してます。

—学校の国語のテストって、言葉の意味を規定しますよね。「誰々の気持ちを答えよ」とか。国語のテストに抵抗感はないですか。

崎山:テストには全て抵抗感がありますね。一度、真面目にテスト勉強やってみようと思って、図書館に行ったんですけど、周りの人があまりにも真剣で怖くなって、逃げ出しました。「ああ、僕はここにいられない」って圧倒されて。

崎山蒼志

—今、自分が音楽を作る上で、壁になっていることってありますか。

崎山:もう“五月雨”みたいな曲は作れない、ってことでしょうか。勢いがない……いや、勢いはあるんですけど、ジャンジャカジャカジャカみたいなのは……。

—ジャンジャカジャカジャカはもうできない(笑)。

崎山:“五月雨”のような速い曲が今はあんまり作れなくなりました。

—それができないというのは、無理に作ろうともしない、ってことですか。

崎山:そうですね、でもまた1~2曲作れたらいいなあとは思ってます。無理に近づけようとしても、好きなコード進行とか、どんどん変わっちゃったりするんで……オシャレになっちゃったり。たぶん作れないですね。

—崎山さんの音楽を聴いていると、喜怒哀楽でいうと、「喜」や「楽」ではなくて、どっちかというと「怒」や「哀」を感じます。そして、それらが表面的に出るというよりも、蠢いているように思えます。

崎山:基本的に淋しいんです。人がいないから淋しいじゃなくて、なんか淋しいし、ずっと哀しいんです。たまに、日常生活でも、ニュースを見てでも、ちょっと心が折れることがあると、それが出ちゃうというか。

—淋しさという感情って、どんなに周囲に恵まれていても、めちゃくちゃ笑顔で楽しくても、どこかに残りますよね。その感覚に気づいたのっていつ頃ですか。

崎山:それは、中学3年生くらいのときですね。

—崎山さんが言う「淋しさ」と、こっちが言う「淋しさ」って全く違うかもしれない。淋しさって、一堂に介して「淋しさマーケット」が開けないじゃないですか(笑)。だからこそ、ずっと抱え持たなきゃいけない感情ってことなんでしょうね。

崎山:あまり意識してなくても、曲に出てしまうんです。そうすると、一瞬だけは解消されますけど、一定してずっと淋しいです。

崎山蒼志

—音楽を聴くときには淋しさが和らいだりしますか。

崎山:あー、でもちょっと……難しいですね。でも、あるかもしれないです。「うわー」って浄化されちゃう感じ、というか。自分が尖っているゾーンのときにNUMBER GIRLを聴いたりします。

—向井(秀徳)さんが書く言葉も、とても勢いが強いですよね。

崎山:どう言ったらいいか本当にわからないんですけど……好きですね。

—やはり、ここでも共感ではなく、「俺の思ってること言ってくれた!」ではなく、向井さんが出したものを、聴いて、感じて、「そう、その感じ」って掴むような感覚。

崎山:それですね。それが一番多いですね。「これ、いいなぁ!」って感じ。「こんなの初めて見た!」とか。自分もそういう音楽を作れるようになりたいな、って思います。

—自分のなかの、訳のわからないものに対する近づき方というのは、自分のなかでどんどんうまくなっている感覚はあるんですか。

崎山:ちょっとずつ……。

—それがもしピシッとイコールになったら、いきなりメッセージ性が強くなる可能性もゼロではないですよね。「崎山さん、5年前まで淋しさが」って言ってたのに、みたいな。

崎山:そうですね(笑)。

音楽だけじゃなくていろんなことをやりたいと思ってるかもしれない。

—今回出演される『イノフェス』(『J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2018』)には、様々なジャンルのクリエイターの方たちが出ますが、このなかで演奏するというのはどういう経験になりそうですか。

崎山:すごい緊張するんですけど……。

—会場は六本木ヒルズです。

崎山:そうです。響きがもう……。

—フェスでいろいろなミュージシャンと一緒になる、ライブハウスで対バンするのとは、ちょっと違う形になりますね。

崎山:自分なりにできたらいいなと思って。だって、すごすぎるから。貴重すぎる体験って感じです。

崎山蒼志
『INNOVATION WORLD FESTA 2018』フライヤー
『INNOVATION WORLD FESTA 2018』フライヤー(サイトを見る

—これから、様々な表現をしていくなかで、音楽っていう枠組みすら超えてしまおうと考えたりもしますか。

崎山:田中泯さんとか……。

—お、なるほど。身体表現を中心にして、時折、ギター持って弾くとか。あるいは、崎山さんがポエトリーリーディングをされたらとてもインパクトがありそうです。

崎山:まだまだだと思っているので、もっと上達したら、別のこともやりたいですね。でもたしかに、音楽だけじゃなくていろんなことをやりたいと思っているかもしれない。

—今回こういうふうに彗星の如く登場されて、いろんな人を驚かせたと思うんですけど、驚かせ続けたい気持ちはありますか。

崎山:そういう気持ちも少しはあります。「これもやるんかー!」ってことをやっていきたいですね。

崎山蒼志

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リリース情報

『夏至/五月雨/神経』
崎山蒼志
『夏至/五月雨/神経』(CD)

2018年9月15日(土)発売
価格:1,000円(税込)
SLRL-10034

イベント情報

『J-WAVE 30th ANNIVERSARY FESTIVAL INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI』

2018年9月29日(土)、30日(日)
場所:東京都 六本木ヒルズ

出演者:
9月29日(土)
[TALK]
池上高志(東京大学大学院情報学環教授)
岩田洋夫(筑波大教授)
江渡浩一郎(メディアアーティスト / 産総研主任研究員)
太田雄貴(国際フェンシング連盟理事 / 公益社団法人 日本フェンシング協会会長)
落合陽一(メディアアーティスト / 筑波大准教授)
GAKU-MC(ミュージシャン)
亀田誠治(音楽プロデューサー)
川田十夢(開発者 / AR三兄弟)
串野真也(ファッションデザイナー)
斎藤由多加(シーマン人工知能研究所)
ジェイ・コウガミ(デジタル音楽ジャーナリスト)
ジョン・カビラ(J-WAVEナビゲーター)
鈴木貴歩(エンターテック・アクセラレーター)
高城剛(クリエイティブ・ディレクター)
竹内薫(サイエンス作家)
田原総一朗(ジャーナリスト)
蔦谷好位置(音楽プロデューサー)
西野亮廣(お笑いタレント / 絵本作家)
ハリー杉山(J-WAVEナビゲーター)
VERBAL(m-flo / PKCZ)
古澤明仁(株式会社RIZeST 代表取締役社長)
皆川賢太郎(公益財団法人 全日本スキー連盟 / 常務 兼 競技本部長)
三宅陽一郎(ゲーム開発者)
山崎直子

[LIVE]
m-flo
Open Reel Ensemble
KREVA
崎山蒼志
DE DE MOUSE
Tommy(AI アーティスト)
藤本実
POINT

9月30日(日)
石川善樹(予防医学研究者)
宇野常寛(評論家 / PLANETS代表)
落合陽一(メディアアーティスト /筑波大准教授)
海堂尊(作家)
川田十夢(開発者 / AR三兄弟)
後藤正文(アーティスト)
小山宙哉(漫画家)
佐渡島庸平(編集者 / コルク代表)
サッシャ(J-WAVEナビゲーター)
杉本真樹(医療イノベーター)
土屋敏男(テレビプロデューサー)
羽生善治(将棋棋士)
堀潤(ジャーナリスト)
前田裕二(SHOWROOM代表)
箕輪厚介(編集者)
箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)

[LIVE]
ASIAN KUNG-FU GENERATION
androp
伊東篤宏
AR三兄弟
Awesome City Club
カサリンチュ
中山晃子
武藤将胤

プロフィール

崎山蒼志
崎山蒼志(さきやま そうし)

母親が聞いていたバンドの影響もあり、4歳でギターを弾き、小6で作曲を始める。2018年5月9日にAbemaTV「日村がゆく」の高校生フォークソングGPに出演。独自の世界観が広がる歌詞と楽曲、また15歳とは思えないギタープレイでまたたく間にSNSで話題になる。2018年7月18日に「夏至」と「五月雨」を急きょ配信リリース。リリック・ビデオは公開3週間で100万回再生を越え、Spotifyのバイラル・チャートでも1位に輝いた。ある朝、起きたらtwitterのフォロワー数が5,000人以上増えていて、スマホの故障を疑った普通の高校1年生。

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