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エロか、フェチか。外林健太と青山裕企が、女性ばかりを撮る理由

エロか、フェチか。外林健太と青山裕企が、女性ばかりを撮る理由

外林健太『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』
インタビュー・テキスト
中島晴矢
撮影:Uwabo Kodai 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

「男性を撮ることには興味がない」。写真家・外林健太は取材にあたって、こう語った。BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiRE、WAggといった「WACK」所属グループの衣装やオフィシャル写真を手がける外林は、なぜそこまで言い切るのだろうか? そして彼にとって、「写真」とはどういうものなのだろうか?

外林の2作目となる写真集『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』(以下『IDOL』)が2月13日に発売された。ライブの模様やバックステージまで、まるでロックバンドのツアー写真集さながらに選出された圧巻の220ページは、「IDOL」というストレートなタイトルから連想するような、ステレオタイプな写真集とは一線を画したものだ。

CINRA.NETでは、本作の背景を紐解くべく写真家・青山裕企との対談を実施した。欅坂46や乃木坂46など坂道シリーズをはじめとするアイドルのグラビア写真や、女子学生をフェティッシュに写し取った『スクールガール・コンプレックス』といったコンセプチュアルな作品を手がける青山。数多くの女性の写真を手がけていながら、思春期には女性と話すこともできなかったという両名に、各々の作家性や写真観、「女性を撮る」こと、そして「IDOL(アイドル)」とは何かについて語り合ってもらった。

女の子を撮るときに大事なのは、「撮ったけど出さない」または「撮らないということも含めて、どこまで撮るか」ということ。(青山)

—おふたりとも女性をメインに撮っているという点で共通していらっしゃいますが、外林さんが「男性を撮ることには興味がない」とまで言い切っていらっしゃったのが気になったんです。

外林:「男を撮るのに興味がない」と言うと否定的に聞こえてしまいますが、ただ女の子を撮りたい気持ちのほうが大きいですね(笑)。人の持つ「知られざる深み」みたいなものってあると思うんですけど、同性だからか、撮る対象としては男性のそれを知りたくなくて。普段は男性とつるんでいることが多いんですけど、写真を撮るってなったときに、変な言い方をすると、何を撮っていいかわからないんです。

女性の写真は「これカワイイな!」って思えるんですけど、男性の写真を撮ったときには「カッコいい……のかなぁ?」って(笑)。たまに綺麗な顔の男の人で、僕がフェチを感じる顔であればテンション上がったりはしますけどね。

青山:実は撮る側が男女問わず、被写体としては女性のほうが共通して「カワイイな」とか「エロいな」と思わせやすいんですよね。男性ってアイドルなどの場合もそうですが、好みが細分化され過ぎているんだと思います。ちなみに、外林さんは今どういう女の子を撮りたいですか?

外林:パッと思い浮かばないですが……ある意味、女の子だったらどんな子でも撮りたいですね(笑)。

左から:外林健太、青山裕企
左から:外林健太、青山裕企

—今回発表された外林さんの写真集『IDOL』は、バックステージのカットが多数盛り込まれていてアイドルという「偶像」の裏側を暴いているような作品になっていますよね。アイドルの写真集と聞いて思い浮かべるエロの要素を感じさせないというか、言ってしまえばムッツリ感がない。

外林:僕はBiSHが所属する事務所WACKの子たちとずっと仲よく仕事をしているので、アイドルというよりは知り合いの女の子といった感じなんですよね。もちろんプライベートの付き合いはありませんが、くだけた話もできる関係で。

それに僕は衣装も手がけているというのもあって、楽屋にいることが多いので、彼女たちが着替えてるところも撮るんですよ。だからそういう写真も入っていますが、客観的に見れば「ただ脱いでるだけ」で、逆にエロチックなところがないと思ったのでわざわざ入れました。

『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』より
『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』より
『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』より
『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』より

外林:もちろん、アイドルが表に見せていいものといけないものはわかっているつもりです。でも今回は出版ということで、CDの特典のようなファン向けの写真集には入れなかったものも入れました。もっと外向きになったときに、このアイドルの子たちの「中身」を見せたほうが面白いと思ったんです。

青山:自分の欲望を投影しているわけではないんですね。やっぱり女の子を撮るときに大事なのは、「撮ったけど出さない」または「撮らないということも含めて、どこまで撮るか」ということだと思います。私も『スクールガール・コンプレックス』では、「下着が見えない」というラインを基本的に守っていますから。そのラインというものが表現だと考えているんです。

 
『スクールガール・コンプレックス』より / 女子学生の手や足といったパーツだけを写した同シリーズは、「高校生のときは女の子とは話せず、後ろから見ているだけだった」という青山の記憶が原点にあるのだという
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リリース情報

『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』通常版
『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』通常版

2019年2月13日(水)発売
著者:外林健太
価格:3,996円(税込)
発売元:SW

プロフィール

外林健太(そとばやし けんた)

フォトグラファー / 衣装デザイナー。RIM所属。BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiREといったWACK所属グループはじめ多数のグループの衣装やオフィシャル写真を手がける。2019年2月、WACK所属グループのアーティスト写真から、ライブ写真、楽屋裏まで外林が撮り貯めた写真を220ページにわたって掲載した写真集『DOCUMENTPHOTOBOOK「IDOL」』を発表。

青山裕企(あおやま ゆうき)

写真家。1978年名古屋市生まれ。筑波大学人間学類心理学専攻卒業。2007年キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。現在、東京都在住。今までに67冊の著書を刊行、代表作は『スクールガール・コンプレックス』『むすめと!ソラリーマン』など。台湾・韓国でも、翻訳版が多数刊行されている。吉高由里子・指原莉乃(HKT48)・生駒里奈・オリエンタルラジオなど、時代のアイコンとなる女優・アイドル・タレントの写真集の撮影を担当している。2015年ユカイハンズ・ギャラリー開廊、2016年ユカイハンズパブリッシング設立。3月5日に最新刊『アイドルフォトの撮り方 フレーミング編』(誠文堂新光社刊)を発売予定。

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