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Homecomings×今泉力哉対談 映画『愛がなんだ』の寂しさ談義

Homecomings×今泉力哉対談 映画『愛がなんだ』の寂しさ談義

『CROSSING CARNIVAL』
インタビュー・テキスト
村尾泰郎
撮影:寺沢美遊 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

昨年リリースされた最新作『WHALE LIVING』で初めて日本語歌詞に挑戦して、新境地を切り拓いた京都の4人組バンド、Homecomings。彼らの挑戦はまだまだ続く。これまでバンドは、映画上映とライブを一緒に行うイベント『New Neighbors』を主催するなど映画にラブコールを送ってきたが、昨年、劇場アニメ『リズと青い鳥』で初めて映画の主題歌を提供。映画との相性のよさを証明したが、今度は映画『愛がなんだ』に主題歌“Cakes”を書き下ろした。監督は独自の視線で恋愛をめぐる人間模様を描いてきた恋愛映画の鬼才、今泉力哉。これまでトリプルファイヤーやカネコアヤノの楽曲を映画に使用してきた今泉監督は、音楽シーンからも注目を集める存在だ。

相手の作品を以前から注目していたという両者。Homecomingsの畳野彩加(Vo,Gt)、福富優樹(Gt)、そして、今泉監督が、映画と音楽、そして、両者を結びつける「寂しさ」について語り合った。

Homecomingsの曲に感じる、諦め感とか寂しさみたいなものに惹かれていた。(今泉)

—まず、監督がHomecomingsに主題歌をオファーした経緯を教えてください。

今泉:Homecomingsのことは知り合いを通じて知ったんですけど、彼らの曲に感じる、諦め感とか寂しさに惹かれていて以前から好きでした。『リズと青い鳥』の主題歌“Songbirds”を聴いて「自分の映画の主題歌もお願いできたらな」って思ったんです(参考記事:『リズと青い鳥』企画 Homecomingsと武田綾乃の音楽×文学対談)。

—初めてHomecomingsを聴いたのはいつ頃だったんですか。

今泉:Homecomingsのことが気になって、最初に見たのが“HURTS”のミュージックビデオだったんです。それで、“HURTS”が入っているCD(2016年発表の『SALE OF BROKEN DREAMS』)を買ったりして、バンドのことをいろいろ調べて。ホムカミが行なっている、映画上映とライブを一緒にやるイベントの存在を知ったりしました。

左から:福富優樹(Homecomings)、今泉力哉、畳野彩加(Homecomings)
左から:福富優樹(Homecomings)、今泉力哉、畳野彩加(Homecomings)

—Homecomingsのおふたりが今泉監督の作品に出会ったきっかけは?

福富(Gt):僕が初めて見た今泉監督の作品は、トリプルファイヤー“変なおっさん”(2015年)のMVでした。あの『ゴーストワールド』(2001年公開の映画、監督はテリー・ツワイゴフ)っぽいやつ。

今泉:パクってるやつね(笑)。あれはベースの山本(慶幸)さんが『ゴーストワールド』が大好きで、「それならやっちゃお」って思ったんです。

—映画『ゴーストワールド』といえばHomecomingsも曲名に使っていますね(2014年発表の1stアルバム『Somehow, Somewhere』収録)。

福富:みんな好きですよね、『ゴーストワールド』。そのあと、『サッドティー』(2013年)を見たんですけど、扱っているテーマが面白くて。たとえば、『サッドティー』のキャッチコピーの「『ちゃんと好き』って、どういうこと?」とか、そういう曖昧なニュアンスを映画で描こうとしていて、しかも、それをポップな感じで作っているのが面白かった。

—バンドと今泉監督は両想いだったんですね。監督はずっと恋愛映画を撮られていますが、監督の考える恋愛映画の面白さってどういうところですか?

今泉:全然モテなくて彼女がいなかったときに、「付き合ったり結婚したりしていても、同じくらいの想いで付き合ってる男女っていないんじゃないか?」と思ったことがあったんです。世の中の恋人たちに対する嫉妬から生まれた考えだったんですけど(笑)、「すべてのカップルや夫婦は片想いだぞ」って。

その想いの差を表現したくて、最初の頃の作品は、付き合ってるけど片方が浮気をしているカップルを描いたりしてました。そのうち、倦怠期のカップルとか温度を下げることに興味が出てきて。

—恋愛映画は登場人物の想いが募って熱量が上がっていくものが多いですが、逆にそれを下げていった?

今泉:たとえば『サッドティー』は浮気しているのがわかっているのに、その現状を打破しようとしない人たちを描くとか。誰かと誰かが結ばれたりする以外の人間関係や恋愛ってめちゃくちゃ面白いのに、そこを描いている日本の映画があまりないことに気づいて。そういう作品を作ってみたいと思うようになったんです。

左から:福富優樹(Homecomings)、今泉力哉、畳野彩加(Homecomings)
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イベント情報

『CROSSING CARNIVAL'19』
『CROSSING CARNIVAL'19』

2019年5月18日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST、duo MUSIC EXCHANGE、clubasia、WOMB LIVE、TSUTAYA O-nest

出演:
Analogfish
Amgala Temple(with member of Jaga Jazzist)
eill
Emerald(フィッシュマンズ・トリビュートセット with 木暮晋也、HAKASE-SUN)[ゲスト:曽我部恵一、崎山蒼志]
Enjoy Music Club(ゲスト:Homecomings)
OGRE YOU ASSHOLE
GEZAN
C.O.S.A.
Serph(ゲスト:amiinA)
崎山蒼志 feat.君島大空
SIRUP
Spangle call Lilli line feat.ナカコー
田我流
TENDRE feat.SIRUP
TENDOUJI
東郷清丸
Dos Monos
ニトロデイ feat.uri gagarn 威文橋
Nyantora
nhhmbase
蓮沼執太フィル(ゲスト:高野寛)
パソコン音楽クラブ feat.長谷川白紙
VaVa
BIM
fhána
betcover!!
Homecomings
bonobos
Polaris
ミツメ
MONO NO AWARE
ものんくる
uri gagarn
Yogee New Waves
料金:4,800円(ドリンク別)

リリース情報

Homecomings『Cakes』
Homecomings
『Cakes』(CD+DVD)

2019年4月17日(水)発売
価格:1,944円(税込)
PECF-1169 / felicity cap-305

[CD]
1. Cakes
2. Moving Day Part1
3. Cakes 立春 MIX Remixed by 曽我部恵一
4. BUTTERSAND Remixed by Family Basik

[DVD]
・『2018.12.25 SHIBUYA CLUB QUATTRO「LETTER FROM WHALE LIVING TOUR」』

作品情報

『愛がなんだ』
『愛がなんだ』

2019年4月19日(金)からテアトル新宿ほか全国で公開

監督:今泉力哉
脚本:澤井香織、今泉力哉
原作:角田光代『愛がなんだ』(角川文庫)
主題歌:Homecomings“Cakes”
出演:
岸井ゆきの
成田凌
深川麻衣
若葉竜也
片岡礼子
筒井真理子
江口のりこ
配給:エレファントハウス

プロフィール

Homecomings
Homecomings(ほーむかみんぐす)

京都を拠点に活動する4ピース・バンド。The Pains of Being Pure at Heart / Mac DeMarco / Julien Baker / Norman Blake(Teenage Fanclub)といった海外アーティストとの共演、3度に渡る「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演など、2012年の結成から精力的に活動を展開。2016年2ndフルアルバム『SALE OF BROKEN DREAMS』、2017年に5曲入りEP『SYMPHONY』をリリース。同年新たなイベント「New Neighbors」をスタート、Homecomingsのアートワークを手掛けるイラストレーター”サヌキナオヤ”氏との共同企画で彼女たちがセレクトした映画の上映とアコースティックライブを映画館で行っている。2018年には、京都アニメーション制作の映画「リズと青い鳥」主題歌を手がけ、NHK Eテレ「シャキーン!」に楽曲書き下ろし、京都新聞イメージキャラクターに就任、京都αステーションにてレギュラー番組「MOONRISE KINGDOM」(毎週水曜23:00~)がスタートするなど多方面から注目を集める中、10月に待望の3rdフルアルバム『WHALE LIVING』をリリースした。

今泉力哉(いまいずみ りきや)

1981年生まれ。福島県出身。数本の短編映画を監督した後、2010年『たまの映画』で長編映画監督デビュー。翌2011年『終わってる』を発表後、2012年、“モト冬樹生誕60周年記念作品”となる『こっぴどい猫』を監督し、一躍注目を集める。2013年、こじらせた大人たちの恋愛群像劇を描いた『サッドティー』が第26回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に出品。『知らない、ふたり』(2016)、『退屈な日々にさようならを』(2017)も、それぞれ、第28回、第29回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に出品されている。他の長編監督作に『鬼灯さん家のアネキ』(2014)、深川麻衣を主演に迎えた『パンとバスと2度目のハツコイ』(2018)など。新作に伊坂幸太郎原作&三浦春馬主演の『アイネクライネナハトムジーク』(2019年秋公開予定)が待機中。

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