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上白石萌音が語る、歌う喜び。音楽と向き合い自分を取り戻す

上白石萌音が語る、歌う喜び。音楽と向き合い自分を取り戻す

上白石萌音『i』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:豊島望 編集:中田光貴(CINRA.NET編集部)

今回のミニアルバムは、いまの私が思う「恋」であって、いまの私が歌う「恋の歌」という感覚がある。

―そこから具体的な作業に入って……まずは、“ハッピーエンド”ですか?

上白石:そうです。“ハッピーエンド”は、映画(『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』)の主題歌を歌わせていただけるという話になったときに、「内澤(崇仁)さんが2年前に持ってきてくださった、あの曲がいいです」っていうところから始まって。

―この曲は、andropの内澤さんが上白石さんのアルバム『and...』のために持ってきた候補曲がもとになっているんですよね?

上白石:そうなんです。で、内澤さんに聞いてみてもらったら、内澤さんもその曲を温めてくださっていて。それがこうやって形になったのは、「あ、言ってみるものだな」っていう気持ちの後押しにはなりましたね(笑)。

上白石萌音“ストーリーボード”を聴く(Apple Musicはこちら)。『and...』では“ストーリーボード”が内澤崇仁から楽曲提供された

―思ったことは、まずは口に出してみようと。

上白石:はい。それを言うことですら、私はちょっとドキドキしたんですけど。映画の主題歌を決定づけるような一言を、私から言ってもいいのかなって。でも、言ってみちゃえって(笑)。

―(笑)。でも、そこには、「この映画にはこの曲が合う」という上白石さんなりの思いがあったわけですよね?

上白石:実際に映画を撮っているときから、あの曲がずっと私の頭のなかで鳴っていたんです。だから、主題歌の話をいただいたときは、「きたー!」と思って。これはもう、言うしかないと思って、言っちゃいました(笑)。

上白石萌音

―今回のミニアルバムのテーマは「恋」ですよね? 「上白石萌音が歌う、5つの恋物語」というコピーも掲げられていますけど。

上白石:そうなんです。“ハッピーエンド”という、本当にストレートな恋愛の歌がまず最初にあって。それが入るミニアルバムだったら、もっといろんな角度や温度の恋の歌を集めてみるのも面白いんじゃないかって思ったんです。

それで、もうストレートに「恋」っていうテーマにしたんですよね。この2年のあいだに、やっぱりいろんな恋をしてきて……映画のなかでの話ですけど(笑)。

―はい(笑)。

上白石:その役の身体を借りて、いろんな恋をしたり、誰かの恋を見ていたりして。今回のミニアルバムを作っているときに、「あ、この曲は、あのとき演じたあの子の歌だな」と思うことが多かったんですよね。そういう意味では全部繋がっているし、無駄なことはなにひとつないなって思います。

―これまで私が演じてきた役は、すべて私のなかで生き続けている、という感覚?

上白石:そうですね(笑)。「この曲は、あの子に捧げるつもりで歌おう」とかもありましたし、いろんな役を経験したいまだからこそ歌える歌がきっとあると思っていて。だから、今回のミニアルバムは、いまの私が思う「恋」であって、いまの私が歌う「恋の歌」みたいな感覚があるんですよね。

上白石萌音

(“永遠はきらい”は)試練だったと思います(笑)。

―本作の1曲目に、いきなり“永遠はきらい”という、「思わせぶりな恋」をテーマにしたものすごい曲が入っていて、ちょっと面食らったのですが……。

上白石:そうですよね。この曲に関しては、いままで私が演じてきたどの役にもいませんでした(笑)。なので、この曲はもう、n-buna(ヨルシカ)さんのメロディラインとYUKIさんの言葉を小説のように読んで、この曲のために役を作っていった感じですね。

―どのような経緯で、YUKI×n-bunaという組み合わせが実現したのでしょう?

上白石:n-bunaさんに1曲書いていただきたいっていうのは最初から決まっていたんですけど、私はもともとJUDY AND MARYが大好きで、YUKIさんの書く歌詞も大好きなんですよね。で、ちょっとひとつお願いできないかなって思って……。

―それも「言ってみた」わけですね。

上白石:そうなんです(笑)。そしたらありがたいことに、YUKIさんも快く受けてくださって。で、やっぱりこのお二人なので、「恋の駆け引き」じゃないですけど、またちょっと違った感じの恋の歌をお願いしたいなと思って、書いていただいたんです。実際にできあがったものを聴いたときは度肝を抜かれましたね(笑)。

―(笑)。曲調もこれまでの上白石さんにはないようなアップテンポの曲になっていて、歌詞もかなり「YUKIさん節」のようなものが全開になっていて……。

上白石:すごいですよね。本当に惑わされるというか、この曲自体が恋の対象みたいになっていて(笑)。

この曲は、「モテる子」っていう感じがするんですよね。だけど、決してあざとい感じの子ではないというか、思わせぶりだけど、実はめちゃめちゃピュアなんだろうなと思って。それを表現できたらいいなって思いながら歌いました。

上白石萌音

―このいまにも踊り出しそうな感じと奔放なキャラクターは、上白石さんにとっても、新機軸だったんじゃないですか?

上白石:そうですね、試練だったと思います(笑)。これは超えなくてはならない大きな壁がきたなと思って。だから、この曲の歌入れは、ものすごく時間を掛けてやりました。

―どういうアプローチを考えながら歌入れに臨んだのでしょう?

上白石:最初にYUKIさんが歌ってくださったデモをいただいたんです。それはそれで、お聴かせしたいぐらい素晴らしいものだったんですけど、まずはそれを何回も何回も繰り返し聴いて。でも、やっぱり同じようには歌えないし、どうしたらいちばんいいのかなっていうのはずっと模索していて、結局かなりストレートな感じで歌うことにしたんですよね。

やっぱり歌詞の言葉がすごく強いので、あんまりやり過ぎるとちょっと違う感じになってしまうし、こういう言葉が自然に出てこなきゃいけないなと思って。そこまで心を持っていくことに、すごく時間を掛けました。だからもう本当に、お芝居の台本と向き合っているような感じでしたね(笑)。

上白石萌音
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リリース情報

上白石萌音『i』初回限定盤
上白石萌音
『i』初回限定盤(CD+DVD)

2019年7月10日(水)発売
価格:2,300円(税込)
UPCH-7503

[CD]
1. 永遠はきらい
2. Ao
3. ハッピーエンド(上白石萌音×内澤崇仁(androp))
4. 巡る
5. ひとりごと
<ボーナス・トラック>
6.ハッピーエンド(studio live ver.)

[DVD]
“永遠はきらい”ミュージックビデオ

上白石萌音『i』通常盤
上白石萌音
『i』通常盤(CD)

2019年7月10日(水)発売
価格:1,800円(税込)
UPCH-2188

1. 永遠はきらい
2. Ao
3. ハッピーエンド(上白石萌音×内澤崇仁(androp))
4. 巡る
5. ひとりごと

プロフィール

XXX
上白石萌音(かみしらいし もね)

1998年1月27日生まれ。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。初主演映画『舞妓はレディ』では、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞など、多くの賞を受賞。『君の名は。』でヒロイン:三葉の声を演じ話題に。2018年は映画『ちはやふる-結び-』や『羊と鋼の森』のほか、舞台、ミュージカルなど幅広く活躍。今後も主演映画『スタートアップ・ガールズ』の公開や、井上ひさし最後の戯曲『組曲虐殺』の公演を控えている。

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