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安藤裕子とNakamuraEmiが語る、女性の生き方・出産と歌のこと

安藤裕子とNakamuraEmiが語る、女性の生き方・出産と歌のこと

『QUATTRO MIRAGE presents「TOUR MIRAGE 2019」』
インタビュー・テキスト・編集
矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
撮影:永峰拓也

子どもが生まれることで、自分の生活や生き方が変わる――それは、男女問わず、起きること。

10月2日名古屋、3日大阪、7日東京にて開催される、安藤裕子とNakamuraEmiのツーマンツアー『QUATTRO MIRAGE presents「TOUR MIRAGE 2019」』の前に、それぞれの今のモードについて聞き始めると、「出産」という人生のターニングポイントにまつわる、安藤裕子の実体験と、NakamuraEmiの未来への疑問が交差する対話となった。

デビュー4年目のNakamuraEmiと、そのずっと先を行く、デビュー16年目の安藤裕子。「歌」と「人生」が密接な関係にある二人のシンガーソングライターの対話は、音楽の枠を超えて、大人の女性の話だった。

子どもが産まれたときに、「働く女は1人産んだら十分だろ」って言われたんですよ。(安藤)

左から:NakamuraEmi、安藤裕子
左から:NakamuraEmi、安藤裕子

―一緒に東名阪ツアー『QUATTRO MIRAGE presents「TOUR MIRAGE 2019」』を回られる前に、お二人がそれぞれ今どういうモードにいるか、そして「いい歌」とはどういうものだと考えられているのか、といったお話を交換できたらなと思っています。

安藤:去年の『QUATTRO MIRAGE』でEmiちゃんがSalyuちゃんとやっていたのを観に行ったんですけど……なんかね、自分の歌うことへの疑問が、休んでみても消えなくて(編集部注:2016年3月に9thアルバム『頂き物』をリリースして以降、いくつかのライブには出演していたものの、レコード会社から離れて約2年間作品リリースはなかった)。ライブを観たときに、羨ましい気持ちになったんです。

みんなすごく真っ直ぐ歌っていて、熱量がすごかったんですよ。それを観ていたら、「私、なんでこんなにいつまでも曖昧なんだろう?」と思って。彼女たちが歌っている姿を観ていると泣けてきたんです。悲しいような、さみしいような、妙な気持ちになった。だから今回、羨ましいなあと思ってた舞台に立てるのはいいなあ、と思って。へへ(笑)。

安藤裕子(あんどう ゆうこ)<br>1977年生まれ。シンガーソングライター。2003年ミニアルバム『サリー』でデビュー。2005年、月桂冠のテレビCMに“のうぜんかつら(リプライズ)”が起用され、大きな話題となる。2014年には、大泉洋主演映画『ぶどうのなみだ』でヒロイン役に抜擢され、デビュー後初めての本格的演技にもチャレンジ。2018年にデビュー15周年を迎えた。2019年6月12日に新曲『恋しい』を配信リリースし、7月27日には、BSテレ東土曜ドラマ9『W県警の悲劇』の主題歌『鑑』を配信リリースした。
安藤裕子(あんどう ゆうこ)
1977年生まれ。シンガーソングライター。2003年ミニアルバム『サリー』でデビュー。2005年、月桂冠のテレビCMに“のうぜんかつら(リプライズ)”が起用され、大きな話題となる。2014年には、大泉洋主演映画『ぶどうのなみだ』でヒロイン役に抜擢され、デビュー後初めての本格的演技にもチャレンジ。2018年にデビュー15周年を迎えた。2019年6月12日に新曲『恋しい』を配信リリースし、7月27日には、BSテレ東土曜ドラマ9『W県警の悲劇』の主題歌『鑑』を配信リリースした。

―そのライブからの1年間で、安藤さんの中の「自分が歌うことへの疑問」は消えました?

安藤:いや、今も曖昧ですよ、すごく。「楽しいな」って思える日もあれば、「なんで私ここに立ってるのかな、なんで人が見てるのかな、怖いな」ってなるときもあるし。そのあいだを行き来してますよ、とっても。

―そもそも、歌うことへの疑問を持ち始めた理由を聞いてもいいですか?

安藤:うーんと……一番は、子どもができて(2011年9月に出産)、体調が非常によくなかったし、当時いた事務所とのコミュニケーションがよくなかったところもあって。私が動かないと事務所が回らないから、子どもが産まれたときに、「働く女は1人産んだら十分だろ」って言われたんですよ。「2人も3人もほしいって思うのは、ちょっとわがままだよね」って。そう言った彼はそのとき酔っ払ってたし、彼も大変だったでしょうし、悪意はなかったと思うんだけど。

NakamuraEmi:わあー……。

NakamuraEmi(なかむらえみ)<br>1982年生まれ。神奈川県厚木市出身。カフェやライブハウスなどで歌う中で出会ったヒップホップやジャズに憧れ、歌とフロウの間を行き来する現在の独特なスタイルを確立する。2016年1月、メジャーデビューアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』をリリース。2019年10月2日からNHK Eテレで放送されるテレビアニメ『ラディアン』第2シリーズのエンディングテーマに、新曲“ちっとも知らなかった”を書き下ろした。
NakamuraEmi(なかむらえみ)
1982年生まれ。神奈川県厚木市出身。カフェやライブハウスなどで歌う中で出会ったヒップホップやジャズに憧れ、歌とフロウの間を行き来する現在の独特なスタイルを確立する。2016年1月、メジャーデビューアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』をリリース。2019年10月2日からNHK Eテレで放送されるテレビアニメ『ラディアン』第2シリーズのエンディングテーマに、新曲“ちっとも知らなかった”を書き下ろした。

安藤:でも私は、怒る気持ちにならなかったんですよ。「あっ、そう思ってんのか、みんな」とだけ思って。当時それがあったから、お腹が大きいときもレコーディングしてたし、子どもが産まれた3か月後くらいには撮影をしてたんですけど、混乱が残っちゃって。

自分の中で混乱している状態でツアーへ出たときに、人前が怖くなっちゃったんですよね。みんなに責められているような気持ちになって、怖くなって、歌えなくなって、過呼吸みたいになっちゃった。自分で作って散々歌ってきた曲なのに歌詞が出てこなくて。……本当に、「アッ」てなるの。

―女性としての混乱を抱えたまま、ライブの本番日だけが次々とやってくるって……めちゃくちゃつらいし怖いですね。

安藤:あと、子どもを産んだ年に震災もあったり、私の祖母が亡くなったりして、死生観が深くなりすぎて人の生き死にみたいなものが重くのしかかりすぎちゃった。

しかも、そういう曲が増えると、お客さんからヘルプが強くきたりして……死んじゃう人とかもいて。「なんかこれ、音楽じゃないな」って思ったりもしたんですよね。自分は違う場所に行ってしまったなって。そう思ったら、曲作りが楽しくできなくなっちゃって。

安藤裕子

安藤:それで『頂き物』(2016年3月リリース)という、人からもらった曲でアルバムを作ったんですけど。そのアルバムに「1曲だけ自分の曲を入れな」って言われて“アメリカンリバー”を作って録り終えたときに、「もう私、絶対に曲はできない」と思って、レコード会社をやめることにしたんです。

安藤裕子“アメリカンリバー”を聴く(Apple Musicはこちら

NakamuraEmi:それでだったんですね……。

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イベント情報

『QUATTRO MIRAGE presents「TOUR MIRAGE 2019」』

2019年10月2日(水)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
出演:
安藤裕子
NakamuraEmi

2019年10月3日(木)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO
出演:
安藤裕子
NakamuraEmi

2019年10月7日(月)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
出演:
安藤裕子
NakamuraEmi
みゆな(オープニングアクト)

リリース情報

安藤裕子『鑑』
安藤裕子
『鑑』

2019年7月27日(土)配信

安藤裕子『恋しい』
安藤裕子
『恋しい』

2019年6月12日(水)配信

NakamuraEmi『ばけもの』初回生産限定盤
NakamuraEmi
『ばけもの』初回生産限定盤(CD)

2019年5月29日(水)発売
価格:1,204円(税抜)
COCA-17637
※紙ジャケ仕様

1. ばけもの
2. Don't(Live)
3. 甘っちょろい私が目に染みて(Live)
4. バカか私は(Live)
5. かかってこいよ(Live)
6. モチベーション(Live)

NakamuraEmi
『ばけもの』

2019年5月29日(水)発売
価格:900円(税込)
COKM-42423

1. ばけもの
2. 雨のように泣いてやれ(Live)
3. 使命(Live)
4. 甘っちょろい私が目に染みて(Live)

プロフィール

安藤裕子
安藤裕子(あんどう ゆうこ)

1977年生まれ。シンガーソングライター。2003年ミニアルバム『サリー』でデビュー。2005年、月桂冠のテレビCMに“のうぜんかつら(リプライズ)”が起用され、大きな話題となる。類い稀なソングライティング能力を持ち、独特の感性で選ばれた言葉たちを、囁くように、叫ぶように、熱量の高い歌にのせる姿は聴き手の心を強く揺さぶり、オーディエンスに感情の渦を巻き起こす。物語に対する的確な心情描写が高く評価され、多くの映画、ドラマの主題歌も手がけている。CDジャケット、グッズのデザインや、メイク、スタイリングまでを全て自身でこなし、時にはミュージックビデオの監督まで手がける多彩さも注目を集め、2014年には、大泉洋主演 映画『ぶどうのなみだ』でヒロイン役に抜擢され、デビュー後初めての本格的演技にもチャレンジした。2018年にデビュー15周年を迎え、初のセルフプロデュースとなるアルバム『ITALAN』を発売。2019年6月には、15周年を締めくくる全国4か所のZeppツアーを開催。2019年6月12日には新曲『恋しい』を配信リリース。7月27日には、BSテレ東土曜ドラマ9『W県警の悲劇』の主題歌『鑑』を配信シングルとしてリリースした。

NakamuraEmi
NakamuraEmi(なかむら えみ)

神奈川県厚木市出身。1982年生まれ。山と海と都会の真ん中で育ち幼少の頃よりJ-POPに触れる。カフェやライブハウスなどで歌う中で出会ったHIPHOPやJAZZに憧れ、歌とフロウの間を行き来する現在の独特なスタイルを確立する。その小柄な体からは想像できないほどパワフルに吐き出されるリリックとメロディーは、老若男女問わず心の奥底に突き刺さる。2016年1月20日、日本コロムビアよりメジャーデビューアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』をリリース。収録楽曲の「YAMABIKO」が全国のCSやFM/AMラジオ52局でパワープレイを獲得。2018年秋にはNakamuraEmi×Volkswagenコラボレーションソング『相棒』をデジタルと7inchアナログを、2019年2月20日には4thアルバム『NIPPONNO ONNAWO URAU Vol.6』をリリース。10月2日(水)からNHK Eテレで放送されるテレビアニメ『ラディアン』第2シリーズのエンディングテーマが、NakamuraEmiの新曲“ちっとも知らなかった”に決定した。

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