特集 PR

CRCK/LCKSの哲学と特異性 中村佳穂、Charaらの手紙から紐解く

CRCK/LCKSの哲学と特異性 中村佳穂、Charaらの手紙から紐解く

CRCK/LCKS『Temporary』『Temporary vol.2』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:関信行 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

CRCK/LCKSは、「いろんなことをやってるミュージシャンが集まったバンド」ではない

―続いては、楽曲にも参加していたり、ライブでのバックバンドを務めたりと親交のあるNegiccoのMeguさん。

CRCK/LCKSさんメンバーひとりひとりの活躍が本当にすごいなあと思ってみています。

ひとりひとりも応援していて好きだし、メンバー全員が集まった時、例えるなら、ゲームの最後にでてくるラスボスが集まったみたいな、最強感も好きです。

今回のアルバム『Temporary』は、緻密で繊細な柔らかさ、優しさが、溢れでていて、疲れて荒れた心が、元の場所にスッと戻って落ちついてくれるような、そんなアルバムだと思っています。

すごく好き。また共演できる日を心から楽しみにしています!

Negicco Megu
Megu(Negicco)
Megu(Negicco)
CRCK/LCKS・アーティスト写真(左から:井上銘、石若駿、小田朋美、越智俊介、小西遼)
CRCK/LCKS・アーティスト写真(左から:井上銘、石若駿、小田朋美、越智俊介、小西遼)

小西:……嬉しい。ご褒美だなあ、この取材(笑)。Negiccoのファンのみなさんは、一度共演しただけでこっちのライブにも来てくれるようになったんですよ。気がついたら、ネギライトを持った人たちが散見されるようになってた(笑)。Negiccoのお客さんは「アイドルが好き」ってだけじゃなくて、「音楽そのものがすげえ好きなんだな」っていうのがわかって、めちゃ嬉しかったですね。

小田:Negiccoと共演した帰りの新幹線で、(井上)銘くんがNegiccoのファンの人に話しかけられて、「あそこのギターリフが最高でした」って私たち以上に熱く語られてたことあったよね(笑)。

CRCK/LCKSが編曲と演奏を手がけたNegicco“そして物語は行く”を聴く(Apple Musicはこちら

小田:個人的に、4年間バンドをやっていて、「バンドメンバー全員を平等に魅せなきゃ」って気負いがいい意味でなくなっていったんですよ。

私は、一人ひとりのプレイのなかに自分のお気に入りを見つけることがライブの楽しさだと思っていて、それを歌モノでやるためには、ボーカルの私だけが目立っちゃいけないと思っていた。でもあるとき、小西や他のメンバーが「ボーカルとしてドンと構えろ」みたいに提案してくれたんです。

小田朋美

小田:確かに、自分が一番かっこいいぞくらいの気持ちでステージに存在していないと最高なものにならないし、それって結果的にバンドとして魅力的じゃなくなっちゃうんですよね。歌の存在感がドーンとしててこそいろんな音がさらに際立つところを、私が悪い意味での平等主義でいたら、逆に取りこぼしちゃうんじゃないかって。最近は、もっとステージ上でのあり方を追求していきたい気持ちがあります。

小西:去年のツアー前後くらいから、小田と銘がめっちゃよくなったんですよ。だから「これは前に出したい」って思って、実際に今回のツアーから小田を1フロントにして。最初は「試しに」って感じだったんですけど、お客さんの反応もめちゃくちゃよかった。「わかりやすさが大切」とは言わないけど、伝え方は大切だなって思いますね。

『CRCK/LCKS 1st full album “Temporary” release party』より
『CRCK/LCKS 1st full album “Temporary” release party』より

小田:バンドのみんなへの信頼が、さらに増したというのは大きいです。前にいようと後ろにいようと、かっこいいものは絶対に届くんですよね。みんなのかっこよさを信じてるからこそ、自分が最高にかっこよくいなきゃって。改めてそう思えたのは、大きな変化でした。

―Meguさんもバンドとしてだけではなく、「一人ひとり」に言及していますもんね。

小田:Negiccoも一人ひとりに芯があってそれぞれ大好きなんだけど、「3人集まったときのNegicco最高!」なんですよね。ソロはソロの魅力があるけど、Negiccoとして集まったときにはそれぞれの役割があって、みんなでNegiccoというものをちゃんと作り上げている。それがすごく尊いし、かっこいいなって思うんです。

CRCK/LCKSに関しても、みんなそれぞれ活躍していること自体はすごくいいけど、「いろんなことをやってるミュージシャンが集まったバンド」じゃなくて、「この5人でCRCK/LCKSなんだ」ってところから始まっていきたい。それは最近すごく思っていますね。

左から:小田朋美、小西遼
左から:小田朋美、小西遼

「3つお手紙を読んで不思議に思うのは、私がその相手に対して思っていることが書いてあるんです」(小田)

―続いては、小西さんがサポートメンバーとして参加しているTENDREです。

音楽愛のぶつかり合いの賜物。 それぞれの持つ揺るぎなき強固な個性ゆえ、ぶつかり合うそれは良き複雑さもあり、とても純粋でもある。

バンドという一つの生命体の新しい形を見出している彼らの新たな一手は、そこにより磨きがかかり、なんたる美しきものと印象をうけました。

“KISS”をはじめ、バンド自らの世界に聴衆を優しく手を引くような様は、クラクラのまた麗しき純粋な面で魅せられますし、その先でも沢山の感情を魅せてくれる。

唯一無二という言葉が相応しい彼らの面持ちを早くライブで観たくなってしまいました。

TENDRE
TENDREこと河原太朗(「TENDREが語る、脚光を浴びるようになるまで 転機となった出会い」より / 撮影:垂水佳菜)
TENDREこと河原太朗(「TENDREが語る、脚光を浴びるようになるまで 転機となった出会い」より / 撮影:垂水佳菜)

小西:CRCK/LCKSのみんなもそうだけど、(河原)太朗ちゃん(TENDRE)は音楽に対して実直なんですよね。「素直」ってほど優しい言葉でもなく、音楽に対しても、音楽をやる自分に対しても、その音楽に関わる周りに対しても、ものすごく真摯に、厳しくいられる人。自分がここ何年かで出会った人のなかでも、特にそうですね。

自分の音楽への揺るぎない信念があって、それを貫き通している。だから、「そんな些細なことを?」ってところまで、ものすごく突き詰めるんですよ。そういう厳しさを持った太朗ちゃんにこういう言葉を言ってもらえるのはすごく嬉しいですね。

小田:本当に真摯だよね。

左から:小田朋美、小西遼

小西:めちゃくちゃ真摯。やっぱり、太朗ちゃんはバンドの先輩なんです。ampelのメンバーとして俺なんかより遥かに長くバンドでやってきて、「バンドっていうのはひとつの生命体なんだ」ってことをよく知っているんだと思います。

小田:ここまで3つお手紙を読んで不思議に思うのは、私がその相手に対して思っていることが書いてあるんですよね。鏡になっているというか、その人が大切にしているものが言葉になって出てきてるんだろうなと思います。私もTENDREを見ると美しいなって思うんですよ。彼自身が人として美しいし、バンドのあり方としてもそう。

―「音楽愛のぶつかり合いの賜物」とありますが、言葉どおりにぶつかり合うこともありますか?

小西:最初から結構みんな言葉はきつくて、「これはかっこよくないと思う」「これをやる意味がわからない」とかはっきり言い合いますよ。それでも、ちゃんと理にかなっているから全然嫌ではないんですよね。最近はそれがもっとむき出しになってきてる。以前はもっと理路整然と話していたけど、感情混じりで話すようになってきたというか。

小田:これは人間関係の基本ですけど、長くやっていると情の世界に入っていくんですよね(笑)。もちろんそこにはいい悪いどっちもある。でも真剣だからこそ感情が出るわけで、CRCK/LCKSがそういう関係になってきたのはいいことだなと思います。

左から:小田朋美、小西遼
Page 2
前へ 次へ

リリース情報

CRCK/LCKS『Temporary vol.2』
CRCK/LCKS
『Temporary vol.2』(CD)

2019年12月18日(水)発売
価格:2,000円(税込)
APLS-1913

1. かりそめDiva
2. IDFC
3. interlude#1
4. Crawl
5. interlude#2
6. 素敵nice
7. Rise

CRCK/LCKS『Temporary』
CRCK/LCKS
『Temporary』(CD)

2019年10月16日(水)発売
価格:2,750円(税込)
APLS1912

1. KISS
2. 嘘降る夜
3. Searchlight(Album ver.)
4. ひかるまち
5. La La La - Bird Song
6. 春うらら
7. ながいよる
8. demo #01
9. 病室でハミング(Live Ver.)

イベント情報

『CRCK/LCKS 1st full album「Temporary」release tour final』

2019年12月18日(水)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST
料金:前売3,500円 当日4,000円

プロフィール

CRCK/LCKS
CRCK/LCKS(くらっくらっくす)

小田朋美、小西遼、井上銘、越智俊介、石若駿からなるポップスバンド。2015年結成。2016年4月に1stEP『CRCK/LCKS』を発表。ジャズ界隈をメインに活動していた彼らによるポップスは、ハイセンスな楽曲群に加え、そのフィジカルの強さにより各方面から賞賛を獲る。メンバーそれぞれがcero(小田朋美)、TENDRE(小西遼)、菅田将暉(越智俊介)、くるり(石若駿)などJ-POPの中心をサポートし、着実にプレイヤーとして、バンドとして成長を見せるなか、2019年10月16日に1stフルアルバム『Temporary』をリリース。タワーレコードのバイヤーが選ぶ「タワレコメン」への選出、タワーレコードが仕掛ける店頭展開プログラム「未来ノ和モノ」への選出などポップスバンドとして充分に注目を集めている。アルバムツアーファイナル同日に新作EP『Temporary vol.2』をリリース。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

『角舘健悟 × 青葉市子 Live at Waseda Scotthall』

2020年、全4回にわたって行われてきた対談連載企画『角舘健悟の未知との遭遇』。青葉市子と遭遇し、教会に迷い込んだ2人の秘密のセッションの様子が公開された。本連載の趣旨でもあり、2人を繋いだYogee New Wavesの”Summer of Love”と、青葉市子の”みなしごの雨”を披露。クリスマスの夜にどうぞ。(川浦)

  1. KID FRESINOが示す良好なバランス。多層的な創作者としての姿勢 1

    KID FRESINOが示す良好なバランス。多層的な創作者としての姿勢

  2. 木村拓哉がスーツ姿で仲野太賀、塚地武雅と共演 マクドナルド新CM 2

    木村拓哉がスーツ姿で仲野太賀、塚地武雅と共演 マクドナルド新CM

  3. Gotchが歌う「生の肯定」 現代社会のほころびを見つめ直して語る 3

    Gotchが歌う「生の肯定」 現代社会のほころびを見つめ直して語る

  4. 山田孝之主演のNetflix『全裸監督』シーズン2 新ヒロインに恒松祐里 4

    山田孝之主演のNetflix『全裸監督』シーズン2 新ヒロインに恒松祐里

  5. 綾野剛が白昼の商店街を疾走、映画『ヤクザと家族 The Family』本編映像 5

    綾野剛が白昼の商店街を疾走、映画『ヤクザと家族 The Family』本編映像

  6. キンプリ平野紫耀と杉咲花がウサギになりきってぴょんぴょんするHulu新CM 6

    キンプリ平野紫耀と杉咲花がウサギになりきってぴょんぴょんするHulu新CM

  7. 『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎の日輪刀を再現 「うまい!」などセリフ音声収録 7

    『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎の日輪刀を再現 「うまい!」などセリフ音声収録

  8. 吉高由里子、知念侑李、神宮寺勇太が「アレグラFX」新広告キャラクターに 8

    吉高由里子、知念侑李、神宮寺勇太が「アレグラFX」新広告キャラクターに

  9. 緊急事態宣言下における「ライブイベント公演の開催」に関する共同声明発表 9

    緊急事態宣言下における「ライブイベント公演の開催」に関する共同声明発表

  10. ermhoiの「声」を輝かせている生い立ち、思想、知識、機材を取材 10

    ermhoiの「声」を輝かせている生い立ち、思想、知識、機材を取材