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パノラマパナマタウンが掬いあげる、社会の中で死んじゃってる心

パノラマパナマタウンが掬いあげる、社会の中で死んじゃってる心

『GINGAKEI探索in MADO』
インタビュー・テキスト・編集
矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
撮影:小杉歩

世の中は知らないことの方が絶対に多いけど、それってめちゃめちゃプラスだと思うんです。(岩渕)

―“エイリアン”を聴いていると、Chim↑Pomが前に、東京の再開発について話してくれたことを思い出したんです。公共の場って、本当は雑多な人間がいられる空間のはずなのに、あくまでお互いが迷惑をかけないとする人たちが楽しめるための「マジョリティ」の場に変わってる、っていうような(参照:Chim↑Pomが、「ロボット」でなく「人間」レストランを開く理由)。

岩渕:ああ、その話知ってます。余白がなくなってるっていうのは本当に思いますね。誰でも入れるところとか、なにをしてもいい場所がなくなってきてるし、目的があるものしかなくなってきてるっていうのは、渋谷を歩いててもすごく思います。

左から:タノアキヒコ、田村夢希、岩渕想太、浪越康
左から:タノアキヒコ、田村夢希、岩渕想太、浪越康

―今ホームレスの方の話を聞いて、「公共」とか「迷惑」とか「自由」ってなんなんだろう、って改めて思いました。“Chopstick Bad!!!”も、マナーとか礼儀のことを歌ってて、それらって人に迷惑をかけないためにあるんだろうけど、でも迷惑をかけないのが必ずしもいいというわけでもないし。本当は「迷惑をかけちゃだめ」じゃなくて「お互い様」を子供のときから教えた方がいい、って個人的にはいつも思ってるんですけど。

パノラマパナマタウン“Chopstick Bad!!!”を聴く(Apple Musicはこちら

岩渕:確かに、そうですよね。迷惑かけた方がいいことも絶対にあるし。そうしないと突破できないものっていっぱいあるはずですよね。僕も迷惑をかけずに、いざこざが起きないように生きちゃってるから、それがつまんないなと思うときもあるし。僕、本当は、普通の会話では生まれ得ない言葉とか仕草が大事だと思ってるんですよ。

―どういうことですか?

岩渕:今ここで叫んでみるとか、笑いたいときに笑うとか、そういう仕草一つひとつがめっちゃ大事だなと思っていて、そういうのを殺したくないっていう気持ちが本当に、本当にあって。それが社会によって殺されてると思ってるから。

マナーとか慣習とかで普通の会話をしちゃうけど、別に叫びだす人がいてもおかしくないじゃないですか。だから逆に、みんな普通に話してることの方が自分にとっては怖くて。それがやっぱり面白くなくしてることだと思ってますね。もちろん、それが社会を成り立たせてるのかもしれないけれど。

左から:タノアキヒコ、田村夢希、岩渕想太、浪越康平
左から:タノアキヒコ、田村夢希、岩渕想太、浪越康平
左から:タノアキヒコ、田村夢希、岩渕想太、浪越康平

―『GINGAKEI』は日本人が抱く恐怖心を指摘してくれてる、って最初に言いましたが、「人に迷惑をかけることへの恐怖」もそうだと思う。他には、1曲目“Dive to Mars”では知らないものとかわからないものに対する恐怖心とか否定を指摘していて、それって最近世の中でより顕著になってるなと思っていて。

岩渕:わかるっすわー。未知なものに対して本当に怖くなってるし、未知なものが許せない、みたいになってる人もすごくいますよね。自分が知ってるなにかに変換したい、みたいな気持ちが湧くから、すぐに「何々っぽい」とか括ったりするし。自分らも「何々系」とか言われたりするんですけど、そういうのも結局、なにか知ってるものにハメないと理解できないんだなと思って。

―サビでは<君が見てるより世界は不明!>と言ってるけど、それを恐怖心の意味とかではなく、ポジティブに言っているのは、まさにそうあるべきだなと思いました。

岩渕:不明なことって全然恐れることじゃないし、喜ばしいことだなと思って書きましたね。世の中は知らないことの方が絶対に多いけど、それってめちゃめちゃプラスだと思うんですよ。だって、めっちゃ楽しいじゃないですか?

―岩渕さんがいろんなカルチャーを探求するのも、そういう原動力ですか? カルチャーってなんのためにあるのだろう、という質問も今日岩渕さんに投げてみたいと思っていたんですけど。

岩渕:僕は知らないものに出会いたいんです。音楽にしろ映画にしろ展覧会にしろ、聴いたことのないものや見たことのないものって、永遠にあって。「これ見たことないな!」っていうものが見たくてしょうがない。心を豊かにしてくれると思ったことがなければ、教養が得られるとも思ったことないけど、「見れた!」という喜びがとにかくデカイんですよね。

―すっごくシンプルですね。

岩渕:普通に生きてたら見れないようなものが見れる、知れないものを見せてくれるって、すごく楽しいですから。自分にとってカルチャーはそういう意味ですね。

岩渕想太
岩渕想太
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リリース情報

パノラマパナマタウン『GINGAKEI』
パノラマパナマタウン
『GINGAKEI』(CD)

2019年11月13日(水)
価格:1,980円(税込)
AZCS-1087

1. Dive to Mars
2. 目立ちたくないMIND
3. ずっとマイペース
4. Chopstick Bad!!!
5. HEAT ADDICTION ~灼熱中毒~
6. エイリアン
7. GINGAKEI

イベント情報

『パノラマパナマタウン 「銀河探索TOUR 2019-2020」』

2020年1月13日(月・祝)
会場:大阪府 BIGCAT

2020年1月19日(日)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

『俺の命はクリスタルガイザー何本分なのよ』
『俺の命はクリスタルガイザー何本分なのよ』

2019年12月16日(月)~12月25日(水)
会場:東京都 歌舞伎町 人間レストラン
時間:18:00~5:00

プロフィール

パノラマパナマタウン
パノラマパナマタウン

メンバーは岩渕想太(Vo,Gt)、浪越康平(Gt)、タノアキヒコ(Ba)、田村夢希(Dr)。福岡、広島、大阪、神戸と、それぞれ出身の異なる4人が、神戸大学の軽音楽部で集まり、結成されたオルタナティヴロックバンド。ロックとヒップホップ両方に影響を受けた、熱いライブパフォーマンスと独特なワードセンスを武器に奔走する4人組。2015年、ロッキング・オンが主催する『RO69JACK』でグランプリを獲得し、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』へ初出演。「MUSICA」「A-Sketch」「SPACE SHOWER TV」「HIP LAND MUSIC」が「MASH A&R」として主催する4社合同オーディションでグランプリを獲得。2016年3月には初の全国流通盤となる『SHINKAICHI』をリリース。2018年1月17日、メジャーデビューミニアルバム『PANORAMADDICTION』をリリース。2019年2月13日、1stフルアルバム『情熱とユーモア』をリリース。2019年11月13日にミニアルバム『GINGAKEI』をリリースし、同月15日からアルバムをひっさげてのツアー『銀河探察TOUR 2019-2020』を開催。年内はゲストを迎えた2マン公演で全国をまわり、年明けには大阪BIGCAT、恵比寿LIQUIDROOMでもワンマンライブも決定している。

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