
CHAI、学生時代を振り返る。軽音部時代を語り、日本の就活を斬る
Honda- インタビュー・テキスト・編集
- 矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
- 撮影:山本佳代子
「ドアを開けよう! 外へ出よう! 走り出そう! 私はどこにだって行ける」――そんな言葉を発するCHAIの声を、最近テレビなどから耳にした人も多いはず。
3月6日に公開され、12日よりテレビでも放送されているHondaのCMに出演中のCHAI。CMに起用されている楽曲“NO MORE MAKE”は、昨年2月にリリースし海外メディアでも高い評価を得たアルバム『PUNK』以来の新曲だ。
Hondaは現在、前に進む10~20代の若者を応援するプロジェクト「Honda×Music バイクに乗っちゃう? MUSIC FES.」を実施中で、CHAIの他、マカロニえんぴつ(インタビュー記事)、雨のパレード、the peggiesが参加中。この先“NO MORE MAKE”のミュージックビデオも、Hondaとのスペシャルコラボで制作されるという。
CHAIへのインタビュー前編では、キャンペーンのテーマと重ねて、4人が高校の軽音部で抱いていた不安や、上京前にCHAIをやめようとして大泣きした人生の迷いについてなど、これまで聞くことのなかったエピソードをたくさん語ってくれた。意外と「就職」という道も見ていたCHAIのメンバー。ただし、CHAIは、日本の就活をぶった斬る。
3人が一緒だった高校時代。ユナは「ハズレ者」とされても、意地でもドラムをやめなかった
―これまで何度も取材させてもらってますが、結成前や学生の頃の話って、意外と聞いてこなかったんですよね。だから今日はこのプロジェクトのテーマ「若者たちが不安や迷いから一歩を踏み出すための応援」に合わせて、10代の頃の不安や迷いについてCHAIにお伺いしたいなと。
ユウキ(Ba,Cho):高校のときは、高校の世界だけを見てたもんね。その世界しか知らなくて不安があったね。
マナ(Vo,Key)・カナ(Vo,Gt):わかる~。
ユウキ:高校を出るときも出るときで、不安だったね。
ユナ(Dr,Cho):そうだね~。

CHAI(ちゃい)
左から:ユナ、ユウキ、カナ、マナ
ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組。海外の活動も活発で、2018年2月にアメリカの人気インディーレーベルBURGER RecordsよりUSデビュー、8月にイギリスの名門インディーレーベルHeavenly RecordingsよりUKデビューを果たす。2019年は2ndアルバム『PUNK』が世界中の様々な音楽サイトで軒並み高評価を獲得し、アメリカ、UK / ヨーロッパ、日本を回る初のワールドツアーを大成功に収める。また2020年1月には世界的なスターMac DeMarcoのオーストラリアツアーのサポートアクト、1月から2月にかけては世界から絶賛されているUSインディーバンドWhitneyのサポートアクトに抜擢された。
―マナさん、カナさん、ユナさんは同じ高校で、軽音部でバンドを組んでオリジナル曲も作っていたそうですが、当時からコンプレックスやかわいいに対する考えを表現してたんですか?
カナ:いやいや全然。そのときは部活への想いだけ歌ってた。
―部活への想い?(笑)
マナ:でも、そういう部活だったの。
ユナ:そうそう~。
マナ:すごくちゃんとした、体育会系な部活だったの。全国大会を目指しましょう、っていう部活だった。
ユナ:私、排除されかけてた。いつもギリギリだった~。
―そこで言う「ちゃんと」ってなに?
マナ:真面目さが一番認められる。そういう空間だった。だから真面目な曲が正義だった。
―「真面目な曲」ってなに?
ユナ:なんて言うんだろうね。想いを伝える、みたいな。曲に気持ちを乗せるのが大事で、その感情で歌う、その気持ちを音で出すように叩く、みたいなことを高校のときは心がけてた。
マナ:そういうのを大事にしとったから、みんな卒業式みたいな曲をずっと作ってた!
―卒業式みたいな曲(笑)。それに窮屈さを感じてたんですか?
マナ:少しは感じてたけど、そこでトップになるにはそれが一番だったから。トップになりたい、っていう気持ちがあって、ずっと先輩をライバルに感じてた。
カナ:顧問の先生がね、いい人なんだけど、「青春を部活に捧げよ」みたいな感じだった(笑)。その当時はそれがすごく楽しかったんだけどね。ユナは卒業後、専門学校に行ったんだけど、最初先生に反対されてたよね?
ユナ:そう。もう、本当に、けちょんけちょんに言われてて。私、部活の中でハズレ者だったの。それはたしかに私がそうなることをしてたし、反抗的な態度を出してたから、まあそうなんだけど。
ただ私はドラムがやりたくて高校を選んだもんで、今ここでやめたら「ドラムへの気持ちが生半可!」と思って意地でも居座ってたのね。そうしたら最後、進路のときに、先生から「お前はミュージシャンになれない」みたいに言われて。それが人生を決められそうな感じのセリフだったからさ。
意地でもずっと居続けて、最後にそう言われたもんだから、そのときはもう私の反骨心がマックス! 「もう絶対専門に行く! 意地でも行く!」って。それで今ここにいる(笑)。
ユウキ:最高じゃ~ん!
―不安や迷いが大きいときこそ、自分の意志が一番大事だっていう。
ユナ:ほんとに! だから軽音部のときは、「私の気持ちが負けたら嫌だ」っていう不安と戦ってた。「私、そんな気持ちでこの高校に来たのか?」みたいな。「この人(先生)に曲げられたくない」とも思ってたし。でもたまに曲げそうになるんだよね。私、やっぱりダメかな、みたいな。
それに、ここの部活で馴染めないんだったら、今後社会でもやっていけないんじゃないかって思うこともあって。今ここで離脱したら、私はずっと負け組、ダメ人間なんじゃないかって。だから「私、今ここで負けたら、私が終わる」って、自分に対する不安もあった。でも、ずっと居座り続けて、今に至る!
ユウキ:負けなかったね!
ウェブサイト情報

- 「Honda×Music バイクに乗っちゃう? MUSIC FES.」
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今を全力で走るアーティストとHondaでスペシャルコラボミュージックビデオを制作し、前に進むみんなを応援するプロジェクト。CHAIの他、マカロニえんぴつ、雨のパレード、the peggiesが登場。
リリース情報

- CHAI
『NO MORE CAKE』 -
2020年3月27日(水)配信
イベント情報
- 『CHAI JAPAN TOUR 2020「Ready Cheeky Pretty CHAI」』
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2020年5月30日(土)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO
出演:
CHAI
長岡亮介2020年5月31日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
出演:
CHAI
中村佳穂 TRIO2020年6月13日(土)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
出演:
CHAI
Homecomings2020年6月14日(日)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
出演:
CHAI
崎山蒼志
プロフィール

- CHAI(ちゃい)
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ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」、それがCHAI。2017年1stアルバム『PINK』が各チャートを席捲、音楽業界を超え様々な著名人からも絶賛を受ける。2018年には日本テレビ系『バズリズム02』の「コレはバズるぞ2018」1位、『第10回CDショップ大賞2018』入賞など、各所より高い評価を得る。3rd EP『わがまマニア』はApple Music/ iTunesオルタナティブランキング1位を獲得。海外の活動も活発で、2018年2月にアメリカの人気インディーレーベルBURGER RecordsよりUSデビュー、8月にイギリスの名門インディーレーベルHeavenly RecordingsよりUKデビューを果たし、4度のアメリカツアーと、2度の全英ツアー、アメリカ、ヨーロッパ各国のフェスへの出演、中国・香港・台湾・韓国などアジアツアーも果たす。2019年2月13日にはタイアップ曲など話題曲満載の2ndアルバム『PUNK』をリリースし、世界の音楽ファンから最も信頼を受ける。音楽サイトPitchforkで8.3の評価を得たのを筆頭に、様々な音楽サイトで軒並み高評価を獲得し、アメリカ、UK / ヨーロッパ、日本を回る初のワールドツアーを大成功に収める。また2020年1月には世界的なスターMac DeMarcoのオーストラリアツアーのサポートアクト、1月から2月にかけては世界から絶賛されているUSインディーバンドWhitneyのサポートアクトに抜擢される。彼女たちに触れた君の21世紀衝撃度No.1は間違いなく「NEOかわいい」バンドCHAIだよ!