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山縣良和と考える10代の「学び」。変幻自在な自分を知ること

山縣良和と考える10代の「学び」。変幻自在な自分を知ること

GAKU
インタビュー・テキスト
杉浦太一(CINRA, Inc. 代表取締役)
撮影:鈴木渉 編集:後藤美波(CINRA.NET編集部)

ここだけじゃないんだよっていうことを伝えたいんですよね。

―中高生の保護者の方からすると、クリエイティブな学びの価値は感じつつも、GAKUに行く時間があったら塾に行かせた方が良いんじゃないかと考える人もいると思います。そういう状況のなかでクリエイティブ教育をどう位置づけるかということを考えたりはしますか?

山縣:うーん、やっぱり親御さんに対しても丁寧にお伝えてして理解してもらうことなのかもしれないですね。可能性や価値観は一つじゃないですって。

一般的にダメだって思われそうなものにもポテンシャルを見出してくれる。そういう価値観や人が存在する。だから、今見えている部分だけが世界でもないんだよっていうことを伝えたいんですよね。

山縣良和

―色んな価値観に触れることってすごく大事である一方で、子供たちにとっては、たくさんある確からしさのなかから自分で選ぶ、軸を作っていくというのは難しい問題でもあると思います。

山縣:だからこそ、出会うことが必要なんじゃないかな。人間ってどうしても出会いの数も情報処理能力のキャパも限られますよね。そのなかで人と肉体的に出会って、「本当にこんな人いるんだ!」って体感することってやっぱり大きいと思います。だからリアルに出会うきっかけを作ることはすごく大事だと思います。

自分の記憶でも、大したことを言われたわけじゃないけど、会って言われたことってすごい覚えてたりするじゃないですか。

―なるほど。僕らがやっている「Inspire High」はオンラインですけど、やっぱりフィジカルであること、場をやることの意義ってそういうところなのかもしれないですね。

山縣:そうですね。特にGAKUは教壇に立っている先生を見るだけっていう形式の空間ではないですし。大人だけでなく、色んな子供たちとも出会えると思います。

子供たちが寝っ転がってても良いなって。学び方も千差万別で、他のことをしていても良い。

―GAKUのスペースも、普通のスタジオや教室とは一味違う空間になっていますよね。

山縣:そうですね。カーペットを敷くというイメージは前からあったんです。羊毛のカーペットはすべてイランから取り寄せたものです。子供たちが寝っ転がって勉強してても良いなって。そしてふとカーペットの原産地であるイランという国に思いを馳せたり。学び方も千差万別で、時には他のことをしていても良いですし、色んな学びの姿勢が生まれるような空間が良いなって思っていました。

あとは「学びの集積地」って言っているくらい色々な先生が来るので、その方々でアレンジして好きに使ってもらえばと思っています。椅子とか机とか全部取っ払って、カーペットだけにしても良いですし、色んなコミュニケーションが生まれれば良いですね。

GAKU室内
GAKU室内

―山縣さんご自身はGAKU全体のディレクターでありつつ、GAKUで「coconogacco foundation」というプログラムを展開されますよね。そこではどんなことをやっていく予定ですか?

山縣:「foundation」って土台という意味にもなるので、ワークショップなどをたくさんやって色々体感しながら、ファッションや服を作ること、纏うこと、それらの原点のような部分をやれる場所になればいいなと。そのうえで10代にフォーカスした環境を作ってみたいなと思っています。

―それだけでなく、GAKUではアートや音楽、食など色々なプログラムがラインナップされていますね。

山縣:菅付雅信さんがオーガナイズされる「東京芸術中学」は、本当に多ジャンルな、刺激が強い方々と交わる機会になるんじゃないかと思います。ほかにも音楽や映像制作、建築に関するものだったり、これからも多彩なプログラムを企画しています。とにかく色んなことが起きている場になると良いなと思っています。

山縣良和
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施設情報

GAKU

10代の若者たちが、クリエイティブの原点に出会うことができる「学び」の集積地。アート、映像、音楽、建築、料理など、幅広い領域で、社会の第一線で活躍するアーティストやデザイナー、先進的な教育機関が、10代の若者に対して、本質的なクリエイティブ教育を実施する。10代の若者が、本物のクリエイターと実際に出会い、時間を過ごし、ともに考え、試行錯誤をしながらクリエイションに向き合うことで、まだ見ぬ新しい自分や世界、すなわち、原点のカオスに出会うことを目指す。ディレクターには、writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)のデザイナー山縣良和を迎え、世界的評価を受けるファッション・スクール「ここのがっこう」、カルチャーWEBメディアCINRAによるオンラインラーニングコミュニティ「Inspire High(インスパイア・ハイ)」などが集まり、感性、本質的な知識、自己と他者の原点を理解する精神を育むプログラムを構成する。

プロフィール

山縣良和(やまがた よしかず)

2005年セントラル・セント・マーチンズ美術大学を卒業。在学中にジョン・ガリアーノのデザインアシスタントを務める。2007年にリトゥンアフターワーズを設立。2008年より東京コレクションに参加。2014年に毎日ファッション大賞特別賞を受賞。2015年には日本人として初めてLVMHプライズのセミファイナリストにも選出された。またファッション表現の研究、学びの場として、2008年より「ここのがっこう」を主宰。「GAKU」のディレクター。

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