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秋山黄色×佐藤寛太対談 互いに認め合う「異常さ」、交わる遊び心

秋山黄色×佐藤寛太対談 互いに認め合う「異常さ」、交わる遊び心

秋山黄色『サーチライト』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:関信行 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)、飯嶋藍子

「他校と一緒に合同練習してきた、みたいな(笑)」――ふたりが確かめ合った本気の遊び心と、創作における信念

左から:秋山黄色、佐藤寛太

―ニヤッとしたっていうのは、「わかるわ」みたいな感覚?

秋山:というか、僕はそれまでインターネットを通した寛太さんしか知らなかったわけですけど、シンパシーを感じることを信じるというか、寛太さんに対して確信があったんです。だから、実際の案をもらったときは、想像してたティラノサウルスがそのまま来た感じ(笑)。

寛太:ティラノサウルス!(笑)

秋山:だから、「わかるわ」っていうのもあったけど、僕以外にも同じような人がちゃんと存在した安心感でもあって。僕も「ちょっとおかしい」って言われる側だったから、これまではアーティストと呼ばれる人とは距離を置いちゃってたんですよね。僕は不真面目の中に本質を見つけてしまったので、その瞬間を笑うためだけに作りたい。

でも、それを「冷めてる」と捉えられることも多くて……だから、今回の寛太さんへの一歩って、不安もあったし、恐る恐るでもあったけど、でも、信じてもいて。最初の打ち合わせは「そうだよね」っていう答え合わせみたいなものだったし、作品自体も思った通りになって、すごくホッとしてます。

左から:秋山黄色、佐藤寛太

―寛太さんにも最初の打ち合わせのときの感覚をお伺いしたいです。

寛太:今回の話が来て、「絶対やりたい」と思って企画書を作ったわけですけど、やっぱり「俺、こういうのしか作れんよ」っていうのもあるから、秋山くんがどういう反応をするのかは怖かったですよ。僕は理由をすごく考えちゃうタイプだし、「なんで自分はこれがやりたいのか?」がわからないと、テンションが上がらない。

だから、「洒落てる風」みたいな、「よくわかんないけど、それが逆にいい」みたいなものはできないなって。YouTubeでもそうなんですけど、「こう撮ってこう撮ったらこういう映像になる」みたいなものだと、視聴者さんより先に自分が飽きちゃう。人が作る意味があるものがいいと思うし、今回の撮影はすごく自分の成長にも繋がって……他校と一緒に合同練習してきた、みたいな(笑)。

秋山:その感じありますよね(笑)。

寛太:「みんなこうやって練習してるんだ」っていう。「秋山くんもこれくらい突き詰めてやってるから、こういうものができるんだ」っていうのがわかって、「自分の好きなものがこうやって作られてるんだから、自分ももっと頑張ろう」って気持ちになりました。

「水溜りボンドでアコギで弾けちゃうドッキリやってくださいね(笑)」(秋山)

―実際の撮影現場では、お互いに対してどんなことを感じましたか?

秋山:寛太さんは思った通りヤバかったです(笑)。とにかく速度が速い。現場での指揮も、ノーを出す速度も、位置を修正するのもスーパー速くて。さっき「こう撮ってこう撮って」みたいなのにはしたくないって話がありましたけど、そういう考えの人のジャッジがめちゃくちゃ速いって、本当にすごい。

寛太:速いというか、秋山くんがセットの中に立つだけでオッケーだったんですよね。こちらからはあんまり指示せずに、「伝えたいままにお願いします」って言ってカメラを回したら、「もうこれでいいじゃん」っていうくらい、映像を通して届くものがあったので、めちゃめちゃ安心しました。実はセットの関係で最後のシーンから撮ってるんですよ。

秋山:テンションマックスから撮ったんです(笑)。

寛太:早朝にマックスをお願いして(笑)、ライト調整して、秋山くんが入ったら、そこでバチッと決まって。僕の中でいちばん大事なシーンがバッチリ決まって「楽しい!」ってなったから、そのあとは伸び伸びできました(笑)。

秋山:できるだけ演技はしないで、いつものライブのようにやろうと思って。今回はバンドもいてくれたので、本当に自然にできました。僕、ライブで必ず右手の指を怪我するんですけど、この日もしっかり怪我してて。見えないと思うけど、途中から絆創膏してるんです。それくらい、リアルだったってことですね。

―SNSはときに人を大きく映し出してしまうけど、この楽曲と映像には嘘がなくて、等身大の姿が映し出されてる。それは今の時代に対するメッセージとも言えそうですね。

秋山:そうですね……これめっちゃバズったら、水溜りボンドでアコギで弾けちゃうドッキリやってくださいね(笑)。

「まさか自分が助けられるとは、みたいな感じでした」(秋山)

―最後に、今回のコラボレーションが今後の自身の活動にどんな意味を持ってくると思いますか?

寛太:僕は今後この曲に助けられるんじゃないかと思います。動画では迷ってる素振りは見せないですけど、自分の人生の中で迷う瞬間は当然あって。今回の経験は、僕の中でこの曲の意味として残ってるんで、めちゃめちゃ好きになりましたし、今後の指針にもなるんじゃないかと思いますね。

秋山:曲の構想段階ではまったく想像もしてなかった場所まで来てるので……本当にこんなことなかなか言わないですけど、大切な曲になりました。僕はこれまでほとんどの曲で「自分以外にもこういう人がいるんだよ」ってことを伝えるようにしてきたんですけど、それは「誰かを助けたい」みたいなことで。

ずっとひとりでやってきたけど、今回寛太さんと会って、自分以外にもこういう人がいるんだって実際にわかった。まさか自分が助けられるとは、みたいな感じでしたし、これからは仲間を増やそうって気持ちにもなりました。自分の中で一回ゼロになったというか、またスタート地点に立った感じがします。

左から:秋山黄色、佐藤寛太
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リリース情報

秋山黄色『サーチライト』
秋山黄色
『サーチライト』

2020年11月13日(金)配信

プロフィール

秋山黄色(あきやま きいろ)

1996年3月11日生まれ。栃木県宇都宮市出身。中学生の頃、TVアニメ『けいおん!』に影響されベースを弾き始め、高校1年生の時に初のオリジナル曲を制作。その後、YouTubeやSoundCloudなど、ネット上で楽曲を発表するところから音楽キャリアをスタート。2017年12月より宇都宮と東京を中心にライブ活動を開始。2018年6月に自主レーベルBUG TYPE RECORDSより第1作目となる“やさぐれカイドー”を配信リリースし、Spotifyバイラルチャート(日本)で2位にランクインし、「出れんの!?サマソニ!?」枠で「SUMMER SONIC 2018」へも出演。2019年2月には、Spotify「Early Noise 2019」に選出された。2019年1月には1stミニアルバム『Hello my shoes』を、8月には『夕暮れに映して』を配信リリース。「SPACE SHOWER RETSUDEN NEW FORCE 2019」や「JFL presents FOR THE NEXT 2019 supported by 日本セーフティ J-WAVE推薦“NEXT BREAK ARTIST”」にも選出された。ロックフェスに立て続けに出演し、9月にはTSUTAYA O-Crestにて初めてのワンマンライブを開催。2020年1月放送開始のTVドラマ『10の秘密』の主題歌である初めての書き下ろし曲“モノローグ”が話題に。新曲“サーチライト”がテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『先生を消す方程式。』の主題歌となっている。

佐藤寛太(さとう かんた)

動画クリエイター。カンタ名義で、大学でお笑いサークルで出会ったトミーとともに「水溜りボンド」として活動。2015年からYouTubeへの動画投稿を開始し、実験、検証、ドッキリに加え、ヤバいTシャツ屋さんや北村匠海とのコラボ動画など、幅広いジャンルの動画を毎日投稿している。2020年からは初の冠番組『水溜りボンドの○○いくってよ』(テレビ神奈川)、ラジオ番組『水溜りボンドのオールナイトニッポン0』に出演。本名の佐藤寛太名義では、室井雅也“ヒロインは君で”、岸洋佑“ごめんね”を始め多数のミュージックビデオを手がけるなど、映像監督としても活動している。

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