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角舘健悟の『未知との遭遇』青葉市子編

角舘健悟の『未知との遭遇』青葉市子編

角舘健悟の『未知との遭遇』
テキスト・編集
金子厚武
撮影:小林光大 編集:川浦慧、今井大介(CINRA.NET編集部)

「私にとっては“Summer of Love”、Yogee New Waves、角舘健悟さんっていう人と、デンマークがすごく密接に結びついてて」(青葉)

青葉:この話、昨日車のなかでちょこっとお話しした、自分らしさってなんだろうっていう話とちょっと通じるなと思ってて、私たちいま3人(カメラマン含む)でテーブルを囲んでますけど、そしたら、誰が自分かっていうのがちょっと曖昧になるというか、3人のいる空気を分け合ったものたちになるから、そこから生まれてくる言葉に自分で驚いたりするって話、健悟さんも昨日してましたよね。

(前日、車内での会話)

角舘:自分らしさ、意外と俺は見失うとき多くて、取材なのに相手の言葉に合わせてあげて、言葉を選んでしまったときとか、「やっちゃった……」みたいな、思ったりはするかな。

青葉:それは柔軟な人ができることですよね?

角舘:みたいですね。言葉が強い人がいると、そんなにぶつからなくてもいいかなと思っちゃうから、どうぞどうぞみたいな。でもそれはわかりやすい自分らしさとはちょっと性質が違うもんだから、自己嫌悪したりもするんだけど。市子さんどうです? 自分らしさは、なんですか?

青葉:私はね、自分がなんだかわかんないままいままできちゃってるから(笑)。

角舘:曲を書きながら自分っていうものが実体として出てくる瞬間とかってないですか?

青葉:どうですかね~。言うならば、反対かもしれない。

角舘:反対?

青葉:はい、どんどん形とか「私」みたいなものを見失っていって、歌があるような気もします。帰るというか、帰ってくる。ずっとわからないでいるんですよね。どこからどこまでが私なの? っていうのはずーっと不思議に思ってて。

角舘:自分らしさって言うと、守りに入るようなイメージがあるというか、ガチッと線引きをしなくちゃいけないような感覚があるんだけど、今回の対談連載で気づいたのは、自分らしさみたいなのって、意外と人から与えてもらってるものなのかなって。

無人島に一人ぼっちになったら、自分らしさが出てくるんだろうけど、それでも時折自分の仕草のなかに他の人の影が出てきたりとかして、その人を思い出したり。果たして自分らしさとは、本当に自分から出てるものなのだろうかって思うんだよね。

角舘:してましたね。だからなんかこう、対談企画っていう名目だからこそ話し合いがしたくて、対になって話したいのよ。だから、ほんとその自主性というか、今回で最後ですけど、自主性をどこまで一緒に高めていけるかってところは結構ポイントだったなって思ってて。今回市子さん、言い方が変だけど、楽チンだったというか。

左から:角舘健悟、青葉市子

青葉:それはよかった(笑)。

角舘:ものすごい自主性だった。この前のZoom会議のときの引っ張りようが完璧すぎて。そこ気づかないよね~っていう。そのケーキ食べてもいい? 俺も。

青葉:うまあ~。

角舘:うまっ! その会議のときね、教会に椅子ってあるわけで、俺は教会に馴染みがあるからてっきり使えるものだと思っていたんだけど、市子さんの「椅子を持っていた方がいいですよね」っていう、あの考え方が、おお~って。俺からするとね。やる~って。

青葉:人のお家だったり、ギャラリーだったり、美術館や教会だったり、いろんなとこでライブをしていくなかで、これは思い出のものだから触らないで欲しいとか、その人とか場所にしか分からない大事にされてるものとかってあって、椅子=座るものだから誰でも座っていいとは限らない。人間だからこそ大事にしているものとかがあって、そういう経験からですかね。

角舘:感心。

青葉:教会ってそういうの多そうだなって思って。これはお祈りに使うから、普段は飾ってる、とかありそうだなって。

角舘:前メキシコに行ったときに宿がなくて、本当に寒くて、ひとまず教会に入って、体を温める時間をもらったら、同じような人たちが結構いて、教会ってこうあるべきだよなって感じたんだよね。受け入れる幅というか。それこそ市子さんもデンマークに行ってましたよね?

青葉:そうそう。去年のちょうどいまごろですけど、そこでYogee New Wavesのことを初めてちゃんと知って、今日一緒にやる“Summer of Love”とかもそこでいっぱい聴いたから、私にとっては“Summer of Love”、Yogee New Waves、角舘健悟さんっていう人とデンマークがすごく密接に結びついてて。実際教会に行って、<教会に迷い込んで~♪>って歌詞を聴いて、本当にぴったりだなと思いながら、記憶に刻まれていて。

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プロジェクト情報

連載:角舘健悟の『未知との遭遇』

「Yogee New Waves」のボーカルとして活躍する角舘健悟が「未知との遭遇」をテーマに、様々な世界の未知なるアーティストと出会い、ものづくりや表現について対話し、「FUSION」することで、新しい創作物を生み出します。その過程をドキュメントし、カルチャーを愛する皆さんと一緒に応援し、楽しんでいく連載企画です。

プロフィール

青葉市子(あおば いちこ)

音楽家。1990年1月28日生まれ。2010年にファーストアルバム『剃刀乙女』を発表以降、これまでに6枚のソロアルバムをリリース。うたとクラシックギターをたずさえ、日本各地、世界各国で音楽を奏でる。弾き語りの傍ら、ナレーションやCM、舞台音楽の制作、芸術祭でのインスタレーション作品発表など、さまざまなフィールドで創作を行う。活動10周年を迎えた2020年、自主レーベル「hermine」(エルミン)を設立。体温の宿った幻想世界を描き続けている。12月2日、“架空の映画のためのサウンドトラック”として、最新作『アダンの風』を発表する。

角舘健悟(かくだて けんご)

1991年生、東京出身。2013年にバンド、Yogee New Wavesを結成、ボーカルを担当。2014年4月にデビューe.p.『CLIMAX NIGHT e.p.』でデビュー。昨年、3rdアルバム『BLUEHARLEM』、12月に『to the MOON e.p.』をリリース。最新作は今年7月にシングル『White Lily Light』を発表。全国各地の野外フェスの出演やアジアを中心に海外公演を重ねる。バンド活動の傍ら、テレビ番組・TVCMのナレーションなど活動の場を拡げる。音楽、ファッションの両面で厚く支持されている。

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