特集 PR

なぜSuchmosはブレイクできた?マネージャー・金子悟が語る

なぜSuchmosはブレイクできた?マネージャー・金子悟が語る

CAMPFIRE
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:CINRA.NET編集部 編集:矢島由佳子

(Suchmosは)自分の生きてきたなかで培った力が、フルに発揮できるバンドなんじゃないかなと思いました。

―もともと金子さんはどういう経歴を経て、この業界に入り、Suchmosの担当になられたのでしょうか?

金子:学生時代はバンドをやっていて、仲間とDJイベントをやったりもしてたんですけど、だんだんやってることがルーティーンに感じられて、23歳のときに単身でヨーロッパに放浪に出たんです。イギリスでは、ルームメイトがNINJA TUNE(イギリスのクラブミュージック系のインディーレーベル)の人で、ラス・ガブリエル(テクノレーベル「Ferox」の主宰者であり、ミュージシャン)とかと遊んでました。

彼らの部屋には音楽機材があったので、自分でもなにか表現したいと思って、帰国してからは打ち込みのユニットを組んでいたんです。実家が長野なんですけど、仲間とスキー場で野外パーティーをやったり。

金子悟

―昔からルーティーンが好きじゃなかったんですね(笑)。

金子:そうですね(笑)。そこから縁があって、株式会社パルコ(クラブクアトロの運営会社)が音楽アーティストのマネジメントを強化することになったときに、MO'SOME TONEBENDERとSISTERJETの現場マネージャーとして、この世界に入りました。

そのあと、パルコがマネジメントを縮小することになったとき、会社に残るという選択肢もあったんですけど、僕はまだマネジメントの仕事をやり切れてないと思って、SISTERJETと一緒にスペースシャワーに移ったんです。

―「マネジメントの仕事をやり切れていない」というのは、どういう部分で感じていたのでしょうか?

金子:MO'SOME TONEBENDERにしろSISTERJETにしろ、僕が発掘したアーティストではなかったので、僕がマネージャーになったときには、バンドとしての方向性が大分固まっていたんです。マネージャーとしてのスタンスはパルコで教えていただいたので、あとは新しいアーティストを発掘して、ゼロからやってみたいという気持ちが大きくて。マネージャーだけではなくて、制作にも携わって、自分の力でどこまでできるのかを試したいという気持ちもありました。

―それで、金子さんが初めてゼロから手掛けたアーティストがSuchmosだったわけですね。彼らとはどのように出会ったのでしょうか?

金子:2013年くらいに、新人発掘のためにいろんなライブハウスに足を運んでいた時期があって、そんななかで会社から、「このアーティストいいから、観に行ってくれ」って言われたアーティストがいたんです。でも本番には行けなかったので、リハを観に行ったら、聞いていたリハの順番から変更があったみたいで、僕が行った時間にはSuchmosがリハをしてたんですよ。まだ4人時代の頃でした。

―もともとは、別のアーティストを観に行くはずだったと。ホントに偶然の出会いだったんですね。

金子:そうなんですよ。スケートボードを持ち込んで、映像とかにもすごいこだわってて、「なんだこのクソ生意気なやつらは」と思ったんですけど(笑)。でも、“YMM”のもとになる曲をやってて、ボーカルはいい声してるし、バンドの雰囲気もすごくよくて、会社に帰ったあとも気になって。それからSuchmosのライブに通うようになって、2013年の年末に新宿ロフトでオールナイトイベントがあったときに、そのパフォーマンスがすごくよかったので、正式に声をかけました。

―「一緒にやりたい」と思った、最大のポイントはどこだったのでしょうか?

金子:ルーツを大事にしてはいるところはもちろんなんですけど、それだけじゃないというか……彼らの野心を感じたんですよね。なので、大人の意見を入れなくても、彼らが表現していきたいことを導けるようにちょっとだけ矢印をつけてあげたら、上手くいくんじゃないかなって思ったんです。

金子悟

金子:あとは、バンドがいろんな要素を持っていたことも大きいです。メンバーはヒップホップとかソウル、ジャズが好きなんだけど、YONCE(Vo)は当時OLD JOEというバンドもやっていたように、ロックンロールが好きで。僕が高校生の頃に聴いてた「ミクスチャー」に近いものを感じたんです。ジャンルレスに、いろんなアプローチができそうだと思ったんですよね。

―金子さん自身がかつてジャンルレスな音楽の現場にいたからこそ、同じ匂いを感じたところもあるのでしょうか。

金子:たしかに、自分の「こういうアーティストを探してた」という像に、すごくハマっていたとは思いますね。自分の生きてきたなかで培った力が、フルに発揮できるバンドなんじゃないかなって。

Page 2
前へ 次へ

ウェブサイト情報

{作品名など}
CAMPFIRE

群衆(crowd)から資金集め(funding)ができる、日本最大のクラウドファンディング・プラットフォームです。

リリース情報

Suchmos『THE KIDS』
Suchmos
『THE KIDS』(CD)

2017年1月25日(水)発売
価格:2,700円(税込)
PECF-3174

1. A.G.I.T.
2. STAY TUNE
3. PINKVIBES
4. TOBACCO
5. SNOOZE
6. DUMBO
7. INTERLUDE S.G.S.4
8. MINT
9. SEAWEED
10. ARE WE ALONE
11. BODY

プロフィール

金子悟(かねこ さとる)

スペースシャワーミュージック事業本部 制作部 金子ルーム プロデューサー。1979年生まれ。2006年、株式会社パルコ入社。2012年、スペースシャワーネットワークに入社。Suchmos、SISTERJETのマネージメント / A&Rを務める。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

君島大空“遠視のコントラルト”

屈折したイノセンスが爆発するような、君島大空の“遠視のコントラルト”のMV。『The Bends』の頃のRadioheadのようなギターとセンシティブに揺ぐボーカルが描き出す、ピュアでまばゆい楽曲世界にクラっとくる。松永つぐみが手がけた映像も素晴らしく、実験映像的なカットを重ね、儚く消え入りそうな繊細で美しい才能を見事に切り取っている。爆音で凝視してほしい。
(山元)

  1. NUMBER GIRLがオリジナルメンバーで再結成、向井秀徳のコメントも 1

    NUMBER GIRLがオリジナルメンバーで再結成、向井秀徳のコメントも

  2. あいみょんから年下の子たち&大人へ 直感と瞬間の大切さを語る 2

    あいみょんから年下の子たち&大人へ 直感と瞬間の大切さを語る

  3. 『RISING SUN ROCK FES』第1弾でナンバガ、スカパラ、King Gnuら8組 3

    『RISING SUN ROCK FES』第1弾でナンバガ、スカパラ、King Gnuら8組

  4. Eveとは何者か? MVの総再生回数2億2千万回を誇る彼の歩みを考察 4

    Eveとは何者か? MVの総再生回数2億2千万回を誇る彼の歩みを考察

  5. 奥山由之が新たな手法で小松菜奈を撮影『SWITCH』特集 森山大道と対談も 5

    奥山由之が新たな手法で小松菜奈を撮影『SWITCH』特集 森山大道と対談も

  6. 映画『蜜蜂と遠雷』公開日が決定、参加ピアニスト発表&演奏場面の写真も 6

    映画『蜜蜂と遠雷』公開日が決定、参加ピアニスト発表&演奏場面の写真も

  7. 『君の名は。』ハリウッド版実写映画の監督はマーク・ウェブに決定 7

    『君の名は。』ハリウッド版実写映画の監督はマーク・ウェブに決定

  8. 多部未華子が猫の「にゃらん」と妄想旅 「じゃらん」新CM 8

    多部未華子が猫の「にゃらん」と妄想旅 「じゃらん」新CM

  9. 椿昇がバッサリ斬る、社会とアートの関係「京都の街に革命を」 9

    椿昇がバッサリ斬る、社会とアートの関係「京都の街に革命を」

  10. 劇団☆新感線『髑髏城の七人』6作がゲキ×シネに 第1弾は小栗旬主演の「花」 10

    劇団☆新感線『髑髏城の七人』6作がゲキ×シネに 第1弾は小栗旬主演の「花」