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『ミリオンアーサー』のスクエニ岩野Pに訊く、ゲーム業界の実情

『ミリオンアーサー』のスクエニ岩野Pに訊く、ゲーム業界の実情

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インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子

お客様に受けるポイントは、時代によってちょっとずつ変わってくるんです。

―スマホゲームのコアターゲット層は、どのあたりだと意識されているのでしょうか?

岩野:『ミリオンアーサー』でいうと、実際にお金を払っていただいているのは20代中盤から30代だと思うんですけど、アニメテイストを前に出すと、10代もプレイしてくれるんですよね。スマホゲームは正確な数字が計れないんですけど、ネットなどで反応を見てると、大学生とか高校生も非常に多いのかなと。課金している30代にしても、今ほどではないにしろ、深夜アニメが盛り上がり始めた世代だと思うので、そことも上手くフィットしたのかなと思います。

―『エヴァンゲリオン』や『魔法少女まどか☆マギカ』を見てる世代ですもんね。

岩野:一方では、『戦国IXA』とか、萌えが前面に出ていないようなゲームに関しては、より年齢が上の層な気もします。『戦国IXA』は、40代とか50代もやっている。そういう方たちは、人数的には多くなくても、ゲームをやり込んでくれている方が多い印象です。そこを狙おうとするなら、またやり方が変わってくるかもしれませんね。

岩野弘明

―岩野さんは、もともとラノベやアニメなどのカルチャーがお好きだったわけですか?

岩野:そうですね。エンタメを作る人って、作ろうとしてるコンテンツのテイストにちゃんと理解のある人じゃないと無理だと思うんですよ。たとえば今のアニメって、女性向けの勢いがすごいので、そこをターゲットにしようという話が当然出てくるわけです。でも、じゃあ僕がそれを作れるかって言われると、作れない。やっぱり女性以上に女性向けコンテンツにキュンキュンしたり、理解度を深めるのは難しいわけです(笑)。

同じように、僕には40代、50代のお客様たちがグッとくるポイントはわからない。なので、同世代とか、同じ趣味の人たちに向けたものを作ることに徹底していて、それが今の時代に合ってたのは運がよかったなと思います。

―『ミリオンアーサー』は、ご自身の「好き」を詰め込んだ作品でもあると。

岩野:ただ、もともとアニメをすごく見るタイプだったかっていうと、そうではなくて。『ガンダム』とか『エヴァ』くらいだったんですよ。でも、勉強のためにラノベを読みだしたら、すごく面白いなと思って、徐々にハマっていったんです。大人になってからハマったので、その面白さを客観的に見れているっていうのはひとつポイントかなと思います。

コアなところを突き詰めるだけだと、一部の人しかついてこれない。でも、ビジネスなので、前提として売らないといけないですよね。特に、プロジェクトを回すプロデューサーという立場においては、そのバランス感が非常に大事になります。

―後天的な趣味だったからこそ、客観的に見れて、バランスが取れたと。

岩野:「プロデューサー」と一言で言っても十人十色だし、どのやり方が当たるのかは、時代によっても変わるし、運もあると思うんです。そんななかで、僕自身に関して言うと、テキスト、絵、音楽、全部に興味があって、それをひとつにパッケージングすることで、ヒットにつながった。そういう意味では、興味に対するバランスも大事だと思います。

―ラノベやアニメだけでなく、いろんなものに対する興味や知識が『ミリオンアーサー』のヒットに結びついたと言えそうですね。

岩野:自分の軸となる好みはあった方がいいと思うんですけど、お客様に受けるポイントって、時代によってちょっとずつ変わってくると思うんです。ライトノベルで言うと、学園ラブコメが流行って、異能力ものが流行って、さらには20年前くらいに一度流行ったファンタジーものがまた流行ったり、今だと異世界転生ものが流行っていたり。流行りを追いつつ、その魅力に触れることで理解し、自分の好みもアップデートしていかないといけないと思っていますね。

ただし、流行りを追いすぎても結局後追いになるので、そこを打破するためには、流行りの歴史を押さえておく必要もあると思います。ファッションや音楽もそうですが、あらゆるエンタメは形を変えながらも、一定周期で昔流行った要素がまた流行る傾向がある。なので、昔流行ったヒット作などにも触れつつ、今に合った形で提案することが大事なのかなと。

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岩野弘明(いわの ひろあき)

スクウェア・エニックス 第10ビジネス・ディビジョン プロデューサー。『ミリオンアーサーシリーズ』『ましろウィッチ』『アリスオーダー』などを手がける。

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