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中村一義が振り返る、絵描きの夢を捨てて歩みはじめた音楽家人生

中村一義が振り返る、絵描きの夢を捨てて歩みはじめた音楽家人生

KORG
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:山元翔一

中村一義の音楽活動の拠点、プライベートスタジオ「100st.」

ここは、中村さんのプライベートスタジオ「100st.」。祖父母と暮らしていた実家の一室「状況が裂いた部屋」からほど近いこちらに拠点を移したのは、アルバム『OZ』(2005年)の完成後でした。「状況が裂いた部屋」からつながる空気感を得るため、レコーディングブース、コントロールルームの音の響き方は特にこだわったそうです。

最初は4トラックしか録音できないハードディスクレコーダー1台で宅録を始めた中村さんでしたが、アルバム『100s』の頃にPro Toolsを導入。無限にトラックが使えるようになりました。ただ、限られた機能しか使えないハードディスクレコーダーだったからこそ、そこで生まれたアイデアはユニークだったと考える中村さんは、Pro Toolsでもできるだけトラック数を抑えて作曲し、8トラックで成立しない曲は、今もボツにしているのだとか。

スタジオ風景
スタジオ風景

お気に入りの機材1:Nord「Nord Stage revision B」

Nord「Nord Stage revision B」(最新ラインナップ)
Nord「Nord Stage revision B」(最新ラインナップ)

ピアノやエレピ(電子ピアノ)、オルガン、そしてシンセサイザーと、様々な音色に多彩なエフェクト機能を加えたオールインワン・ステージキーボード。こちらも中村さんは、発売と同時に購入したそうです。

中村:アコースティックピアノの音が特に気に入っていて、『対音楽』と『海賊盤』のピアノは、ほとんど本機で弾いていますね。しかもこれ、エフェクト機能が面白いんですよ。ピアノにもものすごく深いコンプをかけたり、それをシンセのシーケンス音のように鳴らしたりすることができる。1つのピアノで、シンセっぽい音も、ギターっぽい音も出せるところもお気に入りの理由です。

中村一義

お気に入りの機材2:KORG「microKORG」

KORG「microKORG」
KORG「microKORG」(商品詳細

2002年に登場以来、プロアマ問わず数多くのミュージシャンから絶大な人気を誇り、10年経った今でも当時と同じスタイルのまま、世界中で活躍しているのが「microKORG」です。

中村:発売と同時に手に入れたから、2002年前後だったかな。僕の曲といえば、microKORGっていうくらい、その頃はもう使い倒しました。プリセットの音もものすごく好きですし、そこからエディットしていくのも簡単で、直感的に操作できるから嬉しいですね。ボコーダー機能もすごく便利で、先日の『金字塔』再現ツアーでも重宝しました。このシリーズは全て持っています!(笑)

中村一義

お気に入りの機材3:Moog「Little Phatty」

Moog「Little Phatty」
Moog「Little Phatty」(最新ラインナップ

アナログシンセの名機であるミニモーグ。その生みの親であるボブ・モーグ氏によってデザインされた「Little Phatty」は、ミニモーグと同様100%のアナログシグナルパスを持ちながら、MIDIやUSBにも対応した今を活躍するミュージシャンのための、新しいモーグシンセサイザーです。

中村:太いアナログシンセの音が欲しかったんですけど、本物のモーグだとコンディションに固体差もあるし、電源を入れてからピッチが安定するまで時間がかかるのも大変じゃないですか(笑)。それで悩んでいたときに本機の存在を知って、すぐに購入しましたね。音色も、モーグを継承しつつキラッとしたところもあって気に入っています。特に、アルバム『世界のフラワーロード』では全編にわたって使いまくっていますね。

Moog「Little Phatty」

お気に入りの機材4:YAMAHAアコースティックギター

YAMAHAアコースティックギター
YAMAHAアコースティックギター

YAMAHAのロゴが入ったこちらのアコギは、中村さんが友人から譲り受けたもの。今はほとんど使っておらず、弦も切れたままですが、高校を卒業して宅録を始めた初期は使い倒していたそうです。

中村:「状況が裂いた部屋」にThe Beatlesと同じ機材を持ち込んで、本格的に宅録を始めるまではこのアコギを弾いていました。なので“永遠なるもの”もこれで作っていますね。思い入れの強い、記念のアコギなので、デビューして間もなく『風待ミーティング』に出させてもらったときに、松本隆さん、細野晴臣さん、鈴木茂さん、そして高野寛さんにサインを書いていただきました。今は完全に観賞用です(笑)。

YAMAHAアコースティックギター

中村一義

「宅録アーティストの先駆け」としてデビューし、以降は作品ごとに音楽スタイルや名義さえも変えながら、前人未到の地平を切り開いてきた中村さん。「これからのことや、過ぎ去ったことを思い煩う必要はない。大切なのは、今この瞬間を楽しむこと」と言ったのはジョン・レノンですが、『金字塔』で<「僕は、今、ここにいる」>(“ここにいる”)と高らかに宣言した中村さんもまた、常に「現在という瞬間」だけを見据えながら、前へと進み続けています。『対音楽』でキャリアの折り返し地点に到達した彼が、この先どんな光景を私たちに見せてくれるのか。楽しみでなりません。

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スタジオ機材リスト

コンピューター
Apple「Mac Pro」

DAWソフト
AVID「Pro Tools 10」

シンセサイザー
KORG「microKORG」

Nord「Nord Stage revision B」

Moog「Little Phatty」

アウトボード
UREI「1176LN」「1178」

ミキサーコンソール
Solid State Logic「Matrix」

モニター
YAMAHA「MSP10 STUDIO」

マイク
Neumann「M149 Jubilee」

リリース情報

中村一義『世界は変わる』
中村一義
『世界は変わる』

2016年8月10日(水)から配信リリース

1. 世界は変わる
2. スカイライン(Live)
3. 大海賊時代(Live)
4. キャノンボール(Live)

プロフィール

中村一義
中村一義(なかむら かずよし)

1997年、シングル『犬と猫 / ここにいる』でデビュー。セルフプロデュース、そしてすべての楽器をほぼ一人で録音したデビューアルバム『金字塔』は独特な日本語詞と卓越したポップセンスにより、日本のロックシーンに多大なインパクトを与え、4枚のアルバムリリースしている。2004年にはバンド「100s」を結成。バンドとしての活動を経て、2012年には約10年ぶりにソロ名義で再始動し、アルバム『対音楽』を発表。2016年3月には、4年ぶりとなる最新アルバム『海賊盤』をリリース。

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