レポート

ポスト・マローン主催『Posty Fest』レポ。地元のヒーローが帰還

テキスト
辰巳JUNK
編集:後藤美波(CINRA.NET編集部)
ポスト・マローン主催『Posty Fest』レポ。地元のヒーローが帰還

テキサス州ダラスは、成田空港からフライトで10時間の距離にあるアメリカ南部の都市だ。このダラスを故郷とする24歳のアーティスト、ポスト・マローンは、2019年10月に自身の愛称「ポスティー」を冠した第2回となる音楽フェス『Posty Fest』を開催した。

今年アメリカで最も売れたアルバムと目されている『Hollywood's Bleeding』で正真正銘トップに立った若手ミュージシャンによるローカル主催イベントはいかなるものだったのか。現地レポートをお届けする。

最新鋭でありながら伝統的でもある、「ポスト・マローンらしい街」テキサス州ダラス

はじめに、テキサス州ダラスについて紹介したい。世界的にはケネディ大統領が暗殺された地として有名だが、周辺地域を含めると全米5位規模の大都市圏とされる。アジア系の姿は少ないが、黒人の人々は多く、ディクシー・チックスからアッシャーまでさまざまな音楽スターを輩出している。2010年代の代表格はもちろんポスト・マローンだ。

いざ観光してみると、非常に彼らしい街だと感じられた。ネットワーク企業が集まるネオンシティだが、アート地区や遊園地もあり、近隣都市フォートワースには古き良きウエスタンなストックヤード国立歴史地区がそびえ立つ。トラップラップ的かつカントリーやフォーク要素も孕むジャンル越境サウンドでストリーミングチャートを制した、つまりは最新鋭でありながら伝統的でもあるポスト・マローンのバランス感覚も腑に落ちるバラエティー豊かな地域だ。

ポスト・マローンの最新アルバム『Hollywood's Bleeding』(各種サービスで聴く・購入する

ダラスのランドマークである全長9mもの現代アート『The Eye』。シカゴのアーティスト、トニー・タセットの作品
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カウボーイや馬が行き交うストックヤードは西部劇の世界そのもの
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銃社会を感じさせる銃弾モチーフのお土産品も多い
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国境が近い影響でメキシカンとの融合「テクス・メクス料理」も名物
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フェス会場にはディッキーズやクロックスが出店。「Sunflowerの壁」やギター破壊体験など、徹底した「ザ・ポスト・マローン」な世界観

ポスティーが熱心に応援するNFLチーム「ダラス・カウボーイズ」の本拠地AT&Tスタジアムで行なわれた『Posty Fest』は、『コーチェラ』などの有名フェスとはさまざまな面で異なっている。スタジアム横の広大な野外エリアで行なわれた昼の部で目を引いたのは、徹底して「ザ・ポスト・マローン」な世界観だ。

美術は2ndアルバム『Beerbongs & Bentleys』のアートワークと同じイエローカラーで統一されており、マスコットキャラクターであるディミトリくんの巨大バルーンや着ぐるみも登場。ヒット曲“Psycho”のMVから飛び出したような戦車や巨大車両、“Sunflower”をイメージしたひまわりウォール、アルバムカバー柄のドリンクカップなど、すべての要素がポスト・マローンというアーティストのレプリゼンテーションになっている。

ポスト・マローンの楽曲“Sunflower”をイメージしたひまわりウォールや巨大車両
ポスト・マローンの楽曲“Sunflower”をイメージしたひまわりウォールや巨大車両
ひときわ目を引くディミトリくんの巨大バルーン
ひときわ目を引くディミトリくんの巨大バルーン
ポスト・マローンの2ndアルバム『Beerbongs & Bentleys』(Apple Musicで聴く

大衆ビールのバドライトや地元ブランドのディッキーズなど、これまでコラボレートしてきた企業を中心とした出店も並んでおり、なかでもクロックスは人ひとり入れるコラボサンダルのモニュメントまで設置していた。

さらにポスト・マローンの名物パフォーマンスとなっているギター破壊体験に、ゲーマーの彼らしいビデオゲームコンテストなど、パーソナルイメージを娯楽化したイベントも盛況。もはや、どこで写真を撮ってもポスティー要素が写り込む環境ができあがっている。ここまでの完成度だと、ただの音楽フェスではなく「ポスト・マローンというポップスター個人の世界観の没入体験」イベントだ。

ポスト・マローンがこれまでにコラボしてきたブランドが出店
ポスト・マローンがこれまでにコラボしてきたブランドが出店
クロックスの巨大モニュメント
クロックスの巨大モニュメント
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