レビュー

かつてあった少女時代の目を持って、「ひとつの自然物として」少女を描く

幾代沙緒里
2009/02/23
かつてあった少女時代の目を持って、「ひとつの自然物として」少女を描く

大槻香奈は「社会の中で生きる少女」ではなく「ひとつの自然物としての少女」を描いているという。アート界には「少女絵描き・アーティスト」と名乗るアーティスト・真珠子など、少女系と自称するアーティストは数多くいる。例えばその真珠子の絵が社会的な、眼差しの欲望の中にいる少女を描いているとすれば、大槻香奈の絵画はその反対である純粋な"いち少女"を描いているといえるだろう。それが「ひとつの自然物としての少女」である。"少女のような心を持った人だ"という比喩はよく使われるが、大槻香奈は少女の心と大人の心を併せ持つアーティストだろう。でなければ、「ひとつの自然物として」少女を客観視し描くことは不可能なはずだからだ。

彼女のアーティストとしての考え方の柱は彼女が日々更新しているブログエントリの端々に表れている。どんどんと強度を獲得してゆく彼女の、アクリル絵画によって表現される少女たちはCINRA MAGAZINE vol.15掲載の時よりもより重厚感を増して私たちの眼前にあらわれる。今回、東京での久しぶりの個展「生み出す無」がThe Artcomplex Center of Tokyoで開催される。進化した彼女の絵を是非見てほしい。

※このコンテンツは旧「ピックアップアーティスト」の掲載情報を移設したものです

プロフィール

大槻香奈

1984年2月17日生、京都在住。アクリル絵の具を中心にアートワークを展開している。 「社会の中で生きる少女」ではなく「ひとつの自然物としての少女」を、作者自身のかつてあった少女時代の目を持って、子供心から感じる今の時代に対する素直な思いを表現している。作品は日本や海外で展覧会を中心に発表しているが、これまでに「りそな銀行」の宣伝ビジュアルや、2009年初夏公開映画「アンを探して」の劇中絵画や、その他ポスターや様々な書籍カバーなどにも使用されている。

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