今週の編集部まとめ
毎週火曜日更新 2020年6月2日- BACKNUMBER
編集部員の、ちょっとひとこと
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自粛期間で炙り出された山欲
自粛期間は自分と向き合う時間が増えたことで(否応なしに向き合わざるを得ないほうが近いのですが)、自分が本当に求めているものや好きなものがハッキリしてきたように思います。「いろいろが戻って外に出られるようになったら、なにしたい?」を考えたとき、映画館や美術館を差し置いてわたしは「山」一択でした。日頃から山登りをしていたわけではなかったのに、山に行けないことに辛さを感じていた。山を知らないくせになんなんだろう。『山と渓谷』を読み漁り気持ちを鎮める。
都内の自粛要請が解除されてはじめての週末、ついに山に向かった。山ビギナーのうえ自粛期間中はろくに運動もしなかったにもかかわらず、気持ちが高ぶりすぎて縦走に挑戦。死ぬ思いで下山しました。iPhoneアプリの歩数計の上がり幅がすごい! -
Struggle
ジョージ・フロイドさんを警官が死亡させた事件がミネアポリスで起き、アメリカではデモが大規模な暴動にまで発展しています。ラップミュージックリスナーの私は、多くのミュージシャンが差別と苦闘しながら生きていることを、彼らの曲や発言から知っています。そして、クルド人に対する渋谷警察の拘束から、差別はアメリカ特有の問題ではなく、日本国内でも起きている問題であることがわかります。昨年、インタビューしたラッパーのACEさんは、中国人青年が日本で差別を受ける姿を描いた映画『コンプリシティ/優しい共犯』に関して、「日本に住んでいる、日本以外の国をルーツに持つ人間にとって、これは全然普通の日常なんだ」と語ってくれました。その一方で、ライターの杏さんは自身がアメリカで受けたレイシャル・プロファイリングの体験を綴っています。どちらも、日本で暮らす日本人は経験しない、もうひとつの日本の姿だと思います。誰もが他者を差別してしまう可能性も(意識していなくても)、差別を受ける可能性もある。すべての人が向き合うべき問題なのだろうと思います。