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未来から見た今を描く 永戸鉄也インタビュー
UA、サザンオールスターズ、THE BACKHORNなど国内トップアーティストのアートディレクションや映像、デザインなどを手がけながらも、その一方で自身の確かな作品世界を構築。アーティストとしても高い評価を得ている永戸鉄也。様々な素材を切り貼りする手法、「コラージュ」を武器にジャンルに捕らわれず、どんな舞台でも自らの世界を生み出す、その柔軟かつ折れることのない芯をもった活動の根本をうかがった。
(インタビュー:柏木ゆか 撮影:井手聡太)
永戸鉄也(ながと・てつや)
1970年生まれ。高校卒業後渡米、帰国後96年より作品制作と平行して音楽等の分野でアートディレクション、グラフィックデザイン、映像制作に携わる。2003年、第6回文化庁メディア芸術祭デジタルアート(ノンインタラクティブ)部門・優秀賞受賞。同年、トーキョーワンダーウォール公募2003・ワンダーウォール賞を受賞し東京都庁での個展を成功させるなどその活動は多岐にわたる。
TETSUYA NAGATO
3年で溜まっていたものを全部出して次へ行きたい
─今回は3年ぶりの個展ですが、全く同じ期間で3カ所に同時開催という変わった形式をとられたのはなぜなのでしょうか?

永戸:単純に言ってしまうとできることを全てやってみたかったからですね。なるべく普通じゃないことをしたいという思いもあります。作品を観てもらうことも大事ですが、この3年で溜まっていたものを全部出して次にいきたい気持ちがあります。
─さらに3カ所で「デジタルコラージュ」「写真」「(アナログな素材を使った)コラージュ」という異なる手法で魅せる、つまり異なる制作方法で作られた作品を3カ所で同時期に紹介する展覧会だ、と気づいたときにかなりのインパクトを受けました。
永戸: 3つの手法は全部自分の中では繋がっていることなので「なぜ、3カ所で3種類のことをしているのか」という意味が見ている人に伝わればと思っていますし、伝わるようになっています。
─永戸さんの身の回りの方は、今回の「3カ所同時個展」をどう捉えられたのでしょうか?
永戸:おそらく最初はなぜわざわざ同時に行うのか、と不思議に感じたと思います。ただ、濃く楽しみたいだけなんですけどね。
─確かに全部やりたい、という気持ちが伝わってきます。永戸さんは今回のイベントだけでなく、普段のお仕事でもデザイン、アートワーク、映像など幅広く手がけていらっしゃいますが、そこにも全てを楽しみたい思いが反映されているのでしょうか?
永戸:やりたいことが止まらなくなってしまうので、まずは行けるところまで行こうかなという開き直りもあります。一つ一つの精度は上がっていて、それぞれが循環してよい影響があるし、仕事にも個人の作品にも繋がっていっていますね。
─全てに共通する点はコラージュですが、コラージュをはじめたきっかけは何だったんでしょうか?

永戸:パソコンを買った当時はデジタルを用いて絵を描いてましたが、スキャナーを入手してから自分の手で描いた絵も取り込むようになりました。それを延々続けていたのが発展してデジタルコラージュになっています。そこからパソコンに入っているフォントを並べはじめて、自分の好きな文字詰めを考えはじめたことがデザインに繋がり、さらにそれをパソコンに取り込んで、自分の作品でも他の人の作品だろうと関係なく客観的に見る目ができたときに、これはディレクションもできる、と思ったんです。
それまでは作品を作るということしか知らなかったのが、それからは自分の作品を客観的に見て判断したり、色々な人達を適した場所に送り込んだりできるようになりました。そう考えるとディレクションもコラージュみたいな感覚ですね。
─アーティスト活動とディレクションをどうやって両立してやっているのか不思議に思っていたのですが、全てが興味の一直線上にあるんですね。
永戸:両立はしていないですね。僕にとっては一緒くたなことで、文字詰めもコラージュで切って貼るときの感覚も同じです。ただ、出来上がっているものが違うだけで自分が気持ちいい感じに配置しています。
─会期中もデザインのお仕事はされているんですか?
永戸:今が一番忙しいですね。展覧会の会期中にも撮影や、入稿しなきゃいけないものがあるけど、これができたらもうなんでもできるんじゃないかと(笑)。
─本当に限界に挑戦中ですね(笑)。
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