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アンテナガールの意外な正体 空中分解インタビュー
インタビュー・テキスト:金子厚武(2012/07/12)
ニコニコ動画で話題を呼んだクリエイターがCDデビューを果たすという流れはすっかり定着したが、そのクリエイターは大きく分けて2つのタイプが存在する。ひとつは、ボカロを入り口として音楽制作を始めたタイプ。もうひとつは、バンドなどで音楽活動をスタートさせながら、その途中でボカロに出会ったタイプで、サウンドプロデューサーPOCOの1人ユニットである空中分解は、後者を代表する存在である。「空中分解 feat.アンテナガール」名義で発表される4年ぶりの新作『ルミナスター』は、ボカロでの楽曲制作を経て、「アンテナガール」を新ボーカリストに迎えた、空中分解にとっての新たな一歩となる作品。「アンテナガール」とは、元々空中分解の曲に登場するキャラクターだったのだが、ここでは実在の人物(それもかなり意外な正体!)がその役を担当している。このリアルとバーチャルの不思議な混在は非常に現代的だが、これは選び取られたものではなく、POCOの音楽に対する真摯な思いが導いた結果だった。
空中分解
本編のオリジナル楽曲全ての作詞・作曲を手がけるサウンド・プロデューサー「POCO」 の一人ユニット名。自身を含め様々なヴォーカリストに歌わせ、数多くのクラブ、ファッションイベント、アニソン系イベントに出演を続け、Twitterのフォロワーは1万人を超える。初音ミクをフィーチャーした楽曲はiTunesエレクトロチャート5位、ニコ動ランキングは17位をマーク。本作ではボーカリストに“アンテナガール”をフィーチャリング。
空中分解/ku-tyu-bunkai
ちょうどSUPERCARが解散して、「このポジション空いてる!」って思ったんです(笑)。(POCO)
―まずは、POCOさんが音楽の道を志したきっかけから教えてください。
POCO:中学のときに尾崎豊とGLAYに感銘を受けて、僕も音楽をやりたいと思ったのが最初ですね。僕は兵庫の出身なんですけど、高校生になって、ライブハウスに出るようになった頃には東京に行くって決めてて、卒業を機にこっちに来ました。
―音楽の専門学校に入ったんですよね?
POCO:その頃から曲を作って歌っていたんで、学校でサウンドを一緒に作ってくれる人と出会えれば何とかなるんじゃないかと思ってたんですけど、なかなか難しかったですね。その頃fra-foaが好きで、そういう音楽をやりたかったんですけど、ボーカルの三上ちさこさんみたいな、アーティスト性のある人にはかなわないと思って。GLAYのTERUさんみたいに音域広く歌い上げることもできないし、「じゃあ自分の一番いいところ、伸ばせるところは何だろう?」って探すようになったんです。
―その結果として、空中分解が始まったと。
POCO:僕は打ち込みができて、曲が作れて、歌が歌えるっていうのが強みで、ちょうどSUPERCARが解散して、「このポジション空いてる!」って思ったんです(笑)。空中分解は学校で出会った3人で始まってて、僕は歌を歌って、あとサウンドプロデュースの子と、ギターの子がいて、「ポストSUPERCARを狙おう」って話をしてました。
―でも、徐々に音楽性が変化して行ってますよね?
POCO:capsuleとか元気ロケッツとかが出てきた頃が転換期でしたね。サウンドプロデュースの子が抜けて2人になったこともあって、「こっちに振り切っちゃおう」と。そこで、インディーデビューの話になったんです。
―2008年に出た『COCOLO COLOR』ですよね。そこから今回の作品までに、4年という時間が経ちました。
POCO:CDが出て1年ぐらい活動してたんですけど、またメンバーが抜けてしまって、1人になっちゃって。そのタイミングで、自分は曲を提供して、人に歌ってもらう側になることを目標にするようになっていったんです。このまま同じことをやっていても次のステップには行けないだろうなって、気がついたというか。それで、これまでよりもストレートに言葉とメロディを聴かせるようになりました。いわゆるJ-POPのカテゴリーの中で勝負がしたいと思ったんです。
―これまではずっと自分で歌ってきたわけですが、そこに対するこだわりはなかったんですか?
POCO:もちろん歌うのは好きですけど、インディーで1枚出して思ったのが、カラオケに入ってたりとか、「テレビで聴いたよ」って言われたりとか、そういうときにすごく幸せを感じたんですね。ライブで歌ってるときとはまた別の幸せがあって、僕は歌を歌いたいっていうよりも、作品を残したいんだなって思ったんです。
―なるほど。でも、1人になって、それでも「空中分解」を名乗り続けることに迷いはなかったんですか?
POCO:「これって空中分解なのか?」っていう迷いはありました。でも長くやってきてたので、サウンドは変わっても精神は変わらないし、ファンの子たちも長い目で見ててくれたんです。高校生の時から来てくれたファンだと、もう結婚して子供がいる子もいたりして、僕はメジャーでは新人ですけど、下積みは長いんです(笑)。
―どう変化しても、空中分解を好きでいてくれるファンが支えになったんですね。
POCO:そうですね。ちゃんと活動できてないときでも、ちょっとライブをするとみんなが来てくれて、それはすごくありがたかったです。ファンの人とマイミクしたり、Twitterをフォローしたり、スタッフを通さず直にコミュニケーションするようにしてきたので、それもよかったのかなって思いますね。
2/4ページ:あるとき名古屋のDJから連絡が来て、「空中分解、あっためておきました。うちに来てください」って言われて、僕は軽い気持ちで行ったら、会場の全員がAメロから歌えるんですよ!(POCO)















































