特集 PR

今、求められる歌の姿とは? 高野寛×ハナレグミの親密対談

今、求められる歌の姿とは? 高野寛×ハナレグミの親密対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:三野新

今年デビュー25周年を迎えた高野寛と、ハナレグミこと永積崇。この二人の関係性で思い出されるのは、やはり永積がかつて活動していたSUPER BUTTER DOGの“サヨナラCOLOR”だろう。高野が「僕がこれまで手掛けた曲の中で、トップ3に入ると思う」と語る大名曲は、プロデューサーの高野と、永積をはじめとしたバンドメンバーとの相互作用がなければ、決して生まれなかった一曲だったと言っていいだろう。その後二人は、竹中直人監督の映画『サヨナラCOLOR』のサントラ制作などでさらに交流を深め、今ではプロデューサーとミュージシャンという立場を超えた信頼関係を築いている。

そんな高野の通算18枚目となるオリジナルアルバム『TRIO』は、初のブラジル録音で、さらには25年目にして初めての一発録りを行った意欲作。一方、同時発売される高野のトリビュートアルバム『高野寛 ソングブック~tribute to HIROSHI TAKANO~』にはハナレグミが参加していて、かつてコーラスで参加したことのある“hibiki”をカバー。こちらは逆に、永積が初めての打ち込みに挑戦している。約15年の交流を経て、録音方法が逆転しているというのは面白い話だが、つまりこれは、今二人がスタイルよりも歌や楽曲そのものに目を向けていることの表れだと言ってもいいのかもしれない。そこで今回の対談では、“サヨナラCOLOR”の制作秘話など、二人の関係性を紐解きつつも、現在「シンガー」という立場から二人が歌に何を託しているのかを語り合ってもらった。根源的な力を持つ、確かな歌のありかを求めて。

SUPER BUTTER DOGのプロデュースのオファーをもらって改めてライブを見に行ったときに印象的だったのは、崇がリードボーカルなのに、MCをずっと池ちゃん(現・レキシの池田貴史)がやってたこと(笑)。(高野)

―先ほど写真撮影のときに永積さんが「えー!」って驚かれていましたが、何の話をされていたんですか?

永積:年齢の話です(笑)。

高野:今年(永積)崇が40歳、僕が50歳っていう(笑)。最初に会ったときはいくつだっけ?

高野寛
高野寛

永積:僕24とか25歳ぐらいじゃなかったかなあ?

―最初はどうやって知り合ったんですか?

永積:僕が記憶してるのは、昔六本木に「OJAS」ってクラブがあって、そこにクラムボンや、LaB LIFe、小池アミイゴさんみたいな、面白い人たちがいっぱいいたんですけど、ある日「高野さんが来た」っていう噂が広まって(笑)。

高野:「弾き語りのイベントがあるから」って呼ばれて行ったら、そのバーでバイトしてたのがクラムボンのミトくんで、「今度インディーでミニアルバムを出すんで、よかったら聴いてください」ってカセットをもらって、聴いたらすごく良くて。それからミトくんとかと仲良くなって、OJASにもときどき行くようになったんです。そこにレキシの原型となるユニットも出てましたよね。当時レキシはDJユニットで、池ちゃん(池田貴史)と崇の二人だったの。でも、基本の芸風は今と一緒(笑)。

永積:その頃から歴史モチーフを取り入れたり、確立されてましたね(笑)。

高野:ちょうどその頃、僕がバタードッグ(SUPER BUTTER DOG)と同じ事務所に移籍になって、彼らのプロデュースのオファーをもらったんです。それで改めてライブを見に行って、そのとき印象的だったのは、崇がリードボーカルなのに、MCをずっと池ちゃんがやってたこと(笑)。

僕はバンドのプロデュースをするときは、リハーサルとか曲作りのときからみっちり付き合う主義なので、練習スタジオにも何度も足を運んで、ずっと一緒にやってた記憶がありますね。(高野)

―高野さんのプロデュースワークとしては、やはりシングルの“サヨナラCOLOR”(2001年10月)であり、そのすぐ後に出たアルバム『grooblue』(同年12月)が思い出されますが、その頃はもう親密な仲になっていたわけですか?

永積:いや、まだ今みたいにフランクにいろいろ話せる感じではなかったですね。こんなふうに話せるようになったのは、ハナレグミを始めてから、高野さんが当時やっていたNathalie Wise(TOKYO No.1 SOUL SETのBIKKEとアンダーカレントの斉藤哲也、高野寛が2000年に結成したバンド)と一緒に竹中直人さんの映画(『サヨナラCOLOR』)のサントラをレコーディングしたりとか、そのあたりでどんどん親密になっていった感じです。バタードッグの頃は、まだプロデューサーとミュージシャンって関係性で、高野さんの家に行って、アレンジの相談をしたりしてましたね。

ハナレグミ
ハナレグミ

高野:僕はバンドのプロデュースをするときは、リハーサルとか曲作りのときからみっちり付き合う主義なので、練習スタジオにも何度も足を運んで、ずっと一緒にやってた記憶がありますね。ソロアーティストだともう少しアレンジャーっぽくなるというか、僕が仕切る場面が多くなるんだけど、バンドはやっぱり誰がリーダーシップを取ってるのかを観察して、その中でちょいちょい口を挟むぐらいの感じなので。

―まだ若いバンドにとっては、プロデューサーがいること自体が新鮮な経験だったでしょうね。

永積:そうですね。それまではずっと5人でやってて、ディレクターや事務所の社長が「もっとこうじゃん?」とか言ってくれてたんですけど、音楽的なアイデアをくれるプロデュサーがいるのはそのときが初めてで、「こういうのもアリでいいんだ!」って思ったり、すごく新鮮な経験でした。“サヨナラCOLOR”でストリングスを入れたりとか……あっという間だったんだけど、すごく濃かったイメージがあります。

Page 1
次へ

イベント情報

『高野寛バンドツアー「TRIO」 ~25th Anniversary 2nd season~』

2014年9月27日(土)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:兵庫県 神戸 ジーベックホール
料金:前売5,500円 当日6,000円(共にドリンク別)

2014年10月4日(土)OPEN 15:45 / START 16:30
会場:東京都 日本橋三井ホール
料金:前売6,000円 当日6,500円(共にドリンク別)

イベント情報

『高野寛 アコースティックツアー「ブラジルから遠く離れて」~25th Anniversary 2nd season~』

2014年8月22日(金)
会場:鳥取県 ギャラリーそら

2014年8月23日(土)
会場:三重県 radi cafe apartment

2014年9月6日(土)
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO

2014年9月7日(日)
会場:広島県 log

2014年9月14日(日)
会場:北海道 札幌 レストランのや

2014年9月15日(月・祝)
会場:北海道 札幌 たべるとくらしの研究所

2014年10月10日(金)
会場:香川県 高松 umie

2014年10月11日(土)
会場:愛媛県 若草幼稚園

2014年10月18日(土)
会場:栃木県 SHOZO 音楽室

2014年10月25日(土)
会場:鹿児島県 GOOD NEIGHBORs

2014年10月26日(日)
会場:福岡県 TAGSTA

2014年11月1日(土)
会場:岩手県 盛岡 大慈清水御休み処

2014年11月2日(日)
会場:宮城県 仙台 SENDAI KOFFEE CO.

2014年11月3日(月・祝)
会場:福島県 いわき burrows

2014年11月8日(土)
会場:奈良県 法徳寺

2014年11月9日(日)
会場:和歌山県 カーヒコ・オ・ケ・アクア

2014年11月21日(金)
会場:広島県 尾道 やまねこカフェ

2014年11月22日(土)
会場:滋賀県 旧大津公会堂

2014年12月20日(土)
会場:岡山県 蔭凉寺

2014年12月21日(日)
会場:大阪府 中之島デザインミュージアム

リリース情報

高野寛<br>
『TRIO』(CD)
高野寛
『TRIO』(CD)

2014年8月6日(水)発売
価格:3,240円(税込)
SUNBURST, inc. / SBST-005

1. Dog Year, Good Year
2. (それは)Music
3. 2つの太陽
4. See you again(RIO ver.)
5. 一分間
6. Morning Star
7. 確かな光(RIO ver.)
8. Mo i Kai
9. いつのまにか晴れ(2014)
10. On & On(& On)
11. 地球は丸い - A Terra é Redonda
12. ないものねだり
13. Free
14. Nectar
15. 美しい星(RIO ver.)
16. Petala - 花びら

.A.<br>
『高野寛 ソングブック~tribute to HIROSHI TAKANO~』(CD)
.A.
『高野寛 ソングブック~tribute to HIROSHI TAKANO~』(CD)

2014年8月6日(水)発売
価格:3,024円(税込)
Ultra-Vybe,inc. / OTCD-3872

1. 夢の中で会えるでしょう / 蓮沼執太フィル
2. hibiki / ハナレグミ
3. やがてふる / 高橋幸宏
4. エーテルダンス / ビューティフルハミングバード & 宮内優里
5. 確かな光 / 畠山美由紀+青柳拓次
6. ベステンダンク / 岸田 繁 (くるり)
7. オレンジ・ジュース・ブルース / anonymass with 湯川潮音
8. KAORI / 有里知花 with 宮川 剛・永見行崇
9. 夜の海を走って月を見た / 山田稔明 (GOMES THE HITMAN)
10. See You Again / アンチモン
11. ベステンダンク / おお雨 (おおはた雄一+坂本美雨)
12. All over, Starting over / 浜崎貴司
13. 虹の都へ / トッド・ラングレン

『We Are Here / 高野寛と素晴らしきラリーの仲間たち』
『We Are Here / 高野寛と素晴らしきラリーの仲間たち』

2014年9月6日(土)発売予定
RALLYE LABEL / RYECD100

1. 高野寛 × 宮内優里
2. 高野寛 × YeYe
3. 高野寛 × sugar me
4. 高野寛 × little moa
5. 高野寛 × CONCERT
6. 高野寛 × milk
7. 高野寛 × 宮内優里
※曲順、曲名は未定

ハナレグミ<br>
『だれそかれそ』(CD)
ハナレグミ
『だれそかれそ』(CD)

2013年5月22日発売
価格:3,045円(税込)
VICL-64024

1. Hello, my friend / 松任谷由実
2. 接吻 Kiss / ORIGINAL LOVE
3. 中央線 / THE BOOM
4. いっそ セレナーデ / 井上陽水
5. 空に星があるように / 荒木一郎
6. オリビアを聴きながら / 杏里
7. プカプカ / 西岡恭蔵
8. いいじゃないの幸せならば / 佐良直美
9. ウイスキーが、お好きでしょ / SAYURI
10. ラブリー / 小沢健二
11. エイリアンズ / キリンジ
12. 多摩蘭坂 / RCサクセション

書籍情報

『RIO』
『RIO』

2014年7月20日発売
著者:高野寛
価格:1,296円(税込)
発行:mille books

プロフィール

高野寛(たかの ひろし)

1988年、高橋幸宏プロデュースによるシングル「See You Again」でデビュー。現在までにベスト / ライブ盤を含む18枚のアルバムをリリース。代表曲は、「虹の都へ」「ベステンダンク」(共にトッド・ラングレンのプロデュース)、「夢の中で会えるでしょう」(坂本龍一プロデュース)など。ソロワークのほか、ギタリスト / プロデューサーとしても多くのプロジェクトに参加。ナタリー・ワイズ、GANGA ZUMBA(ガンガ・ズンバ)、pupa(ピューパ)等、バンドでの活動も精力的に行う。デビュー以来、音楽への真摯な姿勢と非凡なポップセンスは、多くの音楽ファンに支持されている。

永積崇(ながづみ たかし)

1974年東京生まれ。高校2年の頃よりアコースティックギターで弾き語りをはじめ、1997年、SUPER BUTTER DOG でメジャーデビュー。 2002年5月、ソロ名義で、はっぴいえんどのトリビュートアルバム『HAPPY END PARADE tribute to はっぴいえんど』に参加。同年、夏よりバンドと併行して、ハナレグミ名義でひっそりとソロ活動をスタート。ギター片手に単身、全国のライブハウスを廻る。2005年の夏にはSUPER BUTTER DOGの代表曲をタイトルにした竹中直人氏監督映画「サヨナラCOLOR」が公開となり、エンディングテーマとして忌野清志郎氏とのデュエットも披露している他、サントラも担当する。2013年5月にはハナレグミにとって初となる待望のカバーアルバム『だれそかれそ』をリリース。その深く温かい声と抜群の歌唱力を持って多くのファンから熱い支持を得ている。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

cero“ロープウェー”

「この曲を最初に聞いた時になぜか、じっと佇む飴屋法水さんとメンバーの姿が浮かび上がってきて離れなかった」と語るのは監督を務めた仲原達彦。モノクロの8mmフィルムで撮られた何気ない風景やロープウェーの映像のはずが、なぜか現実離れした幻想的な感覚へと連れていく。昨年末にリリースされ、すでに耳に馴染んだはずの楽曲の世界がさらに広がり深まるような映像世界。(宮原)