イギリス発のNetflix人気オリジナルドラマ『セックス・エデュケーション』のフィナーレとなるシーズン4が、9月21日に配信される。
ムーアデール高校を舞台に、性への関心が尽きないティーンエイジャーたちの悩みや恋、友情を描いた本作。学園コメディを基本としながら、性教育や性暴力、家父長制、ジェンダー、セクシュアリティなどの重要な社会的イシューが盛り込まれ、2019年の配信開始から大きな反響を巻き起こした。
シーズン4の配信を前に、ドラマのあらすじやシーズン1〜3までのストーリーをおさらいしておこう。
『セックス・エデュケーション』シーズン4 ティーザー予告編 - Netflix
シーズン1（2019年）、セックス・セラピーを開くことになったオーティスとメイヴ
オーティスとメイヴ / Netflix
『セックス・エデュケーション』の物語は、セックスは未経験だが性に関する知識を豊富に持つ主人公のオーティス（エイサ・バターフィールド）が、同級生・メイヴ（エマ・マッキー）からの誘いで生徒を相手にした「セックス・セラピー」のビジネスを始めるところから始まる。
セラピーには「自分の体をパートナーに見せたくない」「セックスがうまくいかない」など、年頃の生徒たちからさまざまな相談が寄せられるようになり、オーティスとメイヴの距離も縮まっていく。しかし、水泳チームのエースとして活躍するジャクソン（ケダル・ウィリアムズ・スターリング）とカジュアルな関係を続けていたメイヴは、ジャクソンからの告白を受けて正式に付き合うことに。
学園ドラマのお決まりのシーンを再現し、メイヴに歌で思いを告げたジャクソン
マスターベーションができないという悩みを抱えるオーティスは、同じく未経験のリリー（タニヤ・レイノルズ）からの誘いで童貞を捨てようとするも、幼少期に父親の浮気現場を目撃したトラウマがフラッシュバックしてしまう。
セックスセラピストとして働くオーティスの母・ジーン（ジリアン・アンダーソン）は、自宅の修理にきたヤコブ（ミカエル・パーシュブラント）と親しくなり、やがてオーティスもヤコブの娘・オーラ（パトリシア・アリソン）と親密になっていく。
シーズン1の終盤、オーティスに惹かれていたメイヴはジャクソンと別れることを決意するが、オーティスとオーラがキスをしている場面に遭遇してしまう。
妻を亡くし、オーラと暮らすヤコブ。
校内でもゲイであることをオープンにしているオーティスの親友エリック（ンクーティ・ガトワ）は、自身をいじめていたアダム（コナー・スウィンデルズ）と秘密の関係を持つが、問題児のアダムは厳格な父親に士官学校へ送られてしまう。
シーズン1では、予期せぬ妊娠をしたメイヴが中絶手術を受ける回（エピソード3）や、リベンジポルノでヴァギナの写真を流出させられたルビー（ミミ・キーン）を守るために、校内の女子生徒たちが「あの写真は私のヴァギナです」と次々と宣言するシーン（エピソード5）など、女性同士の連帯を描いたエピソードが記憶に残っている人も多いだろう。
オーティスとエリックの友情も本作の見どころの一つ。
シーズン2（2020年）でもすれ違うオーティスとメイヴ
マスターベーションができるようになったオーティスは、日常に支障をきたすほど自慰行為にのめり込んでしまうが、オーラとの関係を進めることができない。
オーティスとオーラ
薬物依存のリハビリを受けている母親と再会し、幼い妹とともに暮らすようになったメイヴは、近所に住むアイザック（ジョージ・ロビンソン）と親しくなるも、物語の中盤でオーティスに自身の思いを告げる。戸惑ったオーティスはオーラと別れることになったが、自宅で開いたパーティーでオーラとメイヴに暴言を吐き、2人を失望させてしまう。
浮気を繰り返し、誠実な関係を続けることができない父から「自分の欠点を含めて愛してくれる人たちを裏切ると、二度と取り戻せない」とアドバイスを受けたオーティス。クイズ大会の決勝に出場するメイヴに謝罪の留守電を残し、「愛してる」と自身の思いを告げるが、留守電のメッセージはアイザックに消されてしまう。
メイヴの近所に引っ越してきたアイザック。皮肉屋で、メイヴと親しくなっていく。
エリックは転校生のラヒーム（サミ・ウタルバリ）と付き合い始めるも、士官学校から戻ってきたアダムと秘密裏に会うようになる。シーズンの終盤、アダムは校内で開かれていたミュージカルに飛び入り参加し、エリックに思いを告げる。
詩集を好むラヒーム。猛アプローチの末、エリックと付き合うことになる。
性暴力、シスターフッド、アフターピル……さまざまなイシューが描かれる
シーズン2のエピソード3では、メイヴの親友・エイミー（エイミー・ルー・ウッド）が通学中のバスで痴漢被害に遭ってしまう。平気なフリを装うもトラウマを抱えたエイミーは、その後、バスに乗ることができなくなる。
エイミーはメイヴとともに警察に行き、被害を申告する。
人知れずトラウマを抱え続けていたエイミー。エピソード7では、居残り仲間となったメイヴ、リリー、オーラ、オリヴィア（シモーヌ・アシュリー）、ヴィヴ（チンエンヤ・エズデュ）にそのことを打ち明け、全員が過去に受けた被害について語り合う。翌朝、メイヴたちがバス停に集い、エイミーとともにバスに乗るシーンは、本シーズンのハイライトの一つだろう。
そのほかにも、両親からのプレッシャーでストレスを抱えるジャクソンとヴィヴの友情や、酔った勢いで一夜の関係を持ったルビーとオーティスが薬局にアフターピルを買いに行くエピソード、息子のアダムに完璧であることを執拗に求め、妻のモーリーン（サマンサ・スパイロ）から離婚を告げられるマイケル（アリスター・ペトリ）の苦難など、多様な登場人物たちのストーリーが描かれた。
長年のセックスレスに悩んでいたモーリーンは、マイケルに別れを告げる。
さまざまな変化があったシーズン3（2021年）。ルビーとの交際と別れ
性に奔放な「セックススクール」として有名になったムーアデール高校を改革するため、新校長にホープ（ジェマイマ・カーク）が就任する。
保守的な方針で学校改革を進めるホープ。シーズン後半で、3年にわたり不妊治療を続けていることも判明する。
母のジーンが妊娠し、ヤコブとオーラとの同居生活が始まったオーティスは、ルビーとカジュアルなセックスを楽しむ関係になっていた。スクールカースト上位にいるルビーはオーティスとの関係を隠そうとし、服装にも口出しするが、オーティスは「自分を受け入れてくれるなら君を知りたい」と告げ、正式に付き合うようになる。
エリック、アダムとダブルデートをするなど、順調に交際を続けていたルビーとオーティス。ルビーはオーティスを自宅に招いて父親を紹介し、信頼を深めていく。しかし、オーティスはルビーからの「愛してる」という言葉に答えられず、2人は別れることになる。
クイーンな三人組のルビー、オリヴィア、アンワル（シャニール・クラー）
メイヴはアイザックと進展するが、アイザックからオーティスの留守電を消していたことを打ち明けられ、関係に亀裂が生じる。校内行事のフランス旅行中、メイヴとオーティスはお互いの思いを打ち明け合い、急接近する。
性暴力を受けたトラウマから自身の体や身体的な接触に拒否感を持つようになったエイミーは、ジーンのセラピーを受け始め、自分の体との関係を見つめ直していく。
歪んだ学校改革に抗う生徒たち。キャルとジャクソンの関係
一方、ムーアデール高校の新校長ホープは規律を強化し、制服の導入や、性行為の危険性を教える禁欲的な性教育を取り入れていく。
シーズン3から初登場したノンバイナリーのキャル（デュア・サレー）は、スカートを履くことを拒否するも、ホープから制服の着方や振る舞いなどを執拗に指導されるようになる。
ホープは「学校の風紀を乱した」として、全校集会の壇上にアダム、リリー、キャルをあげ、生徒たちに対し「1週間話しかけるな」と酷い罰を与える。
一部の生徒たちの着替え場所となっていた廃墟トイレを取り壊し、男女別に授業を実施する学校の方針は、キャルのような性的マイノリティの生徒たちを取りこぼしていく。宇宙人に夢中だったリリーも不登校になってしまった。
キャルとジャクソン、ヴィヴ、そして生徒たちは結託し、学校の一般公開日にホープを出し抜いて性を肯定するビデオテープを流すことに成功する。
ヴィヴは成績のために初めはホープの方針に従っていたが、やがてジャクソンとキャルに協力するように。
キャルとジャクソンは、友情関係から次第に惹かれあっていく。しかし、自身を女性として扱おうとするジャクソンに違和感を覚えるキャルは、「付き合うとしたら君もクィアになる」と伝える。思い悩んだジャクソンは「僕はクィアじゃない」としながらも、関係を続けることで学んでいきたいと話すが、キャルは友達に戻ることを提案する。
売りに出されるムーアデール高校、別れを選んだエリックとアダム、メイヴはアメリカへ
シーズン3の最終エピソードでは、投資家たちは学校への出資を打ち切り、ムーアデール高校は売りに出されることが決まってしまう。
エリックはアダムとの関係を深めていったが、親戚の結婚式に出席するために訪れたナイジェリアで別の男性に出会い、キスをしてしまう。ゆっくりと歩みを進めるアダムとのすれ違いを感じたエリックは、アダムに別れを告げる。
また、メイヴは薬物使用によって再度離れ離れになった母親からアメリカへの留学資金を渡される。エイミーからの後押しもあり、メイヴはアメリカに行くことを決意した。
最終シーズンには多くの新キャラクターが登場
完結編となる最終シーズンは、9月21日に配信予定だ。
『セックス・エデュケーション』シーズン4 予告編
オーティス、メイヴ、エリック、アダム、エイミー、ジーンなどお馴染みのキャラクターが登場するも、Netflixが公開したキャストガイド（*1）にはリリー演じるタニヤ・レイノルズ、オーラ役のパトリシア・アリソン、オリヴィア役のシモーヌ・アシュリー、エミリー・サンズ先生役のラキー・タクラーなど脇を固めた俳優たちの名前は載っていない。
また、ザディア・グラハム、ダン・レヴィなどが演じる新キャラクターの存在も明かされている。
*1 Sex Education Season 4 Cast Guide - Netflix Tudum（外部サイト）
- 番組情報
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Netflix『セックス・エデュケーション』
シーズン4は9月21日から配信
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